相見積もり・比較検討を伝えるマナー
このページの要点
相見積もりや他社比較をしているときに、取引先へ失礼なく伝える方法を整理します。価格だけで駆け引きする印象を避ける言い方も紹介します。相手の時間に配慮した伝え方もあわせて確認できます。
相見積もりはビジネスでは一般的ですが、伝え方を誤ると「価格だけで揺さぶっている」「提案を軽く扱っている」と受け取られます。比較する場合ほど、評価軸と期限を明確にすることが大切です。
相見積もりで伝える3点
相見積もりを取るときは、比較中であること、判断基準、回答予定日を伝えます。価格交渉だけに使うのではなく、公平な検討のための情報整理として扱います。
相見積もりを伝える例文
現在、複数社のご提案を比較検討しております。
価格だけでなく、導入後のサポート体制や運用負荷も含めて
社内で確認しております。
〇月〇日までに検討状況をご連絡いたします。
相手に隠す必要はありませんが、他社名や他社価格をそのまま伝えるのは避けます。比較相手の情報を不用意に出すと、守秘や信頼の面で問題になります。
比較軸を明確にする
比較検討では、安さだけでなく費用、機能、運用負担、サポート体制、契約条件、実績の6項目で評価します。
| 比較軸 | 確認すること |
|---|---|
| 費用 | 初期費用、月額費用、追加費用 |
| 機能 | 必須要件を満たしているか |
| 運用 | 自社側の作業負担、管理体制 |
| サポート | 問い合わせ対応、導入支援 |
| 契約条件 | 契約期間、解約条件、更新条件 |
| 実績 | 同業種、同規模での導入例 |
この軸を先に整理しておくと、相手への質問も具体的になります。
値下げ交渉の注意
「他社はもっと安いです」とだけ伝えると、相手に不快感を与えやすくなります。価格の相談をする場合は、予算条件と必要な範囲を具体的に伝えます。
社内予算との兼ね合いで、初期費用の部分を再度確認しております。
もし調整可能な範囲がございましたら、条件を伺えますか。
無理な値下げを求めるより、範囲の見直し、導入時期の分割、オプションの調整などを相談します。
下請け、受託側への配慮
複数社を比較する場合でも、各社の提案や見積もりに時間とコストがかかっていることを念頭に置きます。以下の点は取引上のトラブルにつながる可能性があるため、避けます。
- 採用の見込みがないのに詳細な提案書、見積書を何度も出させる
- 他社の見積書や提案内容をそのまま別の会社に見せて価格交渉に使う
- 落選の連絡をせず、次の案件で再び声をかける
「比較検討する権利」はありますが、相手の作業コストを不当に使わない配慮が、長期的な取引関係の基礎になります。
比較検討の結果が出た後
採用しない場合でも連絡します。相手が見積もりや資料作成に時間を使っているため、放置は避けます。
社内で比較検討した結果、今回は別案で進めることとなりました。
ご提案とお見積もりにお時間をいただき、誠にありがとうございました。
NG/OK 早見表
相見積もりで避けたい伝え方
| 場面 | NG | OK |
|---|---|---|
| 比較中 | 「他社にも聞いています」だけ | 比較軸と回答予定日を伝える |
| 価格相談 | 「他社はもっと安いです」 | 予算条件と調整したい範囲を伝える |
| 他社情報 | 他社名や見積額をそのまま共有する | 自社の判断基準として整理して伝える |
| 結論後 | 不採用のまま連絡しない | お礼と結論を伝える |
発注側が避けたい行動
相見積もりで発注側が陥りやすいNG行動
| 行動 | NG | OK |
|---|---|---|
| 価格競争 | 価格だけを引き合いに出して値下げを促す | 必要な範囲、条件を明示して価格根拠を確認する |
| 他社情報の流用 | 他社の見積書や提案内容をそのまま別の会社に見せる | 自社の判断基準として整理したうえで共有する |
| 無限提案要求 | 採用の見込みがないのに詳細な提案書、見積書を繰り返し求める | 検討意図と判断軸を最初に伝える |
| 事後無連絡 | 不採用のまま次の案件で再び声をかける | 落選連絡を入れてから次の声がけをする |
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- 比較中であることを必要な範囲で伝える
- 価格以外の判断基準も整理する
- 他社名や他社価格を不用意に出していない
- 回答予定日を伝える
- 不採用の場合も連絡する