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地域ハザードマップ

【2026年最新】千葉市の災害リスクとハザードマップ|液状化・浸水・土砂災害と避難の備え

更新 2026年4月14日

千葉市は東京湾の最深部に位置し、人口約98万人を擁する政令指定都市です。市域は、海抜ゼロメートル地帯の埋立地、複雑に入り組んだ谷津田(やつだ)地形、そして標高40〜50mの下総台地が東西に重なるという、全国でも稀な多層的な地形を持っています。

この地形の多様さが、そのまま多様な災害リスクに直結しています。西部の台地縁辺では土砂災害、都市型河川が集まる低地では洪水と内水氾濫(川が溢れなくても排水が追いつかず街が冠水する現象)、臨海の埋立地では地震時の液状化と高潮という具合に、6つの行政区それぞれがまったく異なる「顔」を持っています。2011年の東日本大震災では広範囲な液状化被害を受け、2019年には連続する台風と豪雨で市内初の土砂災害死者が出ました。

千葉市を繰り返し襲ってきた災害の歴史
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千葉市の防災対策は、過去の甚大な被害の教訓の上に成り立っています。ハザードマップに示される浸水深や液状化リスクの数値は、実際の被害データに基づいており、絵空事ではありません。

東日本大震災(2011年)での千葉市の被害
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2011年3月11日、千葉市は中央区等で震度5強を観測しました。最も深刻だったのは、美浜区を中心とした大規模埋立地での液状化被害です。

液状化(地震の揺れにより地中の水と砂が混合し、地盤が流動化する現象)が磯辺、真砂、打瀬、幸町などで多発し、道路の陥没・噴砂、電柱の沈下、住宅の不同沈下(不均一な傾斜・沈下)が相次ぎました。建物本体が無事でも「地中のインフラ」の被害が生活再建を著しく遅らせた、という教訓を残した事例です。

項目千葉市のデータ
震度中央区等で震度5強
液状化被害地区磯辺、真砂、打瀬、幸町(美浜区)ほか
断水戸数最大4万戸以上(配水管の破損による)
下水道被害マンホール突出・管渠浮上により長期間使用制限

出典:東日本大震災千葉市災害記録誌

令和元年(2019年)の連続気象災害
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2019年の9月から10月にかけて、性質の異なる3つの気象災害が連続して千葉市を襲いました。

時期災害名主な記録千葉市の被害
9月9日台風15号(房総半島台風)最大瞬間風速57.5m/s(アメダス千葉、観測開始以来最大)倒木1,302件、最大約9.4万軒が停電、住家被害6,633件、熱中症被害53名
10月12日台風19号(東日本台風)避難者数が過去最多の2,106人(65か所の避難所開設)
10月25日大雨総降水量329mm(緑区・土気南小学校)がけ崩れ98件、道路冠水235件、市内初の土砂災害死者3名

台風15号の停電は長期化し、残暑との重なりで53名が熱中症の被害を受けました。停電対策が「明かりの確保」だけでなく、空調という生命維持に直結することを示した事例です。

出典:令和元年 災害記録誌 - 千葉市

千葉市のハザードマップの種類と確認方法
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千葉市は「千葉市地震・風水害ハザードマップ」を公開しています。ウェブ版ではGPS連動で現在地から最寄りの避難場所を確認でき、地震・洪水・高潮など複数のリスクを地図上で重ね合わせて表示する機能も備えています。

マップ名内容
地震ハザードマップ揺れやすさ・液状化・建物倒壊・急傾斜地崩壊をウェブ版・区別PDFで提供
洪水ハザードマップ河川氾濫の浸水深と浸水継続時間を計画規模・想定最大規模の2基準で表示
土砂災害ハザードマップがけ崩れ・土石流の土砂災害警戒区域等の指定状況
高潮ハザードマップ台風等の気圧低下・強風による潮位上昇と防潮堤決壊のシナリオ

紙版は各区役所でも配布しています。ただし、PDF版は令和元年度以前の情報を基にしている場合があるため、河川改修後の最新データはウェブ版で確認することが推奨されています。

千葉市のエリア別リスク早見表
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6つの行政区はそれぞれ異なるリスクプロファイルを持っています。

