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地震対策

南海トラフ地震はいつ来る?発生確率・被害想定・今からできる備えを徹底解説

更新 2026年4月10日

「南海トラフ地震はいつ来るのか」——多くの人がこの疑問を抱いています。

今後30年以内の発生確率は「80%程度」(2025年1月時点)、または新たな時間予測モデルの見直しで「60〜90%程度以上」「20〜50%」の2種類が併記されています(2025年9月)。いずれにせよ「いつ起きてもおかしくない」水準であることは変わりません。不安なまま何もしないのが、最もリスクの高い選択肢です。

南海トラフ地震は「いつか必ず来る地震」です。だからこそ、「来た時にどうするか」を今から準備しておくことに意味があります。

南海トラフ地震とは?基礎知識
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南海トラフの場所と過去の発生履歴
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南海トラフとは、静岡県の駿河湾から九州東方沖にかけて延びる、水深約4,000mの海底の溝(トラフ)のことです。フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込む境界にあたります。

このプレート境界では、100〜150年の間隔で巨大地震が繰り返されてきました。

過去の主な南海トラフ地震:

発生年名称マグニチュード主な被害
1498年明応地震8.2〜8.4浜名湖が海とつながる
1605年慶長地震7.9太平洋沿岸に大津波
1707年宝永地震8.6東海〜九州に大被害、49日後に富士山噴火
1854年安政東海・安政南海地震8.432時間差で東海と南海が連動
1944年昭和東南海地震7.9死者1,223名
1946年昭和南海地震8.0死者1,330名

最後の地震から80年が経過しています。過去の発生間隔から見ても、次の地震がいつ起きてもおかしくない時期に入っています。

予想されるマグニチュードと揺れの範囲
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政府の地震調査委員会は、南海トラフで発生する地震の最大規模をマグニチュード9.1と想定しています。

揺れの影響範囲:

  • 震度7:静岡県、愛知県、三重県、和歌山県、高知県の一部
  • 震度6強:関東から九州にかけての広い範囲
  • 震度6弱:大阪府、兵庫県南部を含むさらに広い範囲

揺れだけでなく、太平洋沿岸部には巨大な津波が押し寄せます。東日本大震災(マグニチュード9.0)と同規模の地震が、日本の人口密集地域のすぐ近くで発生する可能性がある——それが南海トラフ地震です。

南海トラフ地震の発生確率
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今後30年以内の発生確率の最新評価
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地震調査委員会は、2025年1月1日時点で南海トラフ地震が今後30年以内に発生する確率を「80%程度」に引き上げました。その後、2025年9月の長期評価の改訂では、算定モデルの不確実性を明示するため「60〜90%程度以上」(時間予測モデル)と「20〜50%」(従来の平均発生間隔モデル)の2種類の確率が併記されています。

この確率の根拠は、過去の発生履歴の統計分析です。南海トラフ地震は100〜150年周期で繰り返されてきました。前回の昭和東南海地震(1944年)と昭和南海地震(1946年)から80年前後が経過し、プレート境界にひずみエネルギーが蓄積されていると考えられています。

いずれのモデルで見ても、日常のリスクと比較するとその深刻さが分かります。

  • 交通事故で負傷する確率(30年間):約15%
  • 火災で被災する確率(30年間):約1.1%
  • 南海トラフ地震の発生確率(30年間):80%程度(または60〜90%程度以上/20〜50%を併記)

交通事故より格段に高い確率で起きる可能性があるのが、南海トラフ地震です。

「いつ来るか」は予測できるのか
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現在の科学技術では、地震の発生日時を正確に予測することはできません。「明日来るかもしれないし、30年後かもしれない」——これが現時点での科学的に正直な回答です。

ただし、前兆となる異常現象を検知する体制は整備されています。気象庁は南海トラフ沿いの地殻変動を24時間体制で監視しており、異常が検知された場合は「南海トラフ地震臨時情報」を発表します。

臨時情報(巨大地震注意・巨大地震警戒)とは
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「南海トラフ地震臨時情報」は、南海トラフ沿いで異常な現象が観測された場合に気象庁が発表する情報です。2024年8月8日、日向灘で発生したマグニチュード7.1の地震を受けて「巨大地震注意」が運用開始以来初めて発表されました(8月15日に呼びかけ終了)。この初事例により、臨時情報は「いつか出るかもしれない情報」ではなく「実際に発表され得る情報」として広く認知されました。

