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地域ハザードマップ

【2026年最新】練馬区の災害リスクとハザードマップ|石神井川氾濫・内水氾濫・地震の想定と避難の備え

更新 2026年4月15日

練馬区は東京23区の北西端に位置し、人口約75万人を擁する区です。区域の大部分は武蔵野台地の上にあり、固い関東ローム層に覆われているため地盤は比較的安定しています。その一方で、区内を東西に貫く石神井川と、北側を流れる白子川という2つの河川が、水害リスクの中心になっています。

地形的には平坦に見えても、石神井川・白子川の中流部は河床勾配が急で、集中豪雨が発生すると短時間で水位が急上昇する特性があります。加えて、昭和中期以降の急激な市街化により地表の保水機能が大幅に低下しており、内水氾濫(川が溢れなくても排水が追いつかず街が冠水する現象)のリスクが高まっています。

練馬区を繰り返し襲ってきた災害の歴史
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ハザードマップに示される浸水深や想定区域は、過去の実際の被害データに基づいています。練馬区が経験してきた水害と地震の記録を確認することが、ハザードマップを正しく読む第一歩です。

水害の被害記録
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2019年の台風19号(令和元年東日本台風)では白子川・石神井川の地下調節池が機能し、大規模な浸水を抑制しました。一方、それ以前には繰り返し水害が発生しており、以下の記録が残っています。

災害名記録雨量練馬区域の被害
1958年(昭和33年)狩野川台風石神井川が氾濫。流域で広範囲の浸水被害が発生し、後の河川改修事業の起点となった
1976年(昭和51年)台風17号日雨量220mm白子川流域で被害棟数531棟(床上55棟・床下476棟)
1999年(平成11年)集中豪雨時間最大129mm床上浸水274件、床下浸水121件
2005年(平成17年)集中豪雨時間最大80mm・日雨量224mm区内「越後山橋観測所」で観測。浸水77棟、被害額約4億円
2018年(平成30年)集中豪雨大泉町・上石神井周辺を中心に115件の浸水被害

出典:東京都建設局 水害記録白子川流域豪雨対策計画練馬区地域防災計画

市街地の不浸透面積は増加し続けており、行政のインフラ整備だけでは対応しきれない「残存リスク」がある点を認識しておく必要があります。

地震の被害記録
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災害名規模練馬区域の被害
2011年東日本大震災M9.0練馬区の最大震度は5弱。建物の全壊・半壊はゼロ。一部破損にとどまった

出典:東京都 地域危険度測定調査(第9回)

東日本大震災では、武蔵野台地上という地盤の強さが被害の軽減に寄与しました。ただし、立川断層帯地震や多摩東部直下地震による震度6強の揺れは現在も想定されており、地盤が安定しているからといって地震への備えを省略できるわけではありません。

練馬区のハザードマップの種類と確認方法
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練馬区は複数のハザードマップを公開しています。各マップは対象リスクが異なるため、自宅のリスクを多面的に把握するには複数のマップを確認することが重要です。

マップ名内容
練馬区水害ハザードマップ石神井川・白子川・江古田川の氾濫による外水氾濫と内水氾濫を統合表示。想定最大規模(時間最大153mm・総雨量690mm)に基づく
練馬区土砂災害ハザードマップ東京都指定の土砂災害警戒区域(イエローゾーン)15か所、土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)11か所を掲載
石神井川・白子川流域浸水予想区域図東京都建設局が公開する河川別の浸水予想区域。計画規模と想定最大規模の2基準を確認できる

なお、視覚障害のある方に向けて、音声で現在地や避難所の情報を案内する「耳で聴くハザードマップ(Uni-Voice Blindアプリ)」も導入されています。

紙版のハザードマップは区内の区民事務所・区民センターなどで入手できます。デジタル環境がない方は紙版での事前確認を推奨します。

練馬区のエリア別リスク早見表
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自分の居住エリアのリスクを以下の一覧で確認してください。

エリア地震・地盤河川氾濫内水氾濫土砂災害
石神井川沿い低地(石神井台・関町東等)高(最大3〜5m未満)中(急傾斜地近接)
白子川沿い低地(大泉町等)高(最大3〜5m未満)中(急傾斜地近接)
武蔵野台地部(練馬・光が丘等)中(道路冠水多発)
台地・低地境界(斜面沿い)高(警戒・特別警戒区域)
富士見台周辺やや低(地域危険度ランク4)