行政区地震・液状化洪水高潮土砂災害内水氾濫
中央区高(埋立地)中(都川)
美浜区高(埋立地)
花見川区中(花見川)
稲毛区中(草野水のみち)
若葉区高(台地縁辺)
緑区高(台地縁辺)

各エリアの特徴
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中央区・美浜区は臨海部の埋立地エリアです。東日本大震災で実証されたように液状化リスクが最も高く、台風接近時には気圧低下と強風の吹き寄せが重なって防潮堤を越える高潮リスクもあります。元禄地震クラスの巨大地震では津波による浸水も想定されています。

花見川区・稲毛区は市街化による雨水流出係数の上昇が課題のエリアです。花見川や草野川(草野水のみち)沿いの低地では、市街地化により雨水が一気に流れ込む構造になっており、数十分で河川水位が数メートル上昇することがあります。また、下水道の排水能力を超えた短時間強雨によるマンホールからの溢水(内水氾濫)も発生しやすい地域です。

若葉区・緑区は下総台地上のエリアで、浸食された谷沿いに急傾斜地が多数あります。2019年10月の大雨では市内全体で98件のがけ崩れが発生し、死者も出ました。道路網が寸断されると台地上のコミュニティが孤立するリスクも実際の懸念です。

また、千葉市北西部から市川市にかけて「東京湾北縁断層」(長さ約22km)が地下に伏在しており、活動した場合は市内直下で震度6強〜7の揺れが予測されています。この断層は沿岸部の液状化リスクを一段と高める要因でもあります。

出典:千葉県の地震・活断層・津波 - 産総研地質調査総合センター

千葉市の主要駅周辺の浸水リスク
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通勤・通学で利用する主要駅周辺の浸水リスクを確認しておくことは、帰宅困難者対策としても重要です。浸水想定には2つの基準があります。

  • 計画規模 — おおむね10年〜100年に1回程度の降雨を想定した、河川整備の目標となる規模
  • 想定最大規模 — おおむね1,000年に1回程度の極端な大雨を想定し、命を守る判断に使う基準
駅名想定最大規模の浸水深主なリスク注意点
千葉駅・京成千葉駅0.5m〜2.0m都川の氾濫、内水氾濫地下街への流入リスク
蘇我駅1.0m〜3.0m高潮、内水氾濫交通結節点として機能喪失のリスク
稲毛駅0.5m〜1.0m草野水のみちの溢水駅西口周辺の低地に注意
海浜幕張駅0.5m未満(一部)高潮、浜田川の溢水周辺建物のピロティ等への浸水
土気駅浸水リスク低周辺のがけ崩れ崩壊による線路封鎖・孤立化が懸念

千葉駅の地下街は、地上の冠水が始まると急速に流入するリスクがあります。0.5mの冠水でも地下への流入は急激であり、地上での冠水を確認する前に退避を完了させることが原則です。蘇我駅は高潮と内水の複合リスクを抱えており、台風接近時は1.0m以上の浸水が想定される範囲があります。

稲毛駅周辺では、大雨時に稲毛小学校が浸水想定区域内のため避難所として開設されない点に注意が必要です。周辺にお住まいの方は、稲毛中学校または稲毛公民館を代替の避難先として事前に把握しておきましょう。

草野水のみち(稲毛区)の避難タイムライン
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急激な水位上昇が懸念される草野水のみちでは、科学的な数値基準に基づいた避難タイムラインが運用されています。第3水位計(稲毛小学校前、満水位3.75m)を基準としています。

水位状況取るべき行動
2.50m到達注意情報(第1報)気象・水位情報を継続確認。高齢者等は避難を開始
2.80m到達注意情報(第2報)※予測雨量53.4mm/h超過時非常用持ち出し品の準備。2階等への垂直避難を実行
3.05m到達避難指示※予測雨量62mm/h超過・洪水キキクル「危険(紫)」時直ちに命を守る行動へ。屋外移動が危険な場合は建物内最上階

満水位(3.75m)の約70cm手前で避難指示が出るのは、避難行動に必要な時間的余裕を確保するためです。河川水位は千葉市防災ポータルサイトで5〜10分間隔のリアルタイムデータを確認できます。

出典:大雨時における避難情報等の発出基準等について - 千葉市

千葉市の地震リスク
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液状化リスクの分布
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東日本大震災で実証されたように、千葉市の沿岸埋立地の液状化リスクは現実的な脅威です。さらに東京湾北縁断層が活動した場合、沿岸部の液状化リスクは一段と高まります。

