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南海トラフ地震防災対策推進地域とは?対象自治体の一覧と住民がすべき備えを解説

更新 2026年4月18日

この記事は南海トラフ地震防災対策推進地域(法的指定)の解説に特化しています。南海トラフ全体の総合解説は 南海トラフ地震はいつ来る?、都道府県別の震度・被害想定は 都道府県別の震度・被害想定 を参照してください。


「南海トラフ地震防災対策推進地域」という言葉を、自治体の広報やハザードマップで目にしたことはあるでしょうか。

これは、南海トラフ地震が発生した際に特に大きな被害が想定される地域として、法律に基づいて国が指定した区域のことです。

2025年7月1日の中央防災会議(第45回)の答申を踏まえた再指定により、31都府県764市町村が推進地域となりました(内閣府防災 令和7年7月版)。太平洋沿岸の広い範囲が対象ですが、内陸部でも指定されている自治体があります。

南海トラフ地震防災対策推進地域とは
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法的根拠(南海トラフ地震対策特別措置法)
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推進地域は「南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」(通称:南海トラフ地震対策特別措置法)に基づいて指定されています。

法律の沿革:

  • 2002年制定:「東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」として成立。東南海・南海地震の被害が想定される地域を「推進地域」に指定し、自治体に推進計画の策定を義務付けた
  • 2013年11月改正(大改正):南海トラフ地震全体を対象に拡大し、現行名称「南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」に改称。同時に津波避難対策特別強化地域(推進地域の中でとくに津波リスクが高いエリア)を新設
  • その後の見直し:中央防災会議の被害想定更新に合わせ、定期的に対象自治体を再指定

2段階の指定構造:

指定区分概要主な追加義務
推進地域震度6弱以上または津波3m以上等が予測される地域推進計画の策定・国の財政支援対象
津波避難対策特別強化地域推進地域のうち特に津波リスクが高い地域津波避難計画の策定・津波避難施設整備への手厚い補助

この法律は、南海トラフ地震による甚大な被害を軽減するために、国・自治体・住民がそれぞれ取り組むべき対策を定めたものです。

指定される条件と対象エリアの考え方
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推進地域に指定される条件は、南海トラフ地震が発生した場合に以下のいずれかに該当する地域です。

指定の基準(内閣府防災):

  • 震度6弱以上の揺れが予測される地域
  • 津波高3m以上で海岸堤防が低い地域
  • 防災体制の確保や過去の被災履歴への配慮が必要と認められる地域

推進地域の対象は、太平洋沿岸部に限られません。内陸部であっても、震度6弱以上が予測される場合は推進地域に含まれます。

指定自治体一覧(都道府県・市区町村)
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太平洋沿岸の指定都市一覧
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推進地域に指定されている主な都道府県と市町村の概要です。

関東地方:

  • 東京都:島しょ部(大島町、八丈町など)
  • 神奈川県:横浜市、川崎市、横須賀市、小田原市 ほか
  • 千葉県:館山市、南房総市 ほか

東海地方:

  • 静岡県:全域が推進地域(静岡市、浜松市、沼津市 ほか全市町)
  • 愛知県:名古屋市を含む多数の市町村
  • 三重県:津市、四日市市、伊勢市、鳥羽市 ほか

近畿地方:

  • 大阪府:大阪市、堺市、岸和田市 ほか
  • 兵庫県:神戸市、尼崎市、西宮市、姫路市 ほか
  • 和歌山県:ほぼ全域(和歌山市、田辺市、新宮市 ほか)
  • 奈良県:一部の市町村

四国地方:

  • 徳島県:ほぼ全域
  • 香川県:高松市 ほか
  • 愛媛県:松山市、今治市、宇和島市 ほか
  • 高知県:全域(高知市、土佐市、四万十市 ほか全市町村)

九州地方:

  • 大分県:大分市、別府市 ほか
  • 宮崎県:宮崎市、都城市、延岡市 ほか
  • 鹿児島県:鹿児島市、霧島市 ほか

内陸部で指定されている自治体の理由
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推進地域は沿岸部だけでなく、内陸部にも指定されている自治体があります。

内陸部が指定される理由:

  • 南海トラフ地震は震源域が広大(駿河湾〜日向灘)なため、内陸でも震度6弱以上が予測される地域がある
  • 地盤の特性(軟弱地盤、盆地構造など)により揺れが増幅される地域がある
  • 活断層の連動リスクがある地域

自分の自治体が推進地域に指定されているかどうかは、内閣府の「南海トラフ地震防災対策推進地域」の一覧で確認できます。

推進地域に指定されるとどうなるか
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自治体が策定すべき推進計画
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推進地域に指定された自治体は、「南海トラフ地震防災対策推進計画」を策定する義務を負います。

推進計画に含まれる内容:

