多様性への配慮

ジェンダーに配慮した言葉遣い

このページの要点

性別、恋愛、結婚、家族観を決めつける表現を避けるために、職場で使いやすいジェンダーニュートラルな言い換えを整理します。相手を決めつけない言葉選びもあわせて確認できます。

ジェンダーに配慮した言葉遣いとは、性別を理由に相手の性格、役割、働き方、恋愛、家族観を決めつけない話し方です。悪気のない一言でも、相手には「自分のあり方を勝手に決められた」と感じられることがあります。

性別ではなく役割、状況で話す原則

職場では、性別ではなく役割、状況、本人の希望に基づいて話します。「男らしく」「女性なら」「彼氏、彼女」といった表現は、必要がない限り避けるのが無難です。

性別を前提にした言葉を避ける

職場で問題になりやすいのは、性別と役割を結びつける言い方です。

性別ではなく、業務上の役割として依頼する

場面NGOK
受付対応「女性なんだから受付をお願い」「来客対応をお願いできますか」
力仕事「男なら重い荷物くらい持って」「この荷物、運ぶのを手伝ってもらえますか」
議事録「細かい作業は女性の方が向いているから、議事録をお願い」「今日の議事録をお願いできますか」
お茶出し「女性陣でお茶を出しておいて」「来客用のお茶出しを、担当順でお願いします」

仕事の依頼は、性別ではなく業務上の役割として伝えます。力仕事、受付、議事録、お茶出し、雑務などを性別で割り振ると、不公平感や不快感につながります。

言い換え早見表

避けたい表現無難な言い換え
彼氏、彼女パートナー、交際相手
奥さん、旦那さん配偶者、ご家族
お父さん、お母さん保護者、ご家族
女の子、男の子メンバー、担当者、皆さん
女性らしい、男らしい丁寧、頼もしい、落ち着いているなど具体的に言う
主婦目線、男目線生活者視点、利用者視点、担当者視点

すべての場面で禁止という意味ではありません。相手が自分で使っている呼び方がある場合は、それを尊重します。ただし、初対面や職場の場面では、決めつけの少ない表現を選ぶ方が安全です。

容姿、服装へのコメント

容姿や服装へのコメントは、褒め言葉のつもりでも相手に負担を与えることがあります。特に、性別と結びつけた評価は避けます。

外見ではなく仕事上の行動や成果に触れる

褒める対象NGOK
容姿、服装「女性らしくていいね」「男なのに肌がきれいだね」「今日の資料、とても見やすかったです」「会議の進行が分かりやすかったです」

職場で褒めるなら、外見よりも仕事の成果、準備、説明、気遣い、対応の質に触れる方が適切です。

結婚、出産、家族観を決めつけない

「結婚したら」「子どもができたら」「将来は家庭に入るの?」といった話題は、相手の人生設計を勝手に決めつける表現になりやすいです。

結婚や出産を前提にせず、本人の希望として確認する

話題NGOK
働き方「結婚したら働き方も変わるでしょ」「今後の働き方で希望があれば、面談で聞かせてください」

キャリアや働き方の話をする場合は、結婚や出産を前提にせず、本人の希望と業務上の調整事項として扱います。

呼び方にも注意する

職場で「ちゃん」「くん」を使う文化が残っている場合でも、相手によっては幼く扱われている、性別で扱いを変えられていると感じることがあります。原則として、名字 + さん、役職名、本人が希望する呼び方を使うのが無難です。

呼び方は性別で変えず、公平にそろえる

呼び方NGOK
敬称女性社員だけ「ちゃん」付けで呼ぶ全員を「さん」付けで統一する

場面別の言い換え

「言いたいことは分かるが、実際どう言えばいいか分からない」という場面別に整理します。正しさの押しつけではなく、相手が安心して働ける実務表現として使ってください。

採用、面接

避けたい表現言い換え例
「女性ならではの視点を期待している」「多様な視点を大切にしています」
「男性が多い職場ですが大丈夫ですか」「チームの構成についてご説明します」
「結婚、出産の予定はありますか」(聞かない。業務上必要な情報だけ確認する)

社内紹介、挨拶

避けたい表現言い換え例
「女性社員の〇〇さんです」「〇〇担当の〇〇さんです」
「営業部の紅一点です」「営業部の〇〇さんです」
「若手男性の〇〇くんです」「〇〇チームの〇〇さんです」

顧客対応、文書

避けたい表現言い換え例
「奥様にもよろしく」「ご家族にもよろしくお伝えください」
「旦那様のお仕事は?」(家族構成の詮索は不要)
「女性のお客様向けプラン」「〇〇を重視する方向けのプラン」

雑談

避けたい表現言い換え例
「男性なんだから奢ってよ」「今日は私が払いますね」か「割り勘にしましょう」
「女性が集まるといつも賑やかですね」(性別で一般化しない)
「男には分からないよね」「自分には経験がないので教えてほしいです」

これらはすべての場面で厳密に守る必要があるわけではありません。相手との関係性、文脈によって適切な言い方は変わります。ただし、初対面、職場の公式な場面では、性別を前提にしない言い回しを選ぶ方が安全です。

性別を決めつけない言い換え

場面ごとに使いやすい言い換えを整理します。「正しさの押し付け」ではなく、相手が安心して働ける実務表現として使ってください。

従来の表現言い換え場面
奥様、旦那様パートナーの方、ご家族の方顧客対応、社内書類
女子社員、女性スタッフスタッフ、担当者、チームメンバー社内紹介、議事録
男らしい、女らしい責任感がある、丁寧な対応ができる評価、フィードバック
彼、彼女(特定人物以外)その方、担当者メール、報告書
彼氏、彼女(恋人)パートナー雑談、社内会話
お母さんに許可をご家族に確認を契約、重要連絡

採用、社内紹介での注意

  • 「女性活躍中」という表現は、性別が評価に関わる印象を与えることがある。「スキルを発揮しやすい環境」に言い換える。
  • 社内紹介で「女性ながら管理職」という言い方は、例外として扱う表現になる。
  • 役職は性別に関係なく同一の呼び方(「部長」「係長」など)を使う。

最後に確認

  • 性別を理由に役割を割り振っていない
  • 「男らしく」「女性らしく」と評価していない
  • 恋愛、結婚、出産を前提に話していない
  • 容姿ではなく仕事の行動や成果を褒めている
  • 呼び方を人によって不公平に変えていない
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