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地域ハザードマップ

【2026年最新】浦安市の災害リスクとハザードマップ|液状化・洪水・高潮の想定と避難の備え

更新 2026年4月14日

浦安市は東京湾の奥部に位置し、旧江戸川の河口に発達した自然地盤の「元町地区」と、1960年代以降の公有水面埋立事業によって造成された「中町・新町地区」からなる海浜都市です。市域の約75%が埋立地という地勢的な特徴が、防災上のリスクを大きく左右しています。

元町では江戸川沿いの洪水、中町・新町では地震時の液状化(地震の揺れにより地中の水と砂が混合し、地盤が流動化する現象)と高潮という、エリアごとに性質の異なるリスクが存在します。2011年の東日本大震災では、震度5強の揺れにもかかわらず市域の約86%で液状化が発生し、都市機能に壊滅的な打撃を与えた都市です。

浦安市を繰り返し襲ってきた災害の歴史
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ハザードマップに記載されている浸水深や液状化リスクの数値は、過去の被害データに基づいています。浦安市はこれまで複数の大規模災害を経験してきた都市であり、その記録を知ることがハザードマップを読む出発点です。

過去の風水害の被害記録
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災害名規模・条件浦安市域の被害
1949年キティ台風満潮時と来襲が重なる当時の人口15,260人のうち14,182人が罹災。3,240戸のうち2,419戸が被害を受け、市域の7割以上が床上浸水

キティ台風の被害を契機として、本格的な河川堤防工事が実施されました。この教訓が浦安の水防インフラの出発点です。

出典:浦安市立中央図書館 浦安の変化

東日本大震災(2011年)での浦安市の被害
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埋立地である中町・新町地区を中心に、以下の被害が発生しました。

項目浦安市のデータ
地震の規模M9.0(浦安市:震度5強)
液状化発生面積約1,455ha(市域の約86%)
噴出土砂量約7万5,000立方メートル
半壊以上の建物戸建住宅等 約3,700棟(1/100以上の傾斜)
上水道の断水最大約33,000〜37,000世帯(全世帯の約50%)
下水道の使用制限最大12,000世帯
ガスの供給停止最大8,631世帯
市道の被災延長市道の約36%(約80km)

震度5強という揺れは、仙台市の宮城野区(震度6強)と比べると小さいものです。それでもこれだけの被害が生じたのは、200秒以上継続した長時間振動が埋立地の液状化を引き起こしたためです。一方、自然地盤である元町地区での住宅被害はほとんど発生していません。

出典:浦安市 東日本大震災 浦安市の被害状況と対応

浦安市のハザードマップの種類と確認方法
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浦安市では現在4種類のハザードマップを公表しています。なお、浦安市では津波および土砂災害に関するハザードマップは策定されていません。

マップ名内容
江戸川洪水ハザードマップ想定最大規模の大雨時に江戸川放水路が氾濫した場合の浸水想定範囲と浸水深を掲載
小規模河川洪水ハザードマップ境川・見明川・猫実川・堀江川の4河川で1日雨量690mmを想定した浸水シミュレーション
高潮ハザードマップ伊勢湾台風クラスの計画規模と、1,000〜5,000年に一度の想定最大規模の2種類を収録
内水ハザードマップ1時間最大雨量153mmの集中豪雨時に下水道が溢れた場合(内水氾濫:川が溢れなくても排水が追いつかず街が冠水する現象)の浸水予測

江戸川洪水マップと高潮マップには「計画規模」(数十年〜百年に1回程度の大雨を想定)と「想定最大規模」(1,000年に1回程度の極端な大雨を想定)の2つの基準が存在します。自分の居住エリアがどちらの条件でどの深さになるか、両方を確認してください。

紙版は市内各公民館・市役所でも配布しています。

浦安市のエリア別リスク早見表
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浦安市は元町・中町・新町の3地区で、リスクの性質が大きく異なります。