各エリアの特徴
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石神井川沿い低地は、区内で最も河川氾濫リスクが高いエリアです。石神井台7丁目・関町東2丁目付近では、想定最大規模の降雨時に浸水深が3〜5m未満に達するとされています。石神井川は中流部で流速が速く、降雨開始から水位上昇までのリードタイムが短いという特性を持ちます。

白子川沿い低地、特に大泉町3・4丁目周辺も同様の浸水深が想定されます。白子川は大泉井頭公園の湧水を起点とし、急勾配の河床を持つため、短時間で水位が急変する点に注意してください。

武蔵野台地部は大規模な河川氾濫リスクが低い一方、アスファルトで覆われた市街地では排水が追いつかない内水氾濫による道路冠水が多発します。特に練馬駅・光が丘駅周辺は地下空間を抱えており、激しい降雨時の地下施設への流入に警戒が必要なエリアです。

台地と低地の境界となる斜面沿いには土砂災害の警戒区域が集中しており、桜台6丁目・南田中3・5丁目・大泉1丁目・土支田4丁目・関町北3丁目・上石神井3丁目などの一部が警戒区域(イエローゾーン)または特別警戒区域(レッドゾーン)に指定されています。

練馬区の主要駅周辺の浸水リスク
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浸水想定には2つの基準があります。

  • 計画規模 — 数十年〜百年に1回程度の大雨を想定
  • 想定最大規模 — 1,000年に1回程度の極端な大雨を想定
駅名関連河川計画規模想定最大規模注意点
大泉学園駅石神井川・白子川局所的浸水1.0〜3.0m駅周辺低地で床上浸水相当の浸水実績あり
石神井公園駅石神井川局所的浸水1.0〜3.0m石神井川沿い低地に近接
上石神井駅石神井川局所的浸水0.5〜1.0m過去の豪雨で冠水が発生したエリアに近接
練馬駅内水のみ内水0.5m未満都営大江戸線の地下コンコースへの流入に警戒
氷川台駅石神井川0.5m以上1.0〜3.0m洪水浸水想定区域内に位置し、避難確保計画の作成が義務づけられた施設
光が丘駅内水のみ内水のみ広場・道路が雨水の通り道となりやすい。地下鉄トンネルを通じた浸水波及にも注意

練馬駅・氷川台駅・光が丘駅は、有楽町線・副都心線・都営大江戸線の地下施設を持つ駅です。わずかな冠水でも地下コンコースに急速に流水が流れ込む危険があるため、激しい降雨を感じた際は地下空間からの速やかな退避が必要です。

帰宅困難者対策として、練馬区では練馬文化センターや光が丘区民ホールなどを「災害時帰宅支援ステーション」として位置づけ、水・トイレ・情報の提供体制を整備しています。

練馬区の地震リスク
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想定地震と揺れの強さ
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練馬区の地盤は武蔵野台地上の固い関東ローム層で構成されており、東京23区の中では地震による揺れが増幅されにくい地域です。東京都の地域危険度測定調査(第9回)では、区内の約80%が最も安全なランク1・2に指定されています。

ただし、以下の地震は震度6強クラスの揺れをもたらすとされており、地盤の安定性は万全の免震ではありません。

  • 立川断層帯地震 — 多摩地域を震源とする直下型地震
  • 多摩東部直下地震 — 練馬区にも震度6強が想定される

液状化リスク
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地震の揺れにより地中の水と砂が混合し、地盤が流動化する現象です。練馬区の大部分は液状化リスクが極めて低い地域ですが、河川沿いの低地の一部では液状化の可能性がある地点が存在します。

リスク該当エリア
極低〜低武蔵野台地部(練馬区の大半)
低〜中石神井川・白子川沿いの低地の一部

富士山噴火への備え
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練馬区内に活火山はありませんが、富士山が大規模噴火した場合、首都圏全体に降灰被害が想定されています。降灰は交通網の麻痺や停電を引き起こすため、練馬区の地域防災計画でも対応方針が定められています。出典:東京都 首都直下地震等対処方針

浸水深の目安と避難判断
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ハザードマップに示される浸水深が実際にどのような状況を意味するのか、避難行動の判断基準とあわせて整理します。

浸水深状況行動の目安
0.5m未満大人の膝下この段階に達する前に避難を完了させる
0.5〜1.0m大人の腰歩行による避難は危険。0.5mが歩行の限界
1.0〜3.0m1階が完全に水没2階以上への垂直避難。ただし木造家屋は倒壊・流出リスクあり
3.0m以上2階の床下まで浸水事前の立ち退き避難が必須
5.0m以上2階建て家屋の屋根まで到達2階でも生存不能。立ち退き避難が唯一の手段