臨時情報の種類:

情報名発表条件求められる行動
調査中南海トラフ沿いで異常現象を検知情報に注意
巨大地震注意M7.0以上の地震が発生した場合等日頃の備えを再確認、避難場所・経路の確認
巨大地震警戒南海トラフの半割れ(M8.0以上)が発生事前避難対象地域の住民は1週間の事前避難

臨時情報が出たからといって、必ず巨大地震が発生するわけではありません。しかし、通常よりも地震発生の可能性が高まっている状態です。事前に「臨時情報が出たら何をするか」を決めておくことが大切です。

被害想定【地域別】
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最大死者数約29.8万人の新想定(2025年3月)
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内閣府は2025年3月31日、約10年ぶりに南海トラフ巨大地震の被害想定を見直し、新たな数値を公表しました。

  • 最大死者数:約29万8,000人(うち津波による犠牲が約21万5,000人)
  • 経済的被害・影響額:約292兆2,000億円(資産等の被害約224.9兆円、経済活動への影響約45.4兆円)
  • 10m以上の大津波が想定される範囲:関東から九州にかけての13都県
  • 浸水30cm以上の想定浸水面積:前回想定から約3割増加

前回2012年想定(死者約32万3,000人、経済的被害約220兆円)と比べ、耐震化等の進展で死者は約8%の減少にとどまる一方、浸水面積は拡大し経済的被害額は膨らんでいます。

この数字は「何も対策を取らなかった場合」の最悪想定です。耐震化の推進、津波避難の徹底、備蓄の充実などの対策を取ることで、被害は大幅に軽減できると試算されています。

大切なのは、この数字に怖がるだけでなく、「備えることで被害を減らせる」という事実に目を向けることです。

津波の到達時間と高さ(太平洋沿岸)
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南海トラフ地震で最も恐ろしいのが津波です。

主な地域の津波予測:

地域最大津波高最短到達時間
静岡県(御前崎〜伊豆)10〜33m2〜10分
愛知県(名古屋港周辺)3〜5m50分〜2時間
三重県(尾鷲〜志摩)10〜24m3〜10分
和歌山県(串本〜田辺)10〜18m3〜5分
高知県(土佐清水〜室戸)15〜34m3〜10分
徳島県(海陽〜阿南)10〜20m10〜20分
大分県(佐伯〜臼杵)5〜15m20〜30分

一部の地域では、地震発生からわずか数分で津波が到達します。「揺れが収まったらすぐに高台へ」——これが生死を分ける行動になります。

東海・近畿・四国・九州の地域別被害想定
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東海地方(静岡・愛知・三重): 震源域に近く、最も強い揺れと早い津波に襲われます。特に静岡県は津波到達が数分のエリアがあるため、事前の避難場所確認が命を守る鍵です。

近畿地方(大阪・兵庫・和歌山・奈良): 大阪平野は地盤が軟弱な箇所が多く、長周期地震動による高層ビルの大きな揺れが想定されます。大阪湾沿岸では津波浸水も懸念されます。

四国地方(高知・徳島・愛媛・香川): 太平洋に面する高知県・徳島県は、30mを超える津波が想定されるエリアがあります。津波避難タワーの整備が進んでいますが、日頃からの避難訓練が不可欠です。

九州地方(大分・宮崎): 太平洋沿岸の大分県・宮崎県が津波の影響を受けます。特に大分県南部は最大15mの津波が想定されています。

南海トラフ地震に備える具体的な対策
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不安を感じるのは自然なことです。でも、その不安を「行動」に変えましょう。今からできる備えを具体的に紹介します。

自宅の耐震化と家具固定
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南海トラフ地震の被害想定では、死因の上位が「建物倒壊」と「津波」です。まず自宅の耐震性を確認しましょう。

やるべきこと:

