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地域ハザードマップ

【2026年最新】仙台市の災害リスクとハザードマップ|浸水・地震・津波の想定と避難の備え

更新 2026年4月14日

仙台市は海・平野・山という3つの地形が東西に並ぶ、人口約110万人の東北最大の都市です。広瀬川・名取川・七北田川の3河川が市内を流れ、西は奥羽山脈、東は太平洋に面しています。

この地形の多様さが、そのまま災害リスクの多様さに直結しています。西部では土砂災害、中心部では洪水と内水氾濫(川が溢れなくても排水が追いつかず街が冠水する現象)、東部沿岸では津波。2011年の東日本大震災では市内で甚大な被害を受けており、災害への備えが欠かせない都市です。

仙台市を繰り返し襲ってきた災害の歴史
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仙台市は1,000年以上にわたって大規模な災害を繰り返し経験してきた都市です。ハザードマップに記載されている浸水深や震度の数値は、こうした過去の被害データに基づいています。

地震・津波の被害記録
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災害名規模仙台市域の被害
869年貞観地震M8.3以上津波が多賀城付近まで到達、約1,000人溺死
1611年慶長三陸地震M8.1仙台藩内で1,783人死亡。若林区「浪分神社」に津波到達の記録が残る
1896年明治三陸地震津波M8.2三陸沿岸に壊滅的被害。蒲生地区にも津波が襲来
1978年宮城県沖地震M7.4死者28人、負傷者1,325人、全壊1,183棟。ブロック塀倒壊が社会問題に。「防災都市宣言」の契機

出典:仙台管区気象台 宮城県の地震被害

東日本大震災(2011年)での仙台市の被害
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宮城野区・若林区の沿岸部を中心に、以下の被害が発生しました。

項目仙台市のデータ
地震の規模M9.0(市内:宮城野区で震度6強、青葉区・若林区・泉区で震度6弱)
津波の高さ仙台港で推定7.2m
人的被害死者904名、行方不明者27名
建物被害全壊30,034棟、大規模半壊27,016棟
浸水面積約4,500ha(うち農地約1,860ha)
被害総額約1兆3,045億円
避難者数ピーク時10万人以上(288か所の避難所を開設)

水害の被害記録と雨量の危険ライン
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仙台市は地震・津波に加え、台風や豪雨による水害も繰り返し経験しています。

災害名総雨量仙台市域の被害
1947年カスリン台風339mm名取川流域で県内約30,000戸が浸水
1986年台風10号(8.5豪雨)402mm仙台市の観測開始以来最大。床上浸水2,080戸、被害住家約5,500棟
1994年秋雨前線豪雨床上浸水2,145戸
2019年東日本台風382mm扇町ポンプ場で観測

これらの記録から、仙台市では総雨量250mmを超えると大規模浸水が始まり、400mmを超えると都市全体が危機的状況に陥ることが分かっています。気象予報で「総雨量200mm以上」の見込みが示された場合は、早期の避難準備が必要です。

出典:国土交通省 仙台河川国道事務所 名取川の変遷

ハザードマップの種類と確認方法
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仙台市は複数のハザードマップを公開しています。電子地図「せんだいくらしのマップ」を利用すれば、住所検索から自宅周辺の複数のリスクをまとめて確認できます。

マップ名内容
総合ハザードマップ地震・津波・洪水・ため池・土砂災害・内水の6リスクを統合表示
地震ハザードマップ50mメッシュで揺れやすさ・建物被害分布・液状化の3種類を提供
洪水・土砂災害ハザードマップ名取川・広瀬川・七北田川等の氾濫時浸水想定区域と土砂災害警戒区域。1,000年に1回程度の大雨を想定した最新基準に移行
内水ハザードマップ下水道の排水能力を超えた場合の浸水シミュレーション(時間最大70.5mm基準)
宅地造成履歴等情報マップ丘陵地を削った部分(切土)と土を盛った部分(盛土)の分布と造成履歴(全国初の公開)

地震ハザードマップは50m四方(ほぼ街区単位)の細かさでリスクが分かれているため、隣接するブロックで結果が異なる場合もあります。自宅の住所で確認してください。

紙版は各区役所・総合支所でも配布しています。

仙台市の区別リスク早見表
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自分の居住エリアがどのリスクに該当するかを以下の一覧で確認してください。