石神井川沿いの石神井台・関町東周辺、白子川沿いの大泉町周辺(想定最大規模で3〜5m未満)にお住まいの方は、雨が強まってからの避難では間に合わない可能性があります。警戒レベル3(高齢者等避難)が発令された段階で避難行動を開始してください。

氷川台駅周辺(想定最大規模で1.0〜3.0m)も同様に、1階が水没する可能性があるエリアです。水位の上昇は急速に進むため、早め早めの行動が重要です。

避難場所と避難所の違い
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「避難場所」と「避難所」は役割が異なります。災害の種類によって適切な施設が変わるため、事前に把握しておくことが重要です。

種別役割具体例
避難拠点(地震時)区立小中学校98校が一斉開設震度5弱以上で全校開設
水害時避難所浸水リスクがない安全な場所のみ開設地区区民館・地域集会所・一部の小中学校
土砂災害時指定避難所警戒区域に近い住民向けの専用施設桜台地区区民館・開進第三中学校など
福祉避難所高齢者・障害者など配慮が必要な方の二次避難先特別養護老人ホーム・デイサービスセンターなど

重要な注意点
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水害時はすべての小中学校が避難所として開設されるわけではありません。浸水リスクのある学校は開設されないため、「いつも使う避難所」が水害時に使用できないケースも少なくありません。事前に最寄りの水害時避難所を把握しておくことが、適切な避難行動の前提になります。

土砂災害の警戒区域(イエローゾーン・レッドゾーン)にお住まいの方には、地区ごとに専用の避難所が指定されています。桜台6丁目の方は桜台地区区民館・開進第三中学校、南田中3・5丁目の方は南田中敬老館・南田中小学校が指定避難所です。詳細は区のハザードマップで確認してください。

福祉避難所は、発災直後に直接避難する施設ではありません。まず一般の避難拠点に避難し、専門職が状態を確認した上で必要に応じて案内される仕組みです。自己判断で直接向かっても受け入れを断られる場合があります。

練馬区は全ての避難拠点でペットとの同行避難をルール化しており、人とペットの居住エリアを分ける工夫が取られています。ペット同行避難に対応した「動物避難所開設用キット」の備蓄や、獣医師会との協定も整備されています。

出典:練馬区地域防災計画

防災情報の入手方法
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災害時に正確な情報を迅速に入手できるかどうかは、避難行動の成否に直結します。情報の入手手段は最低2つ確保しておくことを推奨します。

手段概要
ねりま情報メール気象警報・避難情報をメールで自動受信
Yahoo!防災速報アプリ練馬区はヤフーと協定を結び、避難所の開設状況をプッシュ通知で配信
東京都河川雨量・水位情報石神井川・白子川の水位をリアルタイムで確認できる
東京アメッシュ5分単位で雨雲の接近を把握できる気象レーダー
防災行政無線(フリーダイヤル)放送内容を0120-707-111で確認可能。雨音で聞こえない場合に有効

緊急速報メール(エリアメール)は避難指示・緊急情報を携帯キャリア経由で強制受信する仕組みのため、事前の登録は不要です。

区のホームページにアクセスが集中してダウンすることを防ぐため、練馬区はYahoo! JAPAN上にキャッシュサイトを展開して情報提供を継続する体制を整えています。

警戒レベルと行動
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レベル発表される情報住民の行動
1早期注意情報災害への心構えを高める
2大雨・洪水注意報ハザードマップで避難先を再確認
3高齢者等避難高齢者・乳幼児のいる家庭は避難開始
4避難指示危険な場所から全員避難
5緊急安全確保命を守る行動を直ちにとる

石神井川では「氾濫危険情報」、白子川では各観測所(松殿橋・三ツ橋・子安橋)で「警報2(危険水位)」に到達すると、警戒レベル4(避難指示)の発令が検討されます。レベル5は災害がすでに発生または切迫している状態です。レベル4までに避難を完了させることが原則です。

マイ・タイムラインの作成
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「いつ」「誰が」「何をするか」を事前に時系列で整理する避難行動計画が「マイ・タイムライン」です。石神井川・白子川は急勾配の河床を持ち、降雨開始から水位上昇までの時間が短いため、事前に行動計画を決めておくことが特に重要です。