  • 1981年以前に建てられた家は耐震診断を受ける(多くの自治体で無料〜数千円)
  • 家具の転倒防止器具を設置する(L字金具・突っ張り棒・粘着マット)
  • 寝室には大きな家具を置かない(就寝中の地震が最も危険)
  • テレビ・パソコンなどの転倒・落下防止

耐震補強工事には自治体の補助金が利用できるケースが多いです。まずはお住まいの自治体の窓口に相談してみてください。

津波避難の準備(沿岸部の方)
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太平洋沿岸にお住まいの方は、津波避難の準備が最優先事項です。

事前に確認すること:

  • 自宅の津波浸水想定区域を確認する(ハザードマップ)
  • 最寄りの津波避難場所・津波避難ビルを確認する
  • 避難場所までのルートを実際に歩いて確認する
  • 津波到達予測時間を確認する(何分以内に避難を完了すべきか)

避難のルール:

  • 揺れが収まったら「すぐに」高台へ(車は使わない、渋滞で逃げ遅れるリスク)
  • 海から「離れる方向」に逃げる(海岸線と平行に逃げない)
  • 「ここまでは大丈夫」と思い込まない(想定を超える津波の可能性)
  • いったん避難したら、津波警報が解除されるまで戻らない

備蓄(最低7日分が推奨される理由)
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南海トラフ地震では、被災地域が広範囲にわたるため、支援物資が届くまでに時間がかかります。

内閣府は「最低3日分、できれば1週間分」の備蓄を推奨していますが、南海トラフ地震の場合は7日分以上の備蓄を強く推奨します。

1人7日分の備蓄の目安:

  • 水:21リットル(1日3リットル × 7日)
  • 食料:21食分(主食・おかず・間食)
  • 簡易トイレ:49回分(1日7回 × 7日)
  • カセットボンベ:3〜4本
  • モバイルバッテリー・ポータブル電源

家族の人数分を用意してください。一度に揃えるのが大変な場合は、月に少しずつ買い足していく「ローリングストック」がおすすめです。

南海トラフ臨時情報が出たらやること
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「巨大地震注意」や「巨大地震警戒」が発表された場合の行動を、事前に決めておきましょう。

巨大地震注意が出たら:

  1. 防災グッズ・備蓄の再確認
  2. 家具の転倒防止を再点検
  3. 避難場所・避難経路の確認
  4. 家族との連絡方法の再確認
  5. 車のガソリンを満タンにしておく
  6. スマホ・モバイルバッテリーを満充電にする

巨大地震警戒が出たら(津波浸水想定区域にお住まいの方):

  1. 事前避難対象地域の方は速やかに避難を開始する
  2. 避難先(親戚宅・ホテル・避難所)を決めて移動する
  3. 1週間程度の避難に必要な荷物を持ち出す

巨大地震警戒が出た場合でも、内陸部の方はパニックになる必要はありません。 落ち着いて備えの確認を行い、正確な情報に基づいて行動してください。

よくある質問(FAQ)
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Q. 南海トラフ地震と首都直下地震は連動しますか?

A. 南海トラフ地震と首都直下地震は、震源メカニズムが異なる別の地震です。直接的な連動は想定されていませんが、一方の地震が発生した後に他方が誘発される可能性は完全には否定できません。それぞれについて個別に備えておくことが大切です。

Q. 南海トラフ地震が来たら大阪はどうなりますか?

A. 大阪では震度6弱〜6強の揺れが想定されます。大阪湾沿岸では最大3〜5mの津波浸水の可能性があり、地下街の浸水も懸念されます。また、軟弱地盤のエリアでは液状化のリスクもあります。

Q. 南海トラフ地震の前兆はありますか?

A. 科学的に確認された「確実な前兆」はありません。ただし、南海トラフ沿いでの異常な地殻変動やスロースリップは監視されており、異常が検知された場合は臨時情報として発表されます。SNS等での根拠のない予言や予測には惑わされないようにしましょう。

Q. マンションの高層階にいれば津波は大丈夫ですか?

A. 鉄筋コンクリート造のマンションの高層階は、津波に対して比較的安全と考えられます。ただし、建物自体の強度やマンションの位置する地盤によっては危険な場合もあります。また、津波が引くまでは高層階で孤立する可能性があるため、備蓄は十分に用意しておきましょう。

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