メインコンテンツへスキップ
  1. TOP /
  2. 災害対策 /
  3. 台風対策 /
  4. 台風の断水対策
台風対策

台風の断水対策|必要な水の量とトイレ・給水の備え【完全版】

更新 2026年6月25日

台風による断水に備える基本は、「飲料水を1人1日3L・最低3日分」確保し、それとは別に浴槽のため水で生活用水を、携帯トイレで排泄を確保しておくことです。台風では断水だけでなく停電も同時に起こりやすく、停電でマンションの給水ポンプが止まると、水道が通っていても高層階で断水することがあります。

この記事では、なぜ台風で断水するのかから、必要な水の量(飲料・生活用)事前のため水と備蓄断水中のトイレ対策給水・復旧時の注意までを、毎シーズン・どの台風でも使える形で整理します。

まず最優先の3つだけ覚えてください。

  • **飲料水は1人1日3L・最低3日分(できれば1週間分)**を人数分そろえる
  • 台風が来る前に浴槽へ水をためる(トイレ・掃除など生活用水に。※乳幼児の溺水に注意)
  • 携帯トイレを「人数×日数×1日5回」分そろえる(断水するとトイレが流せない)

台風が近づいてからの全体の動きは台風が近づいたら?やることチェックリスト、台風対策の全体像は台風対策の完全ガイドもあわせてご覧ください。

なぜ台風で断水するのか
#

「断水」とは、水道から水が出なくなる状態のことです。台風では、次の3つの経路で断水が起こります。原因が違えば備え方も変わるので、まず仕組みを押さえましょう。

断水の原因何が起きるか主に影響する家
水道施設・配管の被害浄水場・水道管が洪水や土砂で損傷し、地域一帯が断水戸建て・集合住宅すべて
取水制限・濁り河川の増水・濁りで取水できず、給水が止まる/濁り水が出る地域一帯
停電に伴う断水停電で給水ポンプが止まり、建物内で断水マンション・ビルの中高層階

停電すると「水道は無事でも」断水することがある
#

意外と知られていないのが、停電による断水です。マンションやビルの多くは、いったん受水槽にためた水を電動ポンプで屋上タンクや各戸へ汲み上げています。停電でこのポンプが止まると、水道管自体は無事でも建物内で水が出なくなります

大阪市水道局も「ビル・マンション等の高層建築物では、水道管自体は断水していなくても、高層階まで水を送るためのポンプが停電により停止した場合、建物内で断水が起こります」と注意を呼びかけています(大阪市水道局)。受水槽方式の建物では、停電直後はタンクに残った水で当面しのげますが、残量がなくなると断水します。

台風は停電と断水が同時に・連続して起こりやすい災害です。だからこそ、停電対策と断水対策はセットで考える必要があります。停電そのものへの備えは台風の停電対策で詳しく解説しています。

必要な水の量(飲料水・生活用水)
#

水は用途で「飲料水(飲む・調理する水)」と「生活用水(トイレ・洗面・掃除などの水)」に分けて考えると、必要量を正しく見積もれます。

飲料水は1人1日3L・最低3日分
#

農林水産省の家庭備蓄ポータルでは、飲料・調理用として1人1日3Lが目安とされ、最低3日分、できれば1週間分の備蓄が推奨されています(農林水産省 家庭備蓄ポータル)。大規模災害ではライフラインの復旧に1週間以上かかった例もあるため、可能なら1週間分が安心です。

人数別の目安は次のとおりです(飲料水のみ)。

家族構成1日(3L×人数)3日分1週間分
1人3L9L21L
2人6L18L42L
3人9L27L63L
4人12L36L84L

ペットがいる家庭はペットの飲み水も別途見込みましょう。

生活用水は別枠で確保する
#

トイレ・手洗い・洗面・食器洗い・掃除などに使う生活用水は飲料水とは別に必要です。生活用水は防災資料で1人1日10〜20L程度とされることが多く、これをすべてペットボトルで備えるのは現実的ではありません。

そこで生活用水は、**台風が来る前の「浴槽のため水」**で確保するのが基本になります(次章で解説)。飲料水のように長期備蓄するのではなく、断水が予想される直前に確保するのがポイントです。

事前の備え(ため水と備蓄)
#

断水対策は、**台風が来る「前」**に動けるかどうかでほぼ決まります。風雨が強まってからでは買い出しも作業も危険です。前日までに次を済ませましょう。

浴槽のため水(生活用水)
#

最も手軽な生活用水の確保が、浴槽に水をためておくことです。一般的な浴槽には約180〜200L入り、家族数日分のトイレ・掃除用水をまかなえます。

  • 台風の最接近前日までに浴槽へ満水近くまで水をためる
  • トイレを流す・床掃除・手洗いなど飲用以外に使う
  • 停電でポンプが止まる前なら、追い焚き配管の水も含めためられる

⚠️ 乳幼児の溺水に注意 浴槽にためた水は、小さなお子さんがいる家庭では溺水事故の原因になります。子どもは数cmの水でも溺れることがあります。浴室のドアを必ず施錠し、子どもが一人で入れないようにしてください。リスクが心配な場合は、浴槽ではなくフタつきの大型ポリタンクなどに分けてためる方法も検討しましょう。

飲料水・トイレ・関連グッズの備蓄
#

飲料水はローリングストック(普段から少し多めに買い、古いものから使って買い足す)でそろえておくと、賞味期限切れを防げます。台風直前は店頭の水が品切れしやすいため、シーズン前に常備しておくのが確実です。