地区主なエリア液状化洪水高潮内水氾濫
元町当代島・北栄・猫実・堀江・富士見高(江戸川・境川近接)
中町海楽・美浜・入船・富岡・今川・東野・弁天・舞浜中(1.0〜2.0m)
新町明海・日の出・高洲高(最大規模)

各エリアの特徴
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元町地区は旧江戸川沿いの自然地盤で、液状化リスクは低いものの、江戸川や境川の氾濫時には0.5〜3.0mの浸水が予測されるエリアです。道幅が狭く木造住宅が密集しているため、浸水前の早期避難が求められます。

中町地区は昭和40〜50年代に造成された第1期埋立地で、2011年の震災で最も広範な液状化被害が発生しました。地盤沈下量は地域によって30〜90cmのばらつきがあり、道路陥没や建物の不同沈下が集中しました。東日本大震災での実績が、そのまま次の地震時のリスク予測につながるエリアです。

新町地区は東京湾に直接面した最新の埋立地で、高潮の想定最大規模では特に深刻な浸水が想定されます。また、市街地の端に位置するため、道路損傷や浸水が重なった場合に孤立するリスクも考慮が必要です。

工業・港湾地区(鉄鋼通・千鳥・港)では、東京ディズニーリゾート(TDR)に隣接する舞浜エリアに注意が必要です。首都直下地震発生時には市内3駅で約4〜5万人の帰宅困難者が予想されており、住民の避難スペースと競合する可能性があります。

浦安市の主要駅周辺の浸水リスク
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通勤・通学で使う駅周辺のリスクは、帰宅困難時の行動判断に直結する情報です。浸水想定には2つの基準があります。

  • 計画規模 — 数十年〜百年に1回程度の大雨を想定
  • 想定最大規模 — 1,000年に1回程度の極端な大雨を想定
駅名路線計画規模想定最大規模注意点
浦安駅東京メトロ東西線局所的0.5〜3.0m元町の古い市街地で垂直避難先が限られる。早期の広域避難が必要
新浦安駅JR京葉線1.0〜2.0m程度高潮浸水に加え、震災時は液状化による舗装陥没・段差で歩行困難が発生した実績あり
舞浜駅JR京葉線高潮浸水リスクあり数万人規模の帰宅困難者が滞留する可能性。運動公園等の指定緊急避難場所の位置を事前に確認

出典:浦安市 ハザードマップ一覧

液状化が発生した場合、地下鉄・鉄道の運行停止だけでなく、駅周辺の道路に亀裂・段差・噴砂が生じ、徒歩での移動も困難になります。2011年の経験を踏まえると、新浦安駅周辺では発災直後からこうした状況が想定されます。

浦安市の地震・液状化リスク
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液状化リスクと地区別の実績
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液状化が発生すると、建物の傾斜・沈下、マンホールの浮上り、道路の陥没が連鎖的に起こり、ライフラインの寸断を伴います。

リスク該当エリア
中町・新町(埋立地全域。2011年の震災で広範囲に発生)
元町(自然地盤。2011年の震災でも住宅被害はほとんどなし)

2011年の震災後、市は16地区(約4,100戸)での宅地液状化対策(格子状地中壁工法)を計画しました。しかし、1戸あたり100〜200万円の住民負担と全員合意が必要なことから合意形成が難航し、完了したのは1地区33戸にとどまりました。この経緯は、私有地の防災対策が公的介入だけでは解決しない難しさを示す事例として知られています。

出典:読売新聞 液状化の記録

公共インフラの耐震化
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市は液状化対策の難航を踏まえ、公共空間の強靭化に集中的に取り組みました。シンボルロードや新浦安駅前広場などの主要幹線道路の地盤改良と、下水道管渠の耐震化本復旧工事(約190億円規模)を完了させています。

浸水深の目安と避難判断
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浦安市のハザードマップに示される浸水深が、実際にどのような状況を意味するかを整理します。