リスク該当エリア
美浜区の埋立地全域(磯辺・真砂・打瀬・幸町等)
中〜高中央区の臨海部・埋立地周辺
若葉区・緑区の台地上、稲毛区・花見川区の高台部分

住宅の不同沈下は建物本体の耐震化では防げません。埋立地にお住まいの方は、配水管破損による断水や下水道使用制限を見越した備蓄(水・非常用トイレ)を多めに確保しておくことが有効です。

広域火山リスク(富士山大規模噴火)
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千葉市は富士山から直線距離で約120km離れていますが、偏西風の影響により、宝永噴火クラスの大規模噴火時には4〜8cmの降灰が予測されています。水分を含んだ灰は送電線のショートを引き起こし、浄水場の目詰まりによる断水も発生します。多量の降灰予報が発表された場合、市は直ちに災害対策本部を設置する体制を整えています。

出典:富士山等の噴火に伴う降灰対策に関する対応指針 - 千葉県

浸水深の目安と避難判断
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ハザードマップに示される浸水深が実際にどのような状況を意味するのか、行動の基準とあわせて整理します。

浸水深状況行動の目安
0.5m未満大人の膝下この深さに達する前に避難を完了させる
0.5〜1.0m大人の腰歩行による避難は危険な段階。0.5mが歩行の限界
1.0〜3.0m1階が完全に水没2階以上への垂直避難。木造家屋は倒壊・流出リスクあり
3.0m以上2階の床下まで浸水事前の立ち退き避難が必須
5.0m以上2階建て家屋の屋根に到達2階でも生存困難。立ち退き避難が唯一の手段

蘇我駅周辺(1.0〜3.0m想定)や千葉駅周辺(0.5〜2.0m想定)にお住まいの方は、降雨が強まってからの避難では間に合わない可能性があります。警戒レベル3(高齢者等避難)の段階で行動を始めることが重要です。

避難場所と避難所の違い
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「避難場所」と「避難所」は役割が異なります。災害時に適切な判断をするために、この違いを平時に確認しておきましょう。

種別役割千葉市の具体例
指定緊急避難場所大規模火災・地震時に一時的に命を守る開放空間青葉の森公園(中央区)、千葉県総合スポーツセンター(稲毛区)、昭和の森(緑区)、加曽利貝塚縄文遺跡公園(若葉区)
指定避難所自宅での生活が困難な場合に滞在する施設小中学校・公民館・コミュニティセンター等(各区に多数)
福祉避難所配慮が必要な方の二次避難先直接避難は不可。指定避難所からの案内が必要

重要な注意点
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大雨時には浸水リスクにより開設されない避難所があります。稲毛小学校はその典型的な例で、大雨時には浸水想定区域内のため避難所として機能しません。最寄りの避難所が水害時にどのような扱いになるかを、ウェブ版ハザードマップで平時に確認しておきましょう。

千葉市はペットとの「同行避難」(連れて行くこと)を推奨していますが、人間と同じ居住スペースでの「同伴避難」は衛生上の理由から原則として認めていません。ペットは屋外のテラスや廊下など専用スペースで管理することになるため、ケージ・飼料・水・トイレ用品の5日分以上を自分で持参する準備が求められます。

出典:避難所におけるペット対応の手引き - 千葉市

防災情報の入手方法
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大雨時に正確な情報を迅速に入手できるかどうかは、避難行動の成否に直結します。手段は最低2つ確保しておくことが推奨されています。

手段概要
千葉市防災ポータルサイト避難情報・河川水位・避難所の開設状況をリアルタイム確認
ちばし安全・安心メール気象警報・避難情報をメールで自動受信。英語・中国語等8か国語対応
千葉市LINE公式アカウントプッシュ通知で避難情報を受信
Yahoo!防災速報アプリ地域に紐づいた防災情報を受信

上記に加え、緊急速報メール(エリアメール)は避難指示・津波警報を携帯キャリア経由で強制受信する仕組みのため、事前の登録は不要です。

警戒レベルと行動
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レベル発表される情報住民の行動
1早期注意情報災害への心構えを高める
2大雨・洪水注意報ハザードマップで避難先を再確認
3高齢者等避難高齢者・乳幼児のいる家庭は避難開始
4避難指示危険な場所から全員避難
5緊急安全確保命を守る行動を直ちにとる

