多様性への配慮

LGBTQ+に関する職場マナー

このページの要点

カミングアウト、アウティング、呼び方、服装、相談を受けたときの対応など、職場でLGBTQ+の方と働く際に守るべき基本を整理します。相手を決めつけない言葉選びも確認できます。

LGBTQ+に関する職場マナーの基本は、本人が話していないことを勝手に扱わないことです。性的指向や性自認は、職場の雑談で詮索したり、本人の許可なく共有したりするものではありません。

職場で守る最低限の3つのルール

職場では、カミングアウトを求めない、アウティングをしない、呼び方や服装をからかわない。この3つを最低限の基本として押さえます。

「悪気はない」「冗談だった」では済まない領域です。本人の尊厳と安全に関わる情報として扱う必要があります。

カミングアウトとアウティングの違い

カミングアウトは、本人が自分の性的指向や性自認について話すことです。一方、アウティングは、本人の同意なく第三者がその情報を他人に伝えることです。

本人の同意なく共有しない

情報の扱いNGOK
アウティング「この前、本人から聞いたんだけど、あの人はLGBTQ+らしいよ」本人が話した内容を、本人の許可なく他人に共有しない

本人が話してくれたとしても、それは「職場全体に共有してよい」という意味ではありません。誰に、どこまで、どのように話すかは本人が決めることです。

職場で避けたい言動

職場では、次のような言動を避けます。

  • 恋愛対象やパートナーの性別を決めつける
  • 「どっちなの?」と性的指向や性自認を聞く
  • 服装、声、しぐさ、名前をからかう
  • トイレ、更衣室、制服について笑いのネタにする
  • 本人のいない場所で噂する
  • 「うちの職場にはいない」と決めつける

恋愛対象や性自認を詮索しない

雑談NGOK
恋愛の話題「彼氏いるの?彼女いるの?どっち?」「休日はゆっくりできましたか」

相手の恋愛や性自認を知る必要がない場面では、そもそも聞かないことが最も安全です。

呼び方、名前、敬称

名前や呼び方は、本人が望む形を尊重します。戸籍名、旧姓、通称名、ビジネスネームなど、事情は人によって異なります。

職場で迷う場合は、性別を推測して呼ぶのではなく、本人が名乗っている名前、メール署名、社内システム上の表示に合わせます。本人から希望が示された場合は、その呼び方を使います。

呼び方は本人の希望と業務上の表記を尊重する

呼び方NGOK
名前、表記「本当の名前は何なの?」「業務上は、どの表記でお呼びすればよいですか」

相談を受けたときの対応

本人から相談を受けた場合は、まず落ち着いて聞きます。驚きすぎる、質問攻めにする、勝手に励ます、すぐに人事や上司へ共有するといった対応は避けます。

OK: 「話してくれてありがとうございます。誰にどこまで共有してよいか、確認させてください」

相談を受けた側が判断に迷う場合でも、本人の同意なく情報を広げないことが原則です。業務上の調整が必要な場合は、本人の希望を確認し、人事や相談窓口など適切なルートにつなぎます。

制度や設備の話は個人攻撃にしない

トイレ、更衣室、制服、福利厚生、申請書類などの話題は、個人を名指しして議論すると本人に強い負担がかかります。制度や設備の改善は、個人の事情をさらす形ではなく、会社全体の課題として扱います。

制度や設備は個人攻撃ではなく、職場全体の課題として扱う

制度の話題NGOK
ルール変更「あの人のためにルールを変えるの?」「誰にとっても使いやすい制度にするには、どのような選択肢があるか確認しましょう」

アウティングを避ける実務

本人から相談を受けた、または偶然に性的指向、性自認に関する情報を知った場合に、アウティングを避けるための具体的な行動を整理します。

相談を受けた場合の確認フロー

1. 話してくれたことへの感謝を伝える
2. 「誰に、どこまで伝えてよいか」を本人に確認する
3. 本人の意向を確認するまで、他に共有しない
4. 業務上の調整が必要な場合は、本人の希望を確認したうえで動く
5. 個人で抱えきれない場合は、社内窓口・専門部署への相談を本人に提案する

「良かれと思って」上司や人事に伝えることも、本人の同意がなければアウティングになります。「知ってしまった」場合でも、情報の扱いは変わりません。

場面別の注意点

場面注意すること
呼称、書類本人が使っている名前、呼び方を確認し、その表記に合わせる
制服、服装性別で服装を一律に定めるルールがある場合、個別に相談できる窓口を案内する
トイレ、更衣室個室の使用など、本人の希望を確認する。他の社員に事情を説明する必要はない
社内書類氏名、性別欄の記載に迷う場合は、人事担当者に確認方法を聞く
懇親会、会食参加者の情報を外部に出す際、性的指向、性自認に関する情報が含まれないか確認する
採用面接性的指向、性自認に関する質問は不要。職務に関係のない個人情報は聞かない

これらの対応は、どれも本人の許可を起点にします。「こうするのが正しい」と思って先に動くのではなく、「どうしたいか」を本人に確認するのが基本です。

この記事の範囲について

この記事は、職場でのコミュニケーション、言動に関する一般的な考え方を扱います。性自認、性的指向に関する医療的な判断や法的な手続きは、この記事の対象外です。個別の事情については、医療機関、弁護士、社内の人事や相談窓口など専門家、専門部署に相談することをおすすめします。会社として制度整備や対応指針を設ける場合は、厚生労働省のガイドラインや専門家への確認を踏まえてください。

最後に確認

  • 本人の性的指向や性自認を詮索していない
  • 本人の許可なく、聞いた情報を他人に共有していない
  • 呼び方、服装、しぐさをからかっていない
  • 恋愛対象や家族構成を決めつけていない
  • 相談を受けたとき、誰にどこまで共有してよいか確認している
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