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防災知識

津波警報・注意報が出たらどうする?|警報の種類・発令基準・即時行動マニュアルを徹底解説

更新 2026年4月10日

2011年3月11日、東日本大震災の津波で約2万人が犠牲になりました。

あの日、津波警報は地震発生の3分後に発表されていました。しかし、当初の予想津波高は「3メートル」。多くの人が「3メートルなら大丈夫だろう」と判断し、避難行動が遅れたとされています。実際に到達した津波は、場所によっては15メートルを超えていました。

津波警報は、命を守るために残された短い時間で行動を決めるための情報です。警報の意味を正しく理解し、「どの警報が出たら何をすべきか」を事前に頭に入れておくことが、生死を分けることがあります。

津波警報・注意報の種類と発令基準
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大津波警報・津波警報・津波注意報の違い
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気象庁が発表する津波に関する情報は3段階あります。

大津波警報は、予想される津波の高さが3メートルを超える場合に発表されます。沿岸部のすべての人が直ちに高台や津波避難ビルへ避難しなければなりません。大津波警報が出たら「とにかく逃げる」——これ以外の選択肢はありません。

津波警報は、予想される津波の高さが1メートルを超え3メートル以下の場合に発表されます。沿岸部にいる人は速やかに高い場所へ避難してください。1メートルの津波でも、巻き込まれると水の力で身動きが取れなくなります。

津波注意報は、予想される津波の高さが0.2メートル以上1メートル以下の場合に発表されます。海水浴や磯釣り、港での作業中の人は直ちに海岸から離れてください。

発令基準(予想津波高さと発令区分の関係)
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発表される津波の高さの区分は、以下の通りです(2013年3月7日改正後の5段階)。

予想される津波の高さ発表される警報・注意報取るべき行動
10メートル超大津波警報直ちに高台へ全力避難
10メートル大津波警報直ちに高台へ全力避難
5メートル大津波警報直ちに高台へ全力避難
3メートル(1m超〜3m以下)津波警報沿岸部から離れ高い場所へ
1メートル(0.2m以上〜1m以下)津波注意報海岸・河口から離れる

表の「予想される津波の高さ」は気象庁が発表する数値(区間の代表値)です。大津波警報は予想高さが3mを超える場合、津波警報は1mを超え3m以下の場合、津波注意報は0.2m以上1m以下の場合に発令されます。

マグニチュード8を超えるような巨大地震が発生した直後は、正確な地震の規模を即時に算出できません。そのため第1報では予想津波の高さを数値ではなく「巨大」(大津波警報)または「高い」(津波警報)という定性的な表現で発表します。その後、地震発生から約15分で精度の高い地震規模が把握できた段階で5段階の数値表現に切り替えられます。「巨大」と表示されたら、迷わず最大限の避難行動を取ってください。

気象庁の津波情報発表の仕組み
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地震が発生すると、気象庁は約3分以内に津波の有無を判定し、津波警報・注意報を発表します。

判定の流れは以下の通りです。

  1. 地震の震源とマグニチュードを解析
  2. 過去の津波シミュレーションデータと照合
  3. 沿岸への津波到達予想時刻と高さを算出
  4. 津波予報区ごとに警報・注意報を発表

津波予報区は日本の沿岸を66区域に分けたもので、「三陸沖」「東京湾内湾」「紀伊半島」などの区域ごとに発表されます。

なお、大津波警報は2013年改正後に特別警報として位置づけられており、2024年1月1日の能登半島地震(令和6年)では石川県能登に大津波警報が発令されました。これは2011年東日本大震災以来、特別警報制度発足後初の大津波警報発令事例です。

津波警報が発令されたら即座にやること
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大津波警報:迷わず高台へ(走って逃げる)
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大津波警報が発表されたら、荷物をまとめる時間はありません。今いる場所から最も近い高台、または津波避難ビルに向かって全力で移動してください。

「家族を迎えに行く」「貴重品を取りに戻る」——この行動で命を落とした方が東日本大震災で数多くいました。家族はそれぞれの場所で自分の命を守る。これを事前に約束しておくことが、家族全員が生き残る最善策です。

避難の方向は「海から離れる方向」かつ「高い場所」です。海岸沿いに横に逃げるのではなく、内陸側に向かって逃げてください。

津波警報:素早く高いところへ(車は基本NG)
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津波警報が出た場合も、沿岸部にいるなら速やかに高い場所へ避難します。

車での避難は原則として避けてください。避難する人が一斉に車を使うと渋滞が発生し、津波に巻き込まれるリスクが高まります。東日本大震災では、渋滞に巻き込まれた車ごと津波にさらわれたケースが多数報告されています。

ただし、高台まで遠い場合や、足が不自由で徒歩避難が困難な場合は、車の利用も選択肢に入ります。地域の避難計画で車両避難のルールが定められている場合は、それに従ってください。

津波注意報:海岸・河口から離れる
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津波注意報が出たら、海岸や河口付近にいる人は直ちにその場を離れてください。海水浴をしている人は速やかに浜から上がり、釣りをしている人は防波堤や磯場から離れます。

津波注意報レベル(1メートル以下)でも、海の中にいる人は波に巻き込まれる危険があります。「注意報だから大丈夫」と軽視しないでください。

解除されるまで戻らない理由
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津波は1回で終わりません。第1波の後に第2波、第3波と繰り返し押し寄せ、第2波以降の方が大きくなることもあります。