レベル5は災害がすでに発生または切迫している状態です。レベル4までに避難を完了させることが原則であり、レベル5発表後の安全な避難は保証されません。

マイ・タイムラインの作成
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「いつ」「誰が」「何をするか」を事前に時系列で整理する避難行動計画が「マイ・タイムライン」です。千葉市は作成マニュアルや記入シートをウェブ上で配布しており、高齢者のいる世帯や浸水想定区域の住民向けの個別マニュアルも用意されています。

  1. リスクを確認する — ウェブ版ハザードマップで自宅の浸水深・液状化・土砂災害リスクを確認
  2. 避難方法を決める — 浸水深3.0m以上は立ち退き避難が必須。0.5〜3.0mは2階への垂直避難も選択肢だが孤立リスクを考慮
  3. タイミングを決める — 警戒レベルに合わせて「レベル3で高齢者と子どもは出発」「レベル4で全員避難完了」のように、家族の役割と順番を時系列で整理する

千葉市の独自の防災対策
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2019年の連続災害を受け、千葉市は「災害に強いまちづくり政策パッケージ」を策定し、地域防災計画を改定しました。

インフラ強靭化の5つの柱
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施策分野内容
電力の強靭化全ての公民館・市立学校等約200か所に太陽光発電と蓄電池を導入。停電時も照明・空調・携帯充電が可能な避難所環境を整備
通信の強靭化NTT東日本と協定を締結し、電話線切断の迅速復旧を推進。MCA/IP無線で長期停電下でも通信を維持する体制を構築
土砂・冠水対策土砂災害警戒区域の指定要請、雨水貯留槽・水位計の設置を前倒しで推進
安全・安心の確保避難所へのスポットエアコン設置、受水槽のある全避難所に蛇口を設置し断水時でも給水を確保
民間連携の拡大JFEスチール・三菱自動車販売との電気自動車(走る蓄電池)貸与協定、ジェイコム千葉との防災情報発信連携

出典:令和元年 災害記録誌 - 千葉市

ドローンを活用した防災DX
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「国家戦略特区」の制度を活かし、千葉市はドローンを災害対応の中核ツールとして位置づけています。2024年9月には株式会社GOODREIおよび日本ドローンビジネスサポート協会と「災害時等における無人航空機による活動協力に関する協定書」を締結しました。

活動内容概要
被害状況の即時把握発災直後に現場の画像・動画を収集して市に提供
空中放送スピーカー搭載ドローンが上空から避難を呼びかけ
インフラ診断水陸両用ドローンで雨水管内部を点検。AIと組み合わせた「防災カルテ」を平時から作成

防災チェックリスト
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ここまでの内容を踏まえ、千葉市で確認しておくべき項目を一覧にまとめました。

備蓄の目安は、水が1人1日3リットル、非常用トイレが1人1日5回分で、日数は1週間分を目安にしてください。液状化リスクエリアにお住まいの方は、断水・下水道使用制限を見越して非常用トイレとウォータータンクを多めに用意することを推奨します。

確認項目
ウェブ版ハザードマップで自宅の洪水・液状化・土砂・高潮リスクを確認した
最寄りの避難所が大雨時に開設されるか確認した(稲毛小学校等の例外あり)
指定緊急避難場所(青葉の森公園等)の場所と経路を把握した
草野水のみち等の近隣河川の水位をリアルタイム確認する方法を知っている
マイ・タイムラインを作成した
家族で避難のタイミングと集合場所を決めた
ちばし安全・安心メール・LINEを登録した
1週間分の水・食料・非常用トイレを備蓄した
液状化エリアにお住まいの方は断水を想定した給水用ウォータータンクを用意した
家具の転倒防止をした
ペットを連れて避難する場合の持参品(ケージ・飼料・トイレ用品5日分)を準備した
地震保険の加入状況を確認した
🛡 防災士からのメッセージ
千葉市の地形は、埋立地・谷津田・台地という3層が重なり、エリアによってリスクの顔がまるで異なります。隣の区の情報ではなく、自分の住所でハザードマップを確認することが出発点です。ウェブ版のハザードマップはGPS連動で現在地のリスクをその場で表示できます。まず1回、自宅の住所を入力して確認してみてください。

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