敬語・言葉遣いのマナー

間違いやすい敬語:知らずに使っているNG表現

このページの要点

ビジネスで間違いやすい敬語を、二重敬語、社外への身内表現、尊敬語と謙譲語の混同などの例から、正しい言い換えとともに解説します。言い換えに迷う場面でも使いやすい表現を確認できます。

「ご苦労様です」「なるほどですね」「おっしゃられる」——これらはすべて誤用または不適切な敬語です。悪意なく使ってしまうミスが、相手への失礼につながり、信頼を損なうことがあります。正しい表現を知ることで、意図せぬ失礼を防いでください。

まず押さえること

間違いやすい敬語の多くは、「丁寧にしようとして敬語を重ねる(二重敬語)」「尊敬語と謙譲語を混同する」「若者言葉がビジネスの場に混入する」の3パターンに分類できます。それぞれのパターンを把握し、頻出のNG表現を正しい言い換えとセットで覚えることが最短の改善策です。

二重敬語のNG例

二重敬語とは、一つの動作に対して敬語を二重に重ねることです。丁寧にしようとした結果、かえって不自然な表現になります。

「おっしゃられる」は「おっしゃる(尊敬語)+られる(尊敬の助動詞)」の二重敬語です。正しくは「おっしゃる」だけで十分です。「いただけますでしょうか」も「いただく(謙譲語)+ますでしょうか(丁寧語の重複)」の過剰敬語です。「いただけますでしょうか」ではなく「いただけますか」で整います。

二重敬語かどうかを見分けるには、「この文に敬語の要素がいくつ入っているか」を確認します。一つの動作に対して敬語の要素が2つ以上あれば、二重敬語の可能性があります。

謙譲語・尊敬語の混同

尊敬語は「相手の動作を高める」表現、謙譲語は「自分の動作を低める」表現です。この2つを混同すると、相手を低めたり、自分を高めたりする意図しない失礼が生じます。

「ご苦労様です」は上位の立場から目下をねぎらう表現です。上司や取引先に使うと失礼になります。上司や先輩へは「お疲れ様です」を使ってください。「参考になりました」は「参考にする」が自分の動作を示す謙譲的な表現ですが、相手の話や説明に対して使うと、相手の言葉を「参考程度に受け取った」という印象を与えかねません。「大変勉強になりました」が適切です。

「拝見させていただきます」は「拝見する(謙譲語)+させていただく(謙譲語)」の二重謙譲です。「拝見いたします」または「拝見します」で正しい表現になります。

ビジネスで避けたい若者言葉

日常会話で自然に使っている言葉が、ビジネスの場では不適切になることがあります。本人には意識がないまま使ってしまうため、注意が必要です。

「なるほどですね」は相手の話に同意する際の表現ですが、「なるほど」は目上の人に対して評価・判定するニュアンスを含むため、ビジネスでは避けるべきとされています。「おっしゃる通りです」「ありがとうございます」が適切です。「ぶっちゃけ」「ガチで」などのSNS・口語表現は、取引先や上司との会話では場の雰囲気を壊します。語尾の「〜的な」「〜じゃないですか」も、話し言葉としては一般的ですが、ビジネスの報告や提案の場では軽い印象を与えます。

よくある誤用トップ10と正しい表現

よくある誤用トップ10と正しい言い換え

ポイントNGOK
二重敬語おっしゃられるおっしゃる
尊敬語と謙譲語の混同ご苦労様です(上司へ)お疲れ様です
対等・目下への表現了解しました(上司へ)承知しました
若者言葉の混入なるほどですねおっしゃる通りです
相手を低める印象参考になりました大変勉強になりました
「させていただく」の乱用ご連絡させていただきますご連絡いたします
二重謙譲拝見させていただきます拝見いたします
過去形の誤用よろしかったでしょうかよろしいでしょうか
丁寧語の重複いただけますでしょうかいただけますか
命令形の印象お体に気をつけてくださいお体にお気をつけください

正しい表現を覚えるコツは「主語は誰か」を常に確認することです。相手の動作→尊敬語、自分の動作→謙譲語と機械的に当てはめると、混同を防ぎやすくなります。

あわせて確認

敬語の誤用は、一つの言い換えだけでなく、場面ごとの言葉選びとセットで直すと定着します。「すみません」の言い換えや場面別表現を確認し、常識チェックで尊敬語・謙譲語の判断を振り返ってください。

あわせて読む 「すみません」は禁止:謝罪・依頼・感謝の言い換え ビジネスシーンで多用しがちな「すみません」を、謝罪・呼びかけ/依頼・感謝の場面ごとに正しい敬語へ置き換える方法を解説します。言い換えに迷う場面でも使いやすい表現を確認できます。 あわせて読む 正しい言葉選び:場面別の使い分け 社内、社外、電話、メール、謝罪、依頼などの場面別に、相手との関係性に合った言葉を選ぶための基本と実用フレーズを解説します。言い換えに迷う場面でも使いやすい表現を確認できます。 あわせて読む 敬語 常識チェック 尊敬語、謙譲語、丁寧語、社外への呼称、間違いやすい言い換えを10問で確認し、ビジネス敬語の基礎力をチェックします。間違えやすい判断をその場で振り返れます。

最後に確認

  • 「おっしゃられる」ではなく「おっしゃる」を使っている
  • 上司へのねぎらいは「お疲れ様です」を使っている
  • 上司への返答は「承知しました」を使っている
  • 「なるほどですね」を使わず「おっしゃる通りです」に言い換えている
  • 「参考になりました」の代わりに「大変勉強になりました」を使っている
  • 「させていただく」の使いすぎを意識して抑えている
  • 「よろしかったでしょうか」ではなく「よろしいでしょうか」を使っている
← 「敬語・言葉遣いのマナー」一覧へ トップ →