東日本大震災では、第1波が引いた後に海岸に戻って被害に遭った人がいました。津波警報・注意報が正式に解除されるまで、絶対に海岸や低い場所には戻らないでください。

解除の判断は気象庁が行います。テレビ・ラジオ・防災アプリで解除情報を確認してから行動してください。

津波から逃げる方法【避難行動の具体的な手順】
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徒歩で高台を目指す際の注意点
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津波避難の基本は徒歩です。最寄りの高台や津波避難場所を目指して、できるだけ速く移動してください。

避難の際の注意点:

  • 持ち出す荷物は最小限に(リュック1つが限界)
  • 靴を履く(裸足やサンダルでは走れない)
  • 高いところへ向かう(3階以上、または海抜10メートル以上)
  • 川に沿って逃げない(津波は河川を遡上する)

津波避難ビル・避難タワーの使い方
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高台が近くにない平坦な地域では、自治体が指定する「津波避難ビル」や「津波避難タワー」が避難場所になります。

津波避難ビルは、鉄筋コンクリート造で3階以上の建物が指定されており、屋上や上層階に避難スペースがあります。ビルの入口には津波避難ビルの標識が掲示されています。

日頃から自宅・職場の近くにある津波避難ビル・タワーの場所を確認しておいてください。

車での避難が許容される状況と渋滞リスク
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車での避難が許容される状況は限定的です。

  • 高台まで2キロメートル以上離れている
  • 高齢者・障害者など徒歩避難が困難な同行者がいる
  • 地域の避難計画で車両避難が認められている

車を使う場合でも、渋滞が発生したらすぐに車を置いて徒歩に切り替える判断が必要です。車のキーは付けたまま、ドアは施錠せずに離れてください(救援車両の通行の妨げになるため)。

地域の津波リスクを事前に確認する方法
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ハザードマップで浸水エリアを確認する
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自治体の津波ハザードマップで、自宅・職場・学校がどの程度の津波浸水区域に入っているかを確認してください。

浸水深の目安:

  • 0.3メートル:大人でも歩行が困難になり始める
  • 1メートル:1階が完全に浸水、水圧でドアが開かなくなる
  • 2メートル以上:2階まで浸水、木造建物の倒壊リスク

自宅が浸水想定区域内にある場合は、津波避難計画を家族で必ず作成しておいてください。

避難場所・避難経路を家族で共有する
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津波避難は時間との勝負です。家族がバラバラの場所にいるときに地震が起きても、それぞれが最寄りの高台や津波避難ビルに向かえるよう、避難場所を複数共有しておきます。

「お父さんは職場近くの○○ビルへ」「お母さんは自宅近くの△△公園の高台へ」「子どもは学校の指示に従う」——こうした取り決めを、紙に書いて冷蔵庫に貼っておくだけで効果があります。

津波避難タワーの場所と収容人数を確認する
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津波避難タワーは、平坦な海岸沿いの地域に設置されている専用の避難施設です。自治体のホームページで設置場所、収容人数、開放条件を確認できます。

収容人数には限りがあるため、避難タワーだけに頼るのではなく、周辺の津波避難ビルも含めて複数の避難先を把握しておくことが大切です。

津波対策の備え|平時にやっておくこと
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避難リュックを玄関に置く
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津波避難では荷物を最小限にする必要があります。事前に避難用のリュックを用意し、玄関や寝室など、すぐに手の届く場所に置いておきましょう。

中身は最低限で十分です。飲料水500ミリリットル、モバイルバッテリー、常備薬、身分証のコピー、現金、笛(閉じ込められた際に居場所を知らせるため)。

家族との連絡手段・集合場所を決める
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災害時は電話がつながりにくくなります。家族との連絡手段として、以下の方法を事前に確認しておいてください。

  • 災害用伝言ダイヤル(171)
  • 災害用伝言板(web171)
  • LINEの安否確認機能
  • 家族で決めた「落ち着いたら集まる場所」

毎月1日と15日には、災害用伝言ダイヤル(171)の体験利用ができます。一度使ってみることで、いざというとき迷わず使えるようになります。

地域の津波避難訓練に参加する
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自治体が実施する津波避難訓練は、実際に避難経路を歩き、避難にかかる時間を体感できる貴重な機会です。

訓練に参加すると、「思ったより時間がかかる」「この道は狭くて危ない」「高齢者のペースに合わせると到着が遅れる」といった、地図の上では分からない課題が見えてきます。

年に1回でも訓練に参加しておくと、体が避難のルートを覚えてくれます。

まとめ|津波警報発令時の行動フローチャート
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津波警報が出たときの行動は、考える余裕がないほど短い時間で決める必要があります。だからこそ、事前に「この警報が出たらこう動く」を決めておくことが大切です。

  1. 強い揺れ、または長い揺れを感じたら → 津波の可能性を想定
  2. 津波警報・注意報を確認(テレビ・ラジオ・スマホ)
  3. 大津波警報 → 直ちに高台へ全力避難
  4. 津波警報 → 沿岸部から離れて高い場所へ
  5. 津波注意報 → 海岸・河口から離れる
  6. 解除されるまで低い場所に戻らない

沿岸部に住んでいる方は、今日のうちに津波ハザードマップを確認し、最寄りの避難場所を1つ把握してください。その1つの行動が、いざというとき数分の差を生みます。

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