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地域ハザードマップ

【2026年最新】船橋市の災害リスクとハザードマップ|浸水・地震・液状化の想定と避難の備え

更新 2026年4月14日

船橋市は人口64万人を超える千葉県最大の都市で、東京都心から20km圏内という立地から高度な都市化が進んでいます。市の地形は、北部に広がる標高20〜30mの「下総台地」、海老川・長津川・飯山満川・前原川などの河川が形成した「谷底低地」、そして南部の「沿岸埋立地」という3つの地形帯で構成されています。

この地形の二面性が、そのまま災害リスクの二面性に直結しています。台地部では地震時の揺れによる建物被害、低地・埋立地では液状化・洪水・高潮という複合リスク。令和8年3月に更新されたハザードマップでは、気候変動を考慮した1,000年に1回程度の極端な大雨を前提とする浸水想定が採用されており、従来の想定を上回る備えが求められています。

船橋市を繰り返し襲ってきた災害の歴史
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船橋市の防災体制は、地震・水害・雪害にわたる長期の被害記録に基づいて構築されています。ハザードマップに示される浸水深や震度の数値は、こうした過去の被害データが根拠となっています。

地震災害の被害記録
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災害名規模主な被害
1703年元禄地震M7.9〜8.2東京湾内への津波により人畜に多数の犠牲
1855年安政地震M6.9地割れ、泥の吹き出し(液状化の記録)
1923年関東大震災M7.9校舎破損・地割れ・崖崩れ。漁業は油流入で約1か月休業
1987年千葉県東方沖地震震度4学校施設の天井・ガラス等に被害多数
2011年東日本大震災M9.0・震度5弱全半壊490棟超、一部損壊4,828棟、断水・停電が広域に発生
2021年北西部地震震度5弱軽傷3名、エレベーター閉じ込め事案が発生

出典:船橋市 過去の震災の記録

2011年の東日本大震災では、震度5弱という中規模の揺れで建物被害が5,000棟を超えました。軟弱な低地・埋立地で地盤の脆弱性が顕在化した記録です。

水害・雪害の被害記録
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災害名主な被害
1978年7月集中豪雨(最大時雨量70mm)床上浸水780戸、床下浸水714戸
2019年台風15号11,500軒停電
2019年台風19号2,300軒停電、避難者1,560名
2024年2月大雪(最深積雪3cm)死者1名、軽傷者5名、568世帯停電

出典:船橋市 過去の風水害・雪害の記録船橋市 近年の災害記録

昭和40〜50年代には台風や集中豪雨のたびに数千戸単位の浸水被害が発生していました。河川改修の進展で大規模な床上浸水は減少しましたが、局地的な集中豪雨による道路冠水は現在も常態化しています。2024年2月の雪害では、積雪わずか3cmで死者が出た事実も、都市部における多様な災害リスクを示しています。

船橋市のハザードマップの種類と確認方法
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船橋市は令和8年3月1日に最新情報を反映したハザードマップを更新しており、水防法の改正に基づいて運用されています。

マップ名内容
船橋市ハザードマップ(総合)洪水・内水・高潮・土砂災害等の複数リスクを統合。最新の想定最大規模降雨(1,000年に1回)を反映
防災カルテ市内24地区ごとの地形・地盤・建物被害予測・避難所等を詳細にまとめた地区別資料

紙版のハザードマップは市役所・各出張所・公民館で配布しています。

防災カルテは地区ごとに個別PDFが用意されており、自宅の地区を選んで確認することで、より詳細な地盤情報や建物被害予測を把握できます。

船橋市のエリア別リスク早見表
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船橋市は地形の差異が大きく、居住エリアによって想定される主要リスクが大きく異なります。市内に直接的に影響する活断層は特定されていませんが、首都直下地震やプレート境界型地震が最大の脅威とされています。

エリア代表地区地震・液状化洪水・内水主な懸念
沿岸・都心エリア湊町、本町極高(全域埋立地)液状化・高潮・密集地での延焼
低地・境界エリア海神、法典崖周辺注意中〜高浸食崖の崩落、大柏川沿い浸水
下総台地エリア習志野台、薬円台、二和低〜中揺れによる建物被害、高齢者の避難支援
北部・農住混在エリア豊富、坪井、大穴中〜高(谷底低地)液状化、主要道路の少なさによる孤立リスク

出典:船橋市 防災カルテ

各エリアの特徴
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湊町地区はほぼ全域が埋立地で、液状化(地震の揺れにより地中の水と砂が混合し、地盤が流動化する現象)リスクが「極めて高い」と評価されています。首都直下地震(震度6強想定)での建物全半壊予測率は39%に達し、市内で最もリスクが高いエリアです。

本町地区は中心市街地で人口密度が高く、古い木造建築が多いため延焼火災のリスクがあります。全半壊予測率は37%と湊町に次ぐ水準です。

海神地区は台地と低地の境界に位置し、急傾斜地(浸食崖)が存在します。揺れによる崖崩れと延焼火災の両面への備えが求められるエリアです。

習志野台・薬円台など下総台地上のエリアは液状化リスクが低く、洪水の影響も限定的です。ただし震度6強が予測されるため、家具の転倒による圧死・負傷が主な懸念となります。二和地区は建物被害予測(全半壊率13%)は比較的小さいものの、高齢化率26.3%という数値が示すように、避難支援の体制が課題となっています。

