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家庭でできる防災訓練のやり方|子どもと一緒にやるべき7つの訓練

更新 2026年4月10日

9月1日の防災の日、我が家では毎年「家族防災訓練」をやっています。

最初にやったのは2020年。コロナ禍で自宅にいる時間が長くなり、「この機会に家庭の防災力を上げよう」と思い立ったのがきっかけでした。当時小学2年生だった息子に「今から地震が来た設定ね」と言ったら、最初はきょとんとしていたけれど、非常食の試食タイムになったら目を輝かせていた。

あれから毎年続けていて、今では息子が率先して防災リュックの中身をチェックしてくれます。子どもは「体験」から学ぶ。教科書で読むだけの防災知識と、実際にやってみる防災訓練では、身につく度合いがまったく違います。

なぜ家庭で防災訓練をする必要があるか
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知識だけでは動けない(実践の重要性)
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アンケートで「地震が起きたらどうしますか?」と聞くと、多くの人が「机の下に隠れる」と答えます。でも、実際に緊急地震速報が鳴ったとき、とっさに机の下に入れる人はごく一部です。

内閣府の防災に関するアンケート調査では、家族や身近な人と「災害時の安否確認方法を話し合い、取り決めている」回答者は約3割にとどまっています。知識があっても、備えが行動に結びつかない。これが現実です。

防災訓練は「頭で知っていること」を「体が覚えていること」に変えるための作業です。

年に2回(防災の日・3.11)の訓練がおすすめ
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最低でも年に1回、できれば2回は家庭防災訓練をやってほしい。

おすすめのタイミング:

  • 9月1日(防災の日):関東大震災の教訓に合わせて
  • 3月11日(東日本大震災の日):記憶を風化させないために

どちらも防災への意識が自然と高まるタイミングなので、家族を巻き込みやすいです。「防災の日だから訓練しようか」と言えば、抵抗感も少ない。

家庭で今すぐできる7つの防災訓練
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1. 避難経路の確認ウォーキング
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自宅から最寄りの避難所まで、家族で実際に歩いてみる訓練です。

やること:

  • 自宅→避難所のルートを2つ以上歩いてみる
  • 所要時間を計る
  • 途中の危険箇所をチェック(ブロック塀、自動販売機、古い建物)
  • 子どもの歩くスピードを把握する

私の家族がやったとき、Googleマップでは徒歩8分の避難所に、子ども連れだと15分かかりました。この「体感」は机上では得られない重要な情報です。

2. 災害用伝言ダイヤル(171)の体験
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毎月1日と15日は災害用伝言ダイヤルの体験利用日です。家族で実際に録音・再生をやってみましょう。

手順:

  1. 171に電話 → 1 → 自宅の電話番号 → メッセージを録音
  2. 家族の誰かが171に電話 → 2 → 自宅の電話番号 → メッセージを再生

子どもにもやらせてみてください。「171にかけて、1を押して…」という手順を体で覚えておくと、いざというとき迷いません。

3. 非常食の試食会
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備蓄している非常食を実際に食べてみる訓練です。これは子どもに一番人気の訓練。

やること:

  • 賞味期限が近い非常食を開封して食べる
  • アルファ米にお湯を入れて作ってみる
  • 缶詰やレトルトを食べ比べ
  • 子どもが食べられるか確認(味の好み・アレルギー)

「備蓄していたアルファ米を初めて食べたら、子どもが全然食べなかった」という話はよくあります。普段食べ慣れていないものは、ストレス下ではなおさら食べにくい。事前に味を確認し、子どもが食べてくれるものを選んでおくのが大事です。

試食後に食べた分を買い足せば、ローリングストック(日常備蓄)にもなります。

4. 消火器の使い方練習
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自宅に消火器がある場合、使い方を確認しておきましょう。

手順(ピン・ホース・レバー):

  1. 安全ピンを抜く
  2. ホースを火元に向ける
  3. レバーを握って噴射

実際に噴射するのは難しいので、動作だけでも確認。地域の防災訓練では実際に水消火器で訓練できる機会もあります。詳しくは消火器の使用期限と交換方法も参考にしてください。

5. 家具転倒防止の点検
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家の中を回って、家具の転倒防止対策の状態をチェックします。

チェック項目:

  • 突っ張り棒はしっかり固定されているか
  • L字金具にゆるみはないか
  • テレビの転倒防止ベルトは付いているか
  • 食器棚の扉ロックは機能するか
  • 寝室に倒れそうなものがないか