以下の3ステップで作成します。

  1. リスクを確認する — ハザードマップで自宅の浸水深と土砂災害リスクを確認する
  2. 避難方法を決める — 浸水深3.0m以上は立ち退き避難が必須。0.5〜3.0mは2階への垂直避難が可能(ただし孤立リスクを考慮する)
  3. タイミングを決める — 「レベル3で高齢者と子どもは避難開始」「レベル4で全員避難完了」のように、家族の役割分担を時系列で整理する

マイ・タイムラインの参考として、練馬区の行政タイムラインが公開されています。台風接近4日前からのアクションプランが定められており、3日前に「水災害応急対策本部」、2日前に「災害対策本部」が設置される流れになっています。水災害時専用コールセンター(03-5984-2569)は台風接近2日前から設置されます。

出典:練馬区地域防災計画

練馬区の独自の防災対策
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練馬区は住民と行政が協働する「練馬区モデル」の防災体制を構築しており、全国でも先進的な取り組みを実施しています。

治水インフラの整備
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施設・事業内容
比丘尼橋調節池(上流・下流)白子川中流部に整備された合計貯留量18.9万m³の地下調節池。豪雨時に河川水を引き込み、下流への洪水負担を軽減する
環状七号線地下広域調節池東京都と連携して整備が進む広域調節池。白子川流域の治水能力を強化
総合治水計画令和19年度末までに雨水流出抑制施設を拡充し、流域対策目標「72.5万m³(時間10mm降雨相当)」の達成を目指す

出典:白子川流域豪雨対策計画

避難拠点運営と地域防災
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制度・活動内容
避難拠点運営連絡会(練馬区モデル)区の職員・近隣住民・学校教職員の3者が協働して自主的に避難所を運営する体制。阪神・淡路大震災の教訓から生まれた制度
ペット同行避難全ての避難拠点でペットとの同行避難をルール化。獣医師会との協定と「災害時ペット管理ボランティア」の育成も実施
防火防災診断(無料)消防署と協力して家庭の安全性をチェック。高齢者・要介護者・障害者のいる世帯が対象(申込:練馬区区民防災課 03-5984-1654)
感震ブレーカー助成地震時に電気火災を防ぐ感震ブレーカーの購入助成・無償貸与制度

練馬区立防災学習センターと「ねりま防災カレッジ」
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光が丘に常設された防災学習センターでは、全国初のVR(バーチャルリアリティ)を用いた地震体験や、初期消火・応急救護を体験できる「発災体験ツアー」を無料で実施しています。「ねりま防災カレッジ事業」では地域防災リーダーの育成が行われており、女性目線の防災対策の普及など実践的な教育内容が特徴です。

木造密集地域の解消に向けては、貫井・富士見台地区や桜台東部地区での道路拡幅・不燃化工事、特定緊急輸送道路沿道の建築物の耐震化、危険ブロック塀の撤去費用助成も継続して実施されています。

防災チェックリスト
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ここまでの内容を踏まえ、練馬区民が確認しておくべき項目を一覧にまとめました。

備蓄の目安は、水が1人1日3リットル、非常用トイレが1人1日5回分で、日数は1週間分です。河川沿い低地にお住まいの方は、ビニール袋に水を入れた「水のう」による排水口の逆流防止対策もあわせて確認してください。

確認項目
練馬区水害ハザードマップで自宅の浸水深を確認した
土砂災害ハザードマップで警戒区域・特別警戒区域の該当を確認した
水害時に使用できる最寄りの避難所を確認した(地震時と異なる場合あり)
土砂災害警戒区域の方は、専用の指定避難所を確認した
マイ・タイムラインを作成し、家族全員で共有した
警戒レベル3で行動開始するタイミングを家族で決めた
ねりま情報メール・Yahoo!防災速報を登録した
東京アメッシュ・東京都河川水位情報の使い方を確認した
地下空間にいるときの避難ルールを決めた
家具の転倒防止・感震ブレーカーの設置を確認した
1週間分の水・食料・非常用トイレを備蓄した
河川沿い低地の方は排水口の逆流対策を確認した
🛡 防災士からのメッセージ
「地盤が強いから大丈夫」という安心感が、水害への備えを遅らせる最大のリスクです。石神井川・白子川は急勾配の河床を持ち、雨がピークに達してから水位が上がるまでの時間が短い河川です。ハザードマップで自宅の浸水深を確認し、警戒レベル3の段階で行動を開始するタイムラインを今日中に家族で決めておいてください。

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