断水対策として、飲料水以外にそろえておきたいものは次のとおりです。

  • 携帯トイレ・簡易トイレ(後述の必要数を確保)
  • 給水用のポリタンク・ウォーターバッグ(給水所から水を運ぶため。10〜20L、運べる重さに分けると◎)
  • ウェットティッシュ・除菌シート(断水中の手洗い・体拭き代わり)
  • 紙皿・紙コップ・ラップ(食器洗いの水を節約)
  • アルコール消毒液(手指衛生)

備蓄品の全体像は揃えておきたい備蓄品もあわせてご覧ください。自宅周辺の浸水・断水リスクはハザードマップで事前に確認しておきましょう。

断水中のトイレ対策
#

断水で見落とされがちなのがトイレです。水が出ないとトイレが流せず、ためた水で無理に流すと詰まりや逆流を起こすこともあります。トイレは「携帯トイレで対応する」のが基本です。

携帯トイレは「人数×日数×1日5回」で計算
#

経済産業省は「トイレ備蓄 忘れていませんか」のなかで、成人1日の平均排泄回数は約5回とし、備蓄目安として1週間分=1人あたり35回分を推奨しています(経済産業省)。

必要数の計算式は次のとおりです。

必要回数 = 人数 × 備える日数 × 5回

家族構成3日分1週間分
1人15回35回
2人30回70回
3人45回105回
4人60回140回

台風による断水は数日で復旧することも多いですが、停電・道路寸断を伴うと長引くため、まずは家族分の1週間分を目標にそろえると安心です。

携帯トイレの使い方と注意点
#

携帯トイレは、便器にビニール袋をかぶせ、凝固剤で固めて処理するタイプが一般的です。

  • 便器にポリ袋を二重にかぶせ、用を足したら凝固剤を振りかける
  • 袋の口を縛り、ニオイ漏れしにくい袋にまとめて保管
  • ためた水で無理に流さない(詰まり・下水逆流の恐れ。特に集合住宅では下階に影響することも)
  • 凝固剤がない場合は新聞紙・ペットシート・猫砂などで代用可

断水・停電時は集合住宅でトイレを流さないよう管理組合から指示が出ることがあります。配管の損傷や下階への逆流を防ぐためです。建物の指示があればそれに従ってください。

給水・復旧時の注意
#

断水が続くと、自治体が応急給水所を開設します。給水を受けるとき・水道が復旧したときの注意点を押さえましょう。

応急給水を受けるとき
#

  • 自治体の防災メール・公式サイト・SNSで給水所の場所と時間を確認する
  • ポリタンク・ウォーターバッグを持参(給水所では容器の貸与がないことが多い)
  • 水は重い(1Lで約1kg)。台車やキャリーカートがあると運搬がラク
  • 給水された水は清潔な容器に入れ、できるだけ早く使い切る(生水は時間が経つと衛生面が低下)

水道が復旧したとき(濁り水に注意)
#

断水から復旧した直後は、配管内のサビや空気が混ざって濁り水が出ることがあります。

  • 復旧直後は蛇口を少し開けてしばらく流し、水の濁りが取れてから使う
  • 濁りや異臭・異物が続く場合は飲用・調理に使わず、自治体・水道局に連絡する
  • 給湯器・浄水器を使っている場合は、清水が出てから通水・使用する

よくある質問(FAQ)
#

Q. 台風の断水に備えて、水はどれくらい用意すればいい? A. 飲料・調理用は1人1日3Lが目安で、最低3日分(1人あたり9L)、できれば1週間分(21L)を人数分そろえます(農林水産省)。これとは別に、トイレ・掃除用の生活用水は浴槽のため水で確保します。

Q. なぜ停電すると断水することがあるの? A. マンションやビルの多くは、ポンプで水を屋上タンクや各戸へ汲み上げています。停電でこのポンプが止まると、水道管自体は無事でも建物内で水が出なくなります。受水槽にためた水がなくなると断水し、停電が解消してタンクに水がたまるまで続きます。だから台風前の「ため水」が効きます。

Q. お風呂のため水はそのまま飲める? A. 飲めません。浴槽のため水は雑菌が繁殖しやすく、トイレ・掃除などの生活用水として使ってください。飲料には必ず備蓄したペットボトルや給水所の水を使いましょう。

Q. 浴槽に水をためるとき、気をつけることは? A. 小さなお子さんがいる家庭では溺水の危険があります。子どもは数cmの水でも溺れることがあるため、浴室のドアを施錠し、一人で入れないようにしてください。心配な場合はフタつきのポリタンクに分けてためる方法もあります。

Q. 携帯トイレはどれくらい必要? A. 人数 × 日数 × 5回で計算します。成人1日の排泄回数は平均約5回とされ、経済産業省は1週間分=1人35回分の備蓄を推奨しています。4人家族なら1週間で140回分が目安です。

Q. 断水中、ためた水でトイレを流してもいい? A. 原則おすすめしません。配管の状態によっては詰まりや下水の逆流を起こすことがあり、集合住宅では下階に影響することもあります。携帯トイレで対応し、建物から流さないよう指示が出ている場合はそれに従ってください。

Q. 断水はどれくらいで復旧する? A. 規模によりますが、ライフラインの復旧目安はおおむね3日とされ、大規模災害では1週間以上かかった例もあります。停電・道路寸断を伴うと長引くため、最低3日・できれば1週間分の備えが安心です。


この記事の関連ページ
#

出典・参考(公的機関)
#

この記事もおすすめ