年に1回のチェックで、緩みや劣化を早期に発見できます。

6. 停電シミュレーション(ブレーカーOFF体験)
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夜にブレーカーを落として、30分〜1時間の停電を体験する訓練です。

やること:

  • ブレーカーを落として家中を暗くする
  • 懐中電灯やランタンの使い勝手を確認
  • 懐中電灯がすぐ取り出せる場所にあるか検証
  • トイレの使い方(水洗トイレは停電で流れない場合がある)を確認
  • 暗闇で家の中を移動してみる

これは子どもにとって「冒険」になる。暗い家の中を懐中電灯で歩き回るのは、怖いけれど楽しい。ゲーム感覚で「暗闇で宝探し」をやると、楽しみながら懐中電灯の操作に慣れることができます。

我が家でやったとき、いざブレーカーを落としたら懐中電灯がどこにあるかわからなくてパニックになりました。それ以来、寝室・リビング・玄関の3か所に懐中電灯を常備しています。こういう「失敗」が一番の学びになります。

7. 防災バッグを背負って歩いてみる
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非常持ち出し袋を実際に背負って歩いてみる訓練です。

確認すること:

  • 重さは無理なく持てるか(女性は5kg以下、男性は10kg以下が目安)
  • 背負って歩ける距離か
  • 子どもが自分のリュックを背負えるか
  • 雨具を着た状態でも背負えるか

「詰め込みすぎて重くて歩けない」というのは本当によくある。訓練で実感して、中身を厳選するきっかけにしてください。

子どもの年齢別 訓練のコツ
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未就学児(遊びの延長で体験させる)
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  • 「地震ごっこ」で机の下に隠れる練習
  • 懐中電灯で遊ぶ(暗闇への恐怖を軽減)
  • 非常食の試食を「ピクニック」として楽しむ
  • 防災絵本の読み聞かせ

この年齢では「怖がらせない」ことが最優先。あくまで楽しい体験の中に防災の要素を入れていく。

小学生(役割を与えて主体的に参加)
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  • 「備蓄品チェック係」など役割を決める
  • 避難経路マップを一緒に作る
  • 171の操作を一人でやってみる
  • 防災クイズ大会を開く

小学生は「自分の役割」があると張り切ります。「あなたが懐中電灯係ね」と言うだけで、自分で電池の残量を確認するようになったりする。

中高生(家族の中での責任を意識させる)
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  • 応急処置の練習(止血、心肺蘇生の手順)
  • 一人で171を使って安否を報告する練習
  • 弟妹や祖父母を助ける役割を想定した訓練
  • マイ・タイムラインの作成に参加

中高生は「大人として頼りにしている」という姿勢で巻き込むと、真剣に取り組んでくれます。災害時に親がそばにいるとは限らない。自分で判断して行動できる力を育てることが大切です。

防災訓練チェックリスト【印刷用】
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以下のチェックリストを印刷して、訓練の際に使ってください。

  • 避難経路を2ルート以上歩いた
  • 災害用伝言ダイヤル171を家族全員で体験した
  • 非常食を試食して、味を確認した
  • 消火器の操作手順を確認した
  • 家具転倒防止の点検を行った
  • 停電シミュレーションを実施した
  • 防災バッグを背負って歩いてみた
  • 家族の連絡ルールを全員で確認した
  • 集合場所を全員で確認した
  • 備蓄品の賞味期限をチェックした

全部を一度にやる必要はありません。1回の訓練で2〜3項目ずつ、年に数回に分けてやるのでも十分です。

よくある質問(FAQ)
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Q. 家族が防災訓練に乗り気でない場合は? A. 「訓練」と言わずに「非常食の試食会」「ピクニック」として始めるのが効果的。食べることはみんな好きなので、非常食の試食から入ると抵抗感が減ります。

Q. マンション住まいでもできる? A. もちろんできます。エレベーターが停止した想定で階段を使って避難所まで歩いてみる、共用部の消火器の位置を確認するなど、マンション特有の訓練もあります。

Q. 地域の防災訓練と家庭の訓練、どちらが大事? A. 両方大事ですが、家庭の訓練の方が実践的です。地域の訓練は年に1回で規模が大きく、一人ひとりの行動を細かく確認する余裕がありません。家庭なら自分たちのペースで、自分たちに合った訓練ができます。

Q. おすすめの防災ゲームはある? A. カードゲーム「クロスロード」やNHKの「防災減災ゲーム」がおすすめ。遊びながら防災の判断力を鍛えられます。家庭防災訓練のメニューに入れると、楽しみながら学べます。

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