メインコンテンツへスキップ
  1. TOP /
  2. 災害対策 /
  3. 地震対策 /
  4. 南海トラフ津波の到達時間と津波高シミュレーション
地震対策

南海トラフ地震の津波はいつ・何m来る?到達時間と津波高シミュレーション

更新 2026年4月18日

この記事は津波シミュレーション特化です。南海トラフ全体の総合解説は 南海トラフ地震はいつ来る?、メカニズムは 南海トラフとは、都道府県別震度は 都道府県別の震度・被害想定 を参照してください。


津波到達時間シミュレーション(2025年3月新想定)
#

内閣府が2025年3月31日に公表した最新想定では、津波到達時間が従来想定より更に短い地点が複数確認されました。揺れが収まるのを待っていては、命を落とす地域が太平洋沿岸全域に広がっています。

地点別 津波到達時間一覧
#

地点津波到達(最短)備考
和歌山県 紀伊大島(串本町)約1分揺れが続く中で津波到達
和歌山県 串本市街地約5分逃げ遅れゼロが目標
静岡県 御前崎市約3分駿河トラフ直近
高知県 室戸市約3分太平洋直面
三重県 尾鷲市約5分リアス式海岸で増幅
高知県 高知市街地約10分市街地浸水・長期孤立リスク
愛知県 田原市約10分伊勢湾口部
大阪湾奥部(大阪市)約100〜120分湾が緩衝も低地・地下に注意
東京湾内約120分以上房総半島が防波堤の役割

重要:「紀伊大島1分」の意味

和歌山県串本町の離島・紀伊大島では、震源域から最短距離のため津波到達まで約1分しかない。これは「揺れが続いている間に津波が来る」ことを意味する。この地域では、揺れを感じた瞬間に動き始めることが唯一の生存戦略です。


津波高シミュレーション(地点別最大値)
#

最大津波高ランキング(2025年3月内閣府想定)
#

順位地点最大津波高
1高知県 黒潮町約34m
2静岡県 下田市約33m
3高知県 土佐清水市約30m
4三重県 尾鷲市約24m
5徳島県 海陽町約20m
6和歌山県 串本町約18m
7宮崎県 串間市約17m
8愛知県 田原市約15m
9大分県 津久見市約10m
10大阪湾奥部約3〜5m

これらは「最大クラス(M9クラス)」の想定値です。すべての南海トラフ地震でこの高さが発生するわけではありませんが、防災計画はこの数字を基準に立てる必要があります。

高知県(最大34m・日本最大)
#

黒潮町の約34メートルという想定値は日本で最も高く、2012年の公表当初は全国に衝撃を与えました。この数字が出た背景には、太平洋に直接面した地形と、海底の急勾配による波の収れん効果があります。

黒潮町では現在、高台移転・避難タワー建設・毎年の避難訓練を組み合わせた対策が進んでいます。高知市でも市街地の広範囲な浸水と、数週間単位の長期浸水が想定されています。

徳島県 海陽町(約20m)
#

徳島県南部の海陽町は到達時間も短く、高さ20m超の津波が想定される地域です。紀伊水道に面した地形が波を収れんさせるため、隣接する地域より波高が高くなる傾向があります。

和歌山県 串本町・紀伊大島(約18m・到達1分)
#

到達時間の短さと津波高の組み合わせが最も過酷な地域の一つです。18mの津波が1〜5分で到達する条件下では、避難タワーへの到達が生死を分けます。


引き波の仕組みと危険性
#

南海トラフ地震では、「引き波(海が引く現象)」が先行するケースがあります。

引き波のメカニズム

プレート境界で海底が沈降するエリアでは、海水が沖方向に引っ張られ、津波の第一波が「引き波」として現れます。海が急に遠ざかる光景を目にした場合、数分以内に押し波が来ることを意味します。