  • 地震防災上の整備目標(建物の耐震化率、避難路の整備など)
  • 津波避難対策(避難タワー・避難ビルの整備)
  • 情報伝達体制の整備(防災無線、Jアラートなど)
  • 物資の備蓄計画
  • 防災訓練の実施計画

自治体は、この計画に基づいて防災インフラの整備を進めています。推進地域に住んでいる方は、自分の自治体の推進計画を一度確認しておくと、地域の防災対策の現状が把握できます。

国からの支援・補助制度
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推進地域(および特別強化地域)に指定されると、国からの財政支援を受けやすくなります。

自治体向けの主な補助制度:

  • 津波避難タワー・避難ビルの整備に対する補助(特別強化地域はとくに手厚い)
  • 防災無線・Jアラート等の情報伝達設備の整備補助
  • 避難路・避難場所の整備に対する補助
  • 液状化対策・宅地耐震化事業の補助

住民個人が活用できる補助制度:

制度概要
耐震診断補助旧耐震基準(1981年以前)の住宅の診断費用を自治体が一部負担(多くは無料〜数千円)
耐震改修補助補強工事費用の一部を補助。推進地域・特別強化地域では補助率や上限額が通常より高い自治体が多い
ブロック塀撤去補助危険なブロック塀の撤去・改修費の一部補助
家具転倒防止補助一部自治体でL字金具・突っ張り棒の現物支給や費用補助あり

補助制度の内容・金額は自治体によって異なります。まず自分の自治体のホームページで「耐震診断補助」「耐震改修補助」を検索するか、市区町村の建築・防災担当窓口に問い合わせてください。

対象地域の住民が優先的に取り組むべき備え
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建物の耐震化(最優先)
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南海トラフ地震では長周期地震動を含む強い揺れが長時間続きます。倒壊した建物の下敷きになれば、その後の津波避難すら不可能になります。耐震化は、すべての備えの前提です。

耐震化の手順:

  1. 耐震診断を受ける:旧耐震基準(1981年5月以前に建築確認を受けた住宅)は特に優先。費用は自治体補助を活用すれば無料〜数千円
  2. 診断結果に応じて改修を検討:評点1.0未満なら耐震改修を検討。補助金を活用することで費用を大幅に抑えられる
  3. 改修が難しい場合は部分的対策:耐震シェルター(寝室だけを強化する鉄製の囲い)の設置や、家具の転倒防止・窓ガラスへの飛散防止フィルム貼付から始める

津波避難ビル・避難路の確認
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推進地域に住む方にとって、耐震化の次に優先度が高いのは津波からの避難経路の確認です。

確認すべきこと:

  • 自宅から最寄りの津波避難ビル・避難タワーまでの距離と所要時間
  • 高台への避難経路(複数ルートを確認)
  • 津波浸水想定区域の確認(ハザードマップ)
  • 津波の到達予測時間(地域によっては数分)

実際に歩いて確認する: 地図上で確認するだけでなく、実際に避難経路を歩いてみることが重要です。夜間や雨天時の避難を想定し、暗い道や坂道の状態も確認してください。

南海トラフ臨時情報への備え
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推進地域に住む方は、南海トラフ地震臨時情報が発表された際の行動を事前に決めておくことが求められます。

事前に決めておくべきこと:

情報の種類取るべき行動
巨大地震注意備えの再確認。避難経路の確認。家具転倒防止の点検
巨大地震警戒津波浸水想定区域にいる場合は事前避難を検討

特に重要なこと:

  • 津波浸水想定区域に自宅がある場合、事前避難の行き先を決めておく
  • 要配慮者(高齢者・障害者・乳幼児)がいる場合、避難に必要な時間を把握する
  • 自家用車での避難は渋滞リスクがあるため、徒歩での避難計画も立てる

まとめ|推進地域の住民向け防災チェックリスト
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確認すべきこと:

  • 自分の自治体が推進地域に指定されているか確認する
  • 津波浸水想定区域のハザードマップを入手する
  • 津波避難ビル・避難タワー・高台の場所を把握する
  • 自治体の推進計画の内容を確認する

備えるべきこと:

  • 自宅の耐震診断を受ける(補助制度を活用)
  • 家具の転倒防止対策を実施する
  • 飲料水・非常食の備蓄(最低3日分、推奨7日分)
  • 防災リュックを玄関近くに配置する

家族で共有すべきこと:

  • 津波避難の集合場所を決める
  • 避難経路を実際に歩いて確認する
  • 災害伝言ダイヤル(171)の使い方を練習する
  • 南海トラフ地震臨時情報が出た場合の行動計画を話し合う

推進地域に住んでいるということは、南海トラフ地震の影響を特に強く受ける可能性がある地域に住んでいるということです。不安に感じる必要はありませんが、「この地域に住んでいるからこそ、しっかり備える」という意識を持つことが大切です。

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