豊富・坪井地区など北部の谷底低地は液状化リスクが高く、主要道路が限られるため孤立リスクも考慮されています。

出典:防災カルテ(湊町)防災カルテ(本町)

船橋市の主要駅周辺の浸水リスク
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浸水想定には2つの基準があります。

  • 計画規模 — 数十年〜百年に1回程度の大雨を想定
  • 想定最大規模 — 1,000年に1回程度の極端な大雨を想定

令和8年3月の更新により、船橋市のハザードマップは想定最大規模を基準とする浸水想定に移行しています。

駅名関連リスク浸水の目安注意点
船橋駅海老川氾濫・内水氾濫周辺一部で0.5〜1.0m駅北側アンダーパスが早期に冠水。通行不可となる
西船橋駅内水氾濫・道路冠水南側低地で道路冠水京葉道路・国道14号の交差部で渋滞が発生し、避難が遅れるリスク
南船橋駅高潮・海老川氾濫高潮時に広範囲が浸水周辺の商業施設(ららテラスTOKYO-BAY等)が津波一時避難施設として機能
北習志野駅内水氾濫(局地的)台地上のため大規模氾濫リスクは低いゲリラ豪雨時に一時的な道路冠水が発生する箇所あり

出典:防災カルテ(本町・船橋駅周辺)防災カルテ(湊町・南船橋駅周辺)防災カルテ(習志野台)

船橋駅北側のアンダーパスは、水害時に通行不可となる前提で避難ルートを事前に決めておくことを推奨します。川が溢れなくても排水が追いつかず街が冠水する現象(内水氾濫)は、台地上の北習志野駅周辺でも発生します。地下空間への流入は冠水の初期段階から始まるため、早めの行動が鍵となります。

船橋市の地震リスク
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液状化リスク
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湾岸部・河川沿いの低地・埋立地は、地震時に液状化のリスクが特に高いエリアです。

リスク水準該当エリア
極めて高い湊町(全域埋立地)、坪井(坪井川沿い低地)
高い豊富(神崎川・二重川沿い低地)、法典(大柏川沿い谷底低地)
低い習志野台・二和・薬円台(下総台地上)

出典:船橋市 防災カルテ概要

液状化が発生すると、建物の傾斜・沈下やマンホールの浮上、ガス・水道管の破断が起こり、道路通行にも支障をきたします。東日本大震災では震度5弱という中規模の揺れでこれらの被害が広範囲に発生した記録があり、低地・埋立地にお住まいの方は居住地の防災カルテで液状化予測を確認してください。

市内に直接影響する活断層は特定されていませんが、首都直下地震が発生した場合、湊町・本町エリアでは震度6強が予測されます。軟弱地盤では地震波が増幅されるため、同じ地震でも台地部と低地部では体感震度に差が生じます。

浸水深の目安と避難判断
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ハザードマップに示される浸水深が実際にどのような状況を意味するのか、行動の判断基準とあわせて整理します。

浸水深状況行動の目安
0.5m未満大人の膝下この段階に達する前に避難を完了させる
0.5〜1.0m大人の腰歩行による避難は危険。0.5mが歩行の限界
1.0〜3.0m1階が完全に水没2階以上への垂直避難。ただし木造家屋は倒壊・流出リスクあり
3.0m以上2階の床下まで浸水事前の立ち退き避難が必須
5.0m以上2階建て家屋の屋根まで到達2階でも生存不能。立ち退き避難が唯一の手段

船橋駅周辺(想定0.5〜1.0m)は、降雨が強まった後では安全な徒歩避難が困難になります。船橋駅北側アンダーパスは早期に冠水するため、水害時は迂回ルートを確認しておくことが重要です。

垂直避難(上階への移動)が有効なのは、周囲が浸水して水平移動が危険な場合です。ただし古い木造家屋で倒壊・流出の恐れがある場合、または土砂災害警戒区域内にある場合は、警戒レベル3の段階での立ち退き避難が原則です。

避難場所と避難所の違い
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「避難場所」と「避難所」は異なる役割を持ちます。船橋市は居住地ごとに複数の避難所・避難場所を指定しており、水害時と地震時で使える施設が異なる場合があります。

種別役割具体例
指定避難所(宿泊可能)避難生活を送る施設市立小中学校、船橋アリーナ等
指定避難所(宿泊不可・一時)一時的に身を寄せる施設公民館、近隣公園等
津波一時避難施設高潮・津波からの一時避難施設ららテラスTOKYO-BAY等(南船橋駅周辺)
福祉避難所配慮が必要な方の二次避難先直接避難は不可