行政区地震・地盤土砂災害河川氾濫内水氾濫津波
青葉区高(西部山地)低(広瀬川沿い注意)中(都心部)
宮城野区高(液状化)高(七北田川)高(福田町等)
若林区高(地盤脆弱)高(名取川下流)高(今泉・沖野)
太白区中(断層近接)高(西部山地)高(名取川・笊川)中(郡山周辺)
泉区中(造成地注意)中(七北田川)

各エリアの特徴
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青葉区は面積が広く、エリアによってリスクの性質が大きく異なるため、3つに分けて把握する必要があります。

仙台駅から八幡・荒巻にかけての都市平坦部(標高20〜60m)は、広瀬川沿いの低地にあたる浸水リスクエリア。地表面の大部分がアスファルトで覆われており、短時間の集中豪雨で内水氾濫が発生しやすい地域です。青葉山・川内などの丘陵・台地部には崖崩れの警戒区域が点在し、作並・大倉の山間部では土砂災害と広瀬川上流域の洪水が同時に発生する複合リスクを抱えています。

宮城野区・若林区は東日本大震災で最も甚大な被害を受けた地域であり、現在は多重防御システム(後述)により津波対策が強化されています。ただし地盤自体が脆弱で液状化リスクも高く、地震と津波の両面に対する備えが求められます。

太白区で注意が必要なのは、名取川沿いの長町駅周辺。洪水(想定最大3.0m以上)と内水氾濫の二重リスクに加え、長町-利府断層が近接しており直下型地震のリスクも重なるエリアです。

泉区は七北田川北側の低地で氾濫時に3.0m以上の浸水が想定されるほか、松陵・虹の丘などの大規模盛り土造成地では、地震時に切土と盛土の境界で地滑りが発生するリスクがあり、ハザードマップで確認しておくことを推奨します。

仙台市の主要駅周辺の浸水リスク
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通勤・通学で利用する主要駅周辺の浸水リスクは、全ての市民に関わる重要な情報です。浸水想定には2つの基準があります。

  • 計画規模 — 数十年〜百年に1回程度の大雨を想定
  • 想定最大規模 — 1,000年に1回程度の極端な大雨を想定
駅名関連河川計画規模想定最大規模注意点
仙台駅浸水なし内水で最大45cm地下鉄入口への流入に警戒
長町駅名取川・笊川局所的3.0m以上洪水+内水の二重リスク
南仙台駅名取川0.5m以上3.0m以上広範囲で避難困難に
福田町駅梅田川0.5m以上3.0m以上広域避難指示が想定
岩切駅七北田川0.5m以上5.0m以上市内で最も深刻な浸水想定
泉中央・八乙女駅七北田川3.0m以上駅の機能停止リスク

仙台駅は標高が高く河川氾濫の影響は受けにくいものの、集中豪雨による内水氾濫のリスクは残ります。45cmの冠水であっても地下鉄入口から急速に流入するため、地下空間への警戒が必要です。

岩切駅周辺は想定最大規模で5.0m以上と、市内で最も深刻な浸水想定です。2階建て家屋の屋根に達する水深であり、浸水開始後の避難は極めて困難になります。

なお、東日本大震災時には仙台駅周辺で1万人以上の帰宅困難者が発生しました。この教訓を踏まえ、周辺の商業施設・ホテル・大学と協定を結び、一時滞在場所の確保と定期的な訓練が実施されています。

津波リスクと多重防御
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津波の浸水想定
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最大クラスの津波が発生した場合の仙台市内の浸水想定です。

エリア浸水深
若林区沿岸(荒浜・藤塚)3〜5m以上
宮城野区沿岸(蒲生・中野)3〜5m以上
仙台港周辺2〜3m

多重防御システム
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震災後、仙台市は1つの防御が突破されても次の防御で食い止める3段階の防御ラインを構築しました。

防御ライン内容
第一線:海岸堤防沿岸部の防潮堤
第二線:防災林+避難の丘高さ10〜15mの丘を整備。「ふるさとの杜再生プロジェクト」で海岸林を市民・企業と協働再生
第三線:かさ上げ道路仙台東部道路を堤防として活用

ただし、最大クラスの津波ではこれらの防御を越える可能性も否定できません。揺れを感じたら直ちに高台へ避難するという原則が、最も重要な備えです。

津波避難施設
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沿岸部には計13か所の津波避難施設があります。高さ6m以上の津波避難タワーは300人を収容でき、スロープ完備で車いすにも対応。発電機・毛布・食料・簡易トイレが備蓄されており、約24時間の滞在を想定した設計です。公園には高さ10〜15mの「避難の丘」も整備されています。