浸水深状況行動の目安
0.5m未満大人の膝下この段階に達する前に避難を完了させる
0.5〜1.0m大人の腰歩行による避難は危険。0.5mが歩行の限界
1.0〜3.0m1階が完全に水没2階以上への垂直避難。ただし木造家屋は倒壊・流出リスクあり
3.0m以上2階の床下まで浸水事前の立ち退き避難が必須
5.0m以上2階建て家屋の屋根まで到達2階でも生存不能。立ち退き避難が唯一の手段

浦安駅周辺(江戸川氾濫時で最大3.0m)にお住まいの方は、降雨が強まってからでは移動が間に合わない可能性があります。警戒レベル3(高齢者等避難)の段階で行動を開始してください。

また、液状化が発生した場合は浸水がなくても道路の陥没・段差で移動困難になるため、中町・新町地区では地震直後の早期移動が重要です。

避難場所と避難所の違い
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浦安市では、災害の性質に応じて避難先の役割が明確に区分されています。

種別役割具体例
指定緊急避難場所迫り来る危険から命を守るための一時避難場所(主に公園)若潮公園・高洲中央公園・中央公園・運動公園など
指定避難所自宅が被災した際に一定期間生活を送る施設(主に学校・公民館)市内小中学校・各公民館・大学キャンパスなど
待避所風水害発生が予想される段階で自主的に身を寄せる場所(食事・毛布の提供なし)各地区公民館・一部の小学校
福祉避難所配慮が必要な方の二次避難先直接避難は不可。指定避難所から案内される
ペット専用待避所ペット同伴での避難場所交通公園・当代島公民館駐車場

出典:浦安市 避難所一覧

重要な注意点
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水害時には浸水リスクのある施設が開設されない場合があります。特に元町地区では、江戸川氾濫時に平時と同じ避難所が使えないケースを想定しておくことが重要です。

高潮の長期浸水が予想される新町地区では、垂直避難ではなく市外への広域避難が求められる場合もあります。浦安市が公表する地域防災計画と警戒レベル情報を平時から確認し、判断基準を家族と共有しておくことを推奨します。

福祉避難所は発災直後に直接避難する施設ではありません。まず指定避難所に移動し、専門職が状態を確認した上で案内される仕組みです。

防災情報の入手方法
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情報の入手手段は最低2つ確保しておくことを推奨します。

手段概要
浦安市防災アプリ令和7年3月から本格運用。防災無線の文字・音声化、避難所の開設・混雑状況をリアルタイム表示。英語・中国語・韓国語・ベトナム語・ポルトガル語・やさしい日本語に対応
浦安市地域防災計画(避難情報)警戒レベル別の行動指針。避難のタイムラインを事前に確認
マイ・タイムライン(市公式)江戸川水位に連動した個人の避難行動計画の作成を推奨

緊急速報メール(エリアメール)は避難指示を携帯キャリア経由で強制受信する仕組みで、事前の登録は不要です。防災アプリと合わせて、情報の複線化を図ってください。

警戒レベルと行動
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レベル発表される情報住民の行動
1早期注意情報災害への心構えを高める
2大雨・洪水注意報ハザードマップで避難先を再確認
3高齢者等避難高齢者・乳幼児のいる家庭は避難開始
4避難指示危険な場所から全員避難
5緊急安全確保命を守る行動を直ちにとる

中町・新町地区では、地震と大雨が複合した場合、液状化による道路損傷や冠水が重なって移動不能になる前に行動を開始することが重要です。レベル5は災害がすでに発生または切迫している状態であり、レベル4までに避難を完了させることが原則です。

マイ・タイムラインの作成
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「いつ」「誰が」「何をするか」を事前に時系列で整理した避難行動計画が「マイ・タイムライン」です。浦安市は作成の手引きと様式を公表しており、江戸川の水位情報と連動した避難タイミングの設定が推奨されています。