出典:船橋市 避難所・避難場所の検索

重要な注意点
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大雨時には浸水リスクにより開設されない避難所があります。普段想定している避難所が水害時には使用できないケースは少なくなく、2階以上のみ使用可という条件が付く施設も多いため、平時に確認しておくことが重要です。

福祉避難所は発災直後に直接避難する施設ではありません。まず指定避難所に避難し、状態に応じて案内される仕組みです。

避難所では段ボールベッドの先行配備が進んでおり、宿泊可能避難所99か所にはWi-Fiが整備されています(既存と合わせて計128か所)。ペット同行避難はハンドブックに基づいて専用スペースで受け入れる体制となっています。

出典:船橋市 避難所運営の取り組み

防災情報の入手方法
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災害時に正確な情報を迅速に入手できるかどうかは、避難行動の成否に直結します。情報の入手手段は最低2つ確保してください。

手段概要
ふなっぷ(船橋市公式アプリ)避難情報や市の防災情報をプッシュ通知で受信。メール配信サービスも案内
Yahoo!防災速報アプリ地域に紐づいた防災情報を受信

上記に加え、緊急速報メール(エリアメール)は避難指示・津波警報を携帯キャリア経由で強制受信する仕組みのため、事前の登録は不要です。

警戒レベルと行動
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レベル発表される情報住民の行動
1早期注意情報災害への心構えを高める。非常持出袋の点検
2大雨・洪水注意報家族の役割と情報収集手段を確認
3高齢者等避難高齢者・乳幼児のいる家庭は避難開始。避難所が開設される
4避難指示危険な場所から全員避難
5緊急安全確保命を守る行動を直ちにとる

レベル5は災害がすでに発生または切迫している状態です。レベル4までに避難を完了させることが原則で、レベル5発表後の安全な避難は保証されません。

マイ・タイムラインの作成
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「いつ」「誰が」「何をするか」を事前に時系列で整理する避難行動計画が「マイ・タイムライン」です。船橋市もその作成を市民に推奨しています。

以下の3ステップで作成します。

  1. リスクを確認する — ハザードマップと防災カルテで自宅の浸水深・液状化リスク・土砂災害リスクを確認
  2. 避難方法を決める — 浸水深3.0m以上は立ち退き避難が必須。0.5〜3.0mは垂直避難が可能(ただし木造家屋・土砂災害警戒区域は除く)
  3. タイミングを決める — 警戒レベルに合わせて「レベル3で高齢者と乳幼児は避難開始」「レベル4で全員避難完了」のように、家族の役割分担を時系列で整理する

船橋市の独自の防災対策
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船橋市はテクノロジーと市民参画を組み合わせた独自の防災施策を展開しています。

施設・事業内容
ふなばし減災プロジェクトウェザーニューズ社と連携。市民がスマートフォンから浸水・倒木・陥没等の被害状況を写真付きで投稿し、「減災カード」として地図上でリアルタイム共有
ふなばしメグスパ防災拠点北部清掃工場の余熱利用施設。100名が3日間生活できる食料・備蓄品を常備。非常用発電機と防災井戸により停電時でもエネルギーと水を自給
防災士資格取得補助取得費用(最大63,800円)の全額補助。地域の防災リーダーを育成
家具転倒防止器具設置補助令和7年7月開始。高齢者・障害者世帯に設置費用の上限2万円を補助
段ボールベッドの先行配備発災後の調達を待たず、拠点避難所・福祉避難所に事前配備
ヘリコプター離発着場の拡充陸路寸断時の救助・搬送に備え、学校グラウンド等81か所を臨時離発着場として指定

出典:船橋市 民間企業との応援協定

「ふなばし減災プロジェクト」は、行政が把握しきれない路地裏の浸水状況を市民が共有する仕組みで、住民自身が情報発信の担い手となるモデルです。

防災チェックリスト
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備蓄の目安は、水が1人1日3リットル、非常用トイレが1人1日5回分で最低3日分(1週間分が理想)です。低地・埋立地にお住まいの方は、ビニール袋に水を入れた「水のう」による排水口の逆流防止対策もあわせて確認してください。

確認項目
防災カルテで自宅の液状化リスクと建物被害予測を確認した
ハザードマップで自宅の浸水想定(洪水・内水・高潮)を確認した
水害時に使える避難所を確認した(浸水時に開設されない施設を把握した)
船橋駅北側アンダーパスなど、水害時に通行不可となる経路を把握した
マイ・タイムラインを作成し、家族で避難のタイミングと集合場所を決めた
ふなっぷ・Yahoo!防災速報を登録した
ふなばし減災プロジェクトの使い方を確認した
家具の転倒防止をした(高齢者・障害者世帯は市の補助制度を活用)
3日分以上の水・食料・非常用トイレを備蓄した
低地・埋立地にお住まいの方は排水口の逆流対策を確認した
🛡 防災士からのメッセージ
船橋市は南北で地形が大きく異なるため、隣の地区でもリスクの種類が根本から変わります。まず防災カルテで自分の地区のリスクを把握し、そのリスクに合った避難行動を決める。それが備えの出発点です。ハザードマップとマイ・タイムラインの作成を今日から始めてください。

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