出典:仙台市 津波への備えと対応

仙台市の地震リスク
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宮城県沖地震への備え
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宮城県沖地震は約37年周期で発生するとされており、東日本大震災から14年が経過した現在、次の発生が近いと指摘されています。仙台市直下で震度6強以上の揺れが想定されており、全市的な備えが必要です。

液状化リスク
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地震の揺れにより地中の水と砂が混合し、地盤が流動化する現象です。建物の傾斜・沈下やマンホールの浮上が発生し、道路の通行にも支障をきたします。

リスク該当エリア
宮城野区・若林区の沿岸寄り(東日本大震災で実際に被害が発生)
太白区長町周辺の一部
青葉区中心部・台地上

造成地の地盤リスク
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仙台市には丘陵地を切り盛りして造成した住宅地が多数存在します。東日本大震災では青葉区・太白区の造成地で、切土と盛土の境界部が地すべりを起こしました。

仙台市が全国に先駆けて公開した「宅地造成履歴等情報マップ」で、自宅が切土・盛土のどちらに位置するかを確認してください。この情報は地震時の避難判断に直結します。

浸水深の目安と避難判断
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ハザードマップに示される浸水深が実際にどのような状況を意味するのか、行動の判断基準とあわせて整理します。

浸水深状況行動の目安
0.5m未満大人の膝下この段階に達する前に避難を完了させる
0.5〜1.0m大人の腰歩行による避難は危険。0.5mが歩行の限界
1.0〜3.0m1階が完全に水没2階以上への垂直避難。ただし木造家屋は倒壊・流出リスクあり
3.0m以上2階の床下まで浸水事前の立ち退き避難が必須
5.0m以上2階建て家屋の屋根まで到達2階でも生存不能。立ち退き避難が唯一の手段

岩切駅周辺(5.0m以上)、長町駅・福田町駅周辺(3.0m以上)にお住まいの方は、降雨が強まってからの避難では間に合わない可能性があります。警戒レベル3(高齢者等避難)の段階で避難行動を開始してください。

仙台市における雨量の危険ラインについては「水害の被害記録」を参照してください。

避難場所と避難所の違い
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「避難場所」と「避難所」は異なる役割を持つ施設です。災害時に適切な判断を行うために、この違いを事前に把握しておくことが重要です。

種別役割具体例
指定避難所避難生活を送る施設市立小中高等学校(約280か所)
地域避難場所一時的に身を寄せる広場大きめの公園
広域避難場所大火災時に逃げ込む場所勾当台公園、西公園、台原森林公園
津波避難施設津波からの一時避難施設津波避難タワー(沿岸部13か所)
福祉避難所配慮が必要な方の二次避難先119か所(直接避難は不可)

重要な注意点
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大雨時には浸水リスクにより開設されない避難所があります。普段想定している避難所が水害時には使用できないケースは少なくありません。2階以上のみ使用可という条件が付く施設も多いため、最寄りの避難所が水害時にどのような扱いになるか、平時に確認しておくことが重要です。

福祉避難所は発災直後に直接避難する施設ではありません。まず指定避難所に避難し、専門職が状態を確認した上で必要に応じて案内される仕組みです。

避難所では更衣室・授乳室の設置、女性用品の備蓄、外国人向けの多言語対応(Safety tipsアプリの案内)も整備されています。

出典:仙台市 避難所運営マニュアル

防災情報の入手方法
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災害時に正確な情報を迅速に入手できるかどうかは、避難行動の成否に直結します。情報の入手手段は最低2つ確保しておくことを推奨します。

手段概要
仙台市避難情報ウェブサイト避難情報・避難所の開設状況をリアルタイム確認
杜の都防災メール気象警報・避難情報をメールで自動受信
仙台市LINE公式アカウントプッシュ通知で避難情報を受信
Yahoo!防災速報アプリ地域に紐づいた防災情報を受信
Safety tips(外国人向け)多言語対応の災害時情報提供アプリ

上記に加え、緊急速報メール(エリアメール)は避難指示・津波警報を携帯キャリア経由で強制受信する仕組みのため、事前の登録は不要です。

警戒レベルと行動
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レベル発表される情報住民の行動
1早期注意情報災害への心構えを高める
2大雨・洪水注意報ハザードマップで避難先を再確認
3高齢者等避難高齢者・乳幼児のいる家庭は避難開始
4避難指示危険な場所から全員避難
5緊急安全確保命を守る行動を直ちにとる