引き波が危険な理由

  • 「海が引いた」と見物に行った結果、押し波に飲まれた事例が過去に多数ある
  • 引き波で露出した海底には魚が取り残されるため、拾いに行く行動が命取りになる
  • 引き波がない地震でも押し波は来る(引き波がないから安全とは言えない)

鉄則:引き波を見ても見なくても、揺れを感じたら即避難。


津波避難の鉄則
#

強い揺れ → 即高台
#

震度4以上の揺れを感じたら、津波警報の発令を待たずに高台・高層階へ移動してください。警報発令には数分かかります。到達時間が3分未満の地域では、警報を聞いてからでは間に合いません。

弱くて長い揺れも要注意
#

南海トラフ地震では、遠方で発生した巨大地震の場合「揺れが弱いのに大津波が来る」ケースがあります。震度2〜3程度の弱い揺れでも、1〜2分以上続く場合は津波を警戒してください。

気象庁が「南海トラフ地震臨時情報」を発表した後に遠地地震が発生した場合、これと連動した形で南海トラフが誘発される可能性も否定できません。

「津波てんでんこ」の原則
#

三陸地方に伝わる「津波てんでんこ」は、「各自がてんでばらばらに逃げろ」という教訓です。家族を探しに戻る間に飲まれた例が無数にあります。

  • 事前に「離れていても各自で逃げる」ルールを家族で決める
  • 避難後の合流場所(避難所や高台の目印)を2か所以上決めておく

自動車避難の原則
#

自動車避難は渋滞を生み、かえって全員が危険にさらされるリスクがあります。徒歩で高台まで何分かかるか、普段から歩いて確認しておいてください。


津波避難タワーの役割
#

到達時間が短い地域では「高台への移動」が間に合わないケースに備え、津波避難タワーが設置されています。

  • 平地に建てられた鉄筋コンクリート製の高台代替施設
  • 津波到達予測高より高い位置に避難スペースを確保
  • 自治体によっては常時開放(無施錠)で夜間でも利用可能

詳しくは 津波避難タワーとは?仕組みと全国の設置状況 を参照してください。


ハザードマップで自分の地域を確認する
#

ハザードマップポータルサイト
#

国土交通省(国土地理院)の「ハザードマップポータルサイト」で、住所を入力すると想定浸水深が色分けで表示されます。

浸水深の目安:

  • 0.3m未満:歩行困難になり始める深さ
  • 1m超:大人でも立っていられず命の危険
  • 2m超:木造家屋が全壊する可能性

自宅の標高と津波到達ラインの確認
#

国土地理院の「地理院地図」で自宅の標高を確認し、想定津波高と比較してください。自宅標高5m・想定津波高10mなら、浸水深は5m以上になります。この場合、自宅での待避は不可能です。


よくある質問(FAQ)
#

津波と高潮はどう違う?
#

津波は海底の地殻変動(地震)が原因で、海全体が動く現象です。高潮は台風・低気圧による気象現象で、風と気圧変化で海面が上昇します。どちらも沿岸で甚大な被害をもたらしますが、津波は波長が数百kmにわたる点が根本的に異なります。

大阪や東京湾にも津波は来る?
#

大阪湾で3〜5m、東京湾で2〜3m程度の津波到達が想定されています。高知・静岡より低い数値ですが、低地や地下空間では十分に命の危険がある高さです。大阪の地下街・地下鉄にいる場合は、到達前に地上退避が必要です。

マンションの高層階にいれば安全?
#

鉄筋コンクリート造で想定津波高より高い階にいれば建物は耐えられる可能性が高いです。ただし、流木・流出家屋の衝突リスクと、長期浸水による孤立リスクは残ります。自宅の構造・階数・想定津波高を必ず照らし合わせてください。

引き波がなければ津波は来ない?
#

来ます。震源の断層形状によっては引き波が先行しないケースがあります。「海が引いていないから大丈夫」という判断は誤りです。揺れを感じた時点で避難行動を開始してください。

この記事もおすすめ