以下の3ステップで作成します。

  1. リスクを確認する — 4種類のハザードマップで自宅・勤務先の浸水深と液状化リスクを確認
  2. 避難方法を決める — 浸水深3.0m以上は立ち退き避難が必須、0.5〜3.0mは2階への垂直避難も選択肢(ただし液状化による建物被害がある場合は除く)
  3. タイミングを決める — 警戒レベルに合わせて「レベル3で高齢者・乳幼児は移動開始」「レベル4で全員避難完了」のように、家族の役割分担を時系列で整理する

浦安市の独自の防災対策
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液状化対策とインフラ強化
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東日本大震災の経験を踏まえ、浦安市は民間宅地での対策が難航した一方で、公共空間の強靭化に集中的に取り組みました。

施設・事業内容
公共インフラの耐震化シンボルロード等の主要幹線道路の地盤改良と下水道管渠の耐震化(約190億円規模)を完了
浦安絆の森(緑の防潮堤)震災で噴出した土砂を再利用し、東京湾側に深根・直根性の広葉樹を植樹。高潮・津波の威力を減衰させる自然の防波堤として機能
水資源の確保総合体育館プール(約1,600トン)の浄水化機能を強化。避難所3か所に防災井戸を設置し、1日60トンの飲料水確保体制を整備

出典:日経地域情報化大賞 澤畑講演録

市民参加と民間連携
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施策内容
浦安市防災アプリ令和7年3月運用開始。防災無線の文字化・音声化、避難所混雑の可視化、6言語対応
民間56団体との協定物資供給・情報伝達・救援救護の実効性向上。震災時はホテルと連携し約3万7,000人への入浴支援を実現
災害ボランティアセンターの常設千葉県内で唯一、ボランティアセンター事務局を常設。受入れ体制を平時から整備
市民参加型防災訓練平成24年度から体験型訓練へ転換。市民約2万5,000人が参加する基礎自治体としては日本最大規模の訓練を実施
避難所運営マニュアルの整備学校区ごとに校長・PTA・自治会が平均7〜10回の会議を重ね、地域独自のマニュアルを策定
3大学との包括連携明海大学・明治大学・千葉工業大学と協定を締結。指定避難所としての活用や防災訓練の企画・実施を連携

防災チェックリスト
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備蓄の目安は、水が1人1日3リットル、非常用トイレが1人1日5回分で、日数は1週間分です。液状化による下水道の使用制限に備え、携帯用トイレ(便袋)の備蓄が特に重要です。また低地にお住まいの方は、排水口逆流防止のための「水のう」も用意しておくと安心です。

確認項目
4種類のハザードマップで自宅の浸水深と液状化リスクを確認した
自宅が元町・中町・新町のどのエリアかを把握し、地区ごとのリスクを理解した
最寄りの指定避難所と指定緊急避難場所(公園)の両方を確認した
最寄りの避難所が水害時に使用できるかを確認した
待避所の場所と、待避所では食事・毛布の提供がないことを把握した
ペット同伴の避難先(交通公園・当代島公民館駐車場)を確認した(ペットがいる場合)
マイ・タイムラインを作成した
家族で避難のタイミングと集合場所を決めた
浦安市防災アプリをインストールした
地震保険の加入状況を確認した(液状化は火災保険の対象外)
携帯用トイレ(便袋)を1週間分備蓄した
1週間分の水・食料を備蓄した
排水口の逆流対策を確認した(低地・元町の方)
家具の転倒防止をした
🛡 防災士からのメッセージ
面積の約75%が埋立地という浦安市では、地震と水害のリスクが地区によって大きく異なります。液状化は震度5強でも発生した実績があり、「揺れが小さかったから大丈夫」という油断は禁物です。まずは4種類のハザードマップで自宅のリスクを確認し、地区ごとの避難先と行動タイミングをマイ・タイムラインに落とし込んでおくことから始めてください。

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