贈り物とコンプライアンス|受け取れない・贈れないときの対応
このページの要点
取引先への贈り物で注意すべきコンプライアンスを整理します。公務員、取引や契約の判断に関わる相手、入札前後、高額品、受け取れない場合の断り方を扱います。相手が気持ちよく受け取れる選び方もあわせて確認できます。
贈り物は感謝を伝える手段ですが、相手の立場や時期によっては、利益供与や不適切な便宜のように見えることがあります。特に公務員や、取引先の選定・発注・契約判断に関わる相手には慎重な確認が必要です。
まず押さえること
贈る前に、自社規程、相手先の受け取りルール、相手の職務、贈る時期、金額を確認します。少しでも判断に迷う場合は、個人で決めず、上司・総務・法務に相談します。
この記事は実務上の初期判断を整理したものです。具体的な法的判断が必要な場合は、社内の法務部門や専門家に確認してください。
注意が必要な相手
| 相手・場面 | 注意点 |
|---|---|
| 公務員 | 利害関係者からの金銭・物品の贈与や接待が規制される場合がある |
| 取引先の選定・発注に関わる相手 | 契約判断への影響を疑われやすい |
| 入札・選定の前後 | 候補先の比較中・契約先を決める時期は、判断への働きかけに見えやすい |
| 監査・検査・許認可に関わる相手 | 職務との関係で特に慎重な判断が必要 |
| 下請・委託先 | 立場を利用した負担要請に見えないよう注意する |
公務員や行政機関と関わる場合は、相手が受け取れるかどうかを必ず確認します。「少額だから問題ない」と自己判断しないことが重要です。
入札や取引先の選定では、複数社を同じ条件で比較して判断することが前提です。その時期に特定の相手へ贈り物をすると、実際には日頃のお礼であっても、「選んでもらうための働きかけ」や「判断後のお礼」のように見えるおそれがあります。契約先が決まる前後は贈答を避け、必要な挨拶はメールや正式な文書にとどめるのが無難です。
高額品・商品券・接待
高額品、商品券、現金、過度な接待は、相手の社内規程やコンプライアンス基準に触れやすいものです。取引先から見ると、受け取った担当者が社内で説明しにくい場合があります。
贈答の目的が「日頃のお礼」でも、契約直前や選定中であれば、相手の判断に影響を与えるように見えることがあります。時期にも注意します。
受け取れないときの断り方
自社規程で受け取れない場合は、相手の厚意を否定せず、会社方針として伝えます。
お心遣いをいただき、誠にありがとうございます。
弊社規程により、贈答品の受領を控えることとなっております。
お気持ちだけありがたく頂戴いたします。
個人の判断ではなく、会社としてのルールであることを伝えると角が立ちにくくなります。
受け取ってしまった場合
受け取った後に高額品や規程上問題のある品だと気づいた場合は、個人で保管・消費せず、上司や総務に報告します。返送、共有、寄付、記録など、会社のルールに従います。
記録には、受領日、相手先、品物、概算金額、対応方法を残します。
贈る前の確認フロー
- 贈る目的を説明できるか
- 契約・選定・入札の直前ではないか
- 相手が公務員や、取引先の選定・発注に関わる立場ではないか
- 金額が社内規程の範囲内か
- 現金・商品券・高額品ではないか
- 相手先に受け取り禁止ルールがないか
- 上司・総務・法務に確認が必要な案件ではないか
どれか一つでも不安があれば、贈る前に確認します。
NG/OK 早見表
贈答コンプライアンスで避けたい対応
| 場面 | NG | OK |
|---|---|---|
| 公務員 | 「少額なので大丈夫」と渡す | 受け取り可否を事前に確認する |
| 契約直前 | 商談成立前に高額品を贈る | 契約判断に影響しない時期・方法を選ぶ |
| 選定・発注に関わる相手 | 個人宛に商品券を渡す | 会社規程に沿った正式な対応にする |
| 受領不可 | 「せっかくなので」と受け取る | 会社方針として丁寧に断る |
| 受領後 | 個人で持ち帰る | 上司・総務へ報告して記録する |
あわせて読みたい
避けたい品物は取引先への贈り物で避けたいNG商品を確認してください。贈り物全般の相場や渡し方はビジネス贈り物の基本で扱います。
あわせて読む 取引先への贈り物で避けたいNG商品 取引先への贈り物で避けたい品を、縁起・意味合い、好みや体質、保管負担、コンプライアンスの観点から整理します。相手が気持ちよく受け取れる選び方もあわせて確認できます。 あわせて読む ビジネス贈り物の基本|相場・タイミング・渡し方 取引先や職場で贈り物をする際の基本を整理します。贈る場面、金額相場、渡し方、郵送時の送り状、受け取ったときのお礼まで扱います。相手が気持ちよく受け取れる選び方もあわせて確認できます。最後に確認
- 自社規程と相手先ルールを確認する
- 契約・選定・入札の時期に重なっていない
- 公務員や、取引先の選定・発注に関わる相手への贈答ではないか確認する
- 高額品・現金・商品券を避ける
- 判断に迷う場合は上司・総務・法務に相談する
- 受け取れない場合の断り方を準備する