レベル5は災害がすでに発生または切迫している状態を示します。レベル4までに避難を完了させることが原則です。レベル5発表後の安全な避難は保証されません。

マイ・タイムラインの作成
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「いつ」「誰が」「何をするか」を事前に時系列で整理する避難行動計画が「マイ・タイムライン」です。仙台市はWEB版の作成ツールを公開しています。

以下の3ステップで作成します。

  1. リスクを確認する — ハザードマップで自宅の浸水深と土砂災害リスクを確認
  2. 避難方法を決める — 浸水深3.0m以上は立ち退き避難が必須、0.5〜3.0mは2階への垂直避難が可能(ただし孤立リスクを考慮)
  3. タイミングを決める — 警戒レベルに合わせて「レベル3で高齢者と子どもは避難開始」「レベル4で全員避難完了」のように、家族の役割分担を時系列で整理する

手書きシートでの作成も可能です。完成したタイムラインを家族全員が確認できる場所に掲示しておくことで、緊急時の判断の迷いを軽減できます。

仙台市の独自の防災対策
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仙台市は震災の経験を防災施策に反映させる取り組みにおいて、日本で最も先進的な自治体のひとつです。

仙台防災枠組2015-2030
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2015年、仙台市で第3回国連防災世界会議が開催され、「仙台防災枠組2015-2030」が採択されました。「災害リスクの理解」「ガバナンスの強化」「防災投資」「より良い復興」の4つを柱とする国際的な防災指針です。仙台市は地方自治体として世界で初めて中間評価を行い、国連で発表しました。

出典:仙台市 防災環境都市づくり

インフラの強靱化
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施設・事業内容
南蒲生浄化センター津波で壊滅した下水処理場を約3年で再建。T.P.+10.4mかさ上げ、太陽光・小水力発電を導入
避難所のエネルギー自律小中学校197か所に太陽光発電+蓄電池を設置。停電時にも自立した電力供給が可能
エコモデルタウン(田子西・荒井東地区)太陽光+蓄電池+ガスコージェネレーションを組み合わせた、特定エネルギーに依存しないまちづくり

地域の防災力を高める仕組み
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制度・活動内容
地域防災リーダー(SBL)市の独自講習で8年間に890人を養成(女性含む)。避難訓練企画から避難所運営までを担う
防災力向上マンション認定制度マンション管理組合の防災活動を評価・認定
「みんなのための避難所作り」WS震災時の教訓から、多様な市民が避難所運営に参画できる仕組みを構築
外国人支援多言語防災ビデオ制作、災害時の「災害多言語支援センター」設置体制

震災の記憶と教訓の伝承
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施設・活動内容
震災遺構 荒浜小学校津波の脅威を伝える校舎を保存・公開
荒浜地区住宅基礎津波で流された住宅の基礎をそのまま保存
せんだい3.11メモリアル交流館地下鉄荒井駅舎内に開設。展示と市民交流の拠点として機能
防災教育仙台独自の副読本を作成し、全小中学校で体系的に実施

防災チェックリスト
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ここまでの内容を踏まえ、仙台市民が確認しておくべき項目を一覧にまとめました。

備蓄の目安は、水が1人1日3リットル、非常用トイレが1人1日5回分で、日数は1週間分(仙台市推奨)です。低地にお住まいの方は、ビニール袋に水を入れた「水のう」による排水口の逆流防止対策もあわせて確認してください。

確認項目
「せんだいくらしのマップ」で自宅のリスクを全て確認した
宅地造成履歴で切土・盛土を確認した(造成地の方)
近くの防災重点ため池を確認した
最寄りの避難所と、水害時に使えるかを把握した
津波避難ルートを実際に歩いた(沿岸部の方)
マイ・タイムラインを作成した
家族で避難のタイミングと集合場所を決めた
杜の都防災メール・LINE・Yahoo!防災速報を登録した
地震保険の加入状況を確認した
家具の転倒防止をした
1週間分の水・食料・トイレを備蓄した
排水口の逆流対策を確認した(低地の方)
🛡 防災士からのメッセージ
多重防御システムや地域防災リーダー制度など、仙台市の防災体制は国際的にも高く評価されています。しかし、最終的に命を守るのは一人ひとりの事前の備えです。上記のチェックリストを一つずつ確認することから始めてください。

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