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応急処置の種類と対応マトリックス|災害時・家庭で使える救命技術まとめ

AEDの設置場所の調べ方|近くのAEDを見つける方法と使い方を解説

更新 2026年4月10日

※本記事は防災士が執筆していますが、実際の救命処置は最新の講習を受けてください。

3年前、私は駅の改札を出たところで、倒れている男性を目撃しました。

周囲に人だかりができていたけれど、誰もAEDを取りに行こうとしない。駅員さんがAEDを持って走ってきたのは、倒れてから4分以上経った後でした。幸い、その方は回復しましたが、あのときAEDがどこにあるか知っていた人がもっといれば、もっと早く処置ができたはずです。

AEDは「存在は知っているけど、使い方も場所もわからない」という人が圧倒的に多い。でも、操作自体は音声ガイドが全部教えてくれます。必要なのは「どこにあるか」を知っていることと「使っていい」と知っていること、この2つだけです。

AEDとは?なぜ一般市民が使う必要があるか
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AED(自動体外式除細動器)は、心臓が正常に動けなくなった状態(心室細動)に対して、電気ショックを与えて正常なリズムに戻す医療機器です。

「医療機器」と聞くと、医療従事者しか使えないと思いがちですが、AEDは一般市民が使うことを前提に設計されています。電源を入れれば音声ガイドが流れるので、指示に従うだけで操作できます。

心停止から除細動までの時間と生存率
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心臓が止まると、1分経過するごとに救命率は約7〜10%ずつ低下します。これは総務省消防庁の「救急蘇生法の指針」に記載されているデータです。

つまり、こういうことです。

  • 3分以内に除細動 → 生存率約70%
  • 5分以内に除細動 → 生存率約50%
  • 10分以上経過 → 生存率は急激に低下

日本の救急車の現場到着所要時間の全国平均は約9.4分(令和4年版 消防白書/令和3年中の実績)で、年々延伸傾向にあります。救急車を待っていては間に合わない可能性が高い。だからこそ、その場にいる一般市民がAEDを使う必要があるんです。

一般市民がAEDを使っても法的に問題ないか
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「素人が使って、もし失敗したら訴えられるのでは?」という不安をよく聞きます。

結論から言うと、法的リスクはほぼありません。

厚生労働省は2004年に「非医療従事者によるAED使用」を認める通知を出しています。また、民法698条の「緊急事務管理」の規定により、緊急時に善意で行った救命行為については、重大な過失がない限り責任を問われることはありません。

実際に、一般市民がAEDを使用して訴訟に至ったケースは、日本では報告されていません。「使わない」ことの方が、よほどリスクが大きいということです。

近くのAED設置場所を調べる方法
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AEDは思った以上にあちこちにあります。問題は、普段から場所を意識していないこと。通勤路や自宅周辺のAED設置場所を事前に把握しておくだけで、いざというとき数分の差が生まれます。

財団全国AEDマップの使い方
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最も網羅的なのが、一般財団法人 日本救急医療財団が運営する「財団全国AEDマップ」(qqzaidanmap.jp)です。厚生労働省の通知に基づき設置者が登録する、全国唯一の登録型AEDマップとされています。

使い方:

  1. 「財団全国AEDマップ」で検索し、サイトにアクセス
  2. 現在地または住所で検索
  3. 地図上にAED設置場所がピンで表示される

施設名、利用可能時間、設置階数まで確認できます。ただし、登録は設置者の任意のため、全てのAEDが登録されているわけではない点は注意が必要です。なお、2023年12月末時点で日本国内のAED設置台数は約69万台と推定されています(厚労科研費報告書)。

コンビニ・駅・公共施設のAED設置状況
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AEDが設置されている可能性が高い施設を覚えておくと、緊急時に役立ちます。

ほぼ確実に設置されている場所:

  • 駅(JR・私鉄の主要駅)
  • 空港・大型商業施設
  • 市役所・区役所などの公共施設
  • 学校(小中高・大学)
  • スポーツ施設・体育館
  • 大規模オフィスビル

設置が増えている場所:

  • コンビニエンスストア(自治体によっては全店設置)
  • ガソリンスタンド
  • 交番・消防署

特にコンビニのAED設置は自治体ごとに異なります。横浜市、さいたま市、神戸市など、コンビニへのAED設置を推進している自治体では、24時間利用可能なAEDがコンビニに置かれています。

スマートフォンアプリでの検索
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緊急時に素早くAEDを探すなら、スマホアプリが便利です。

  • 日本全国AEDマップ(公式アプリ):GPS連動で近くのAEDを検索
  • AED N@VI:ナビゲーション機能付きでAED設置場所まで案内
  • Yahoo!防災速報:防災情報に加えて近くのAEDも検索可能

私は普段から「AED N@VI」を入れています。たまに起動して、今いる場所から一番近いAEDがどこにあるか確認する癖をつけています。実際に使ったのは冒頭の一度きりですが、いざというときに「あの角を曲がったところにある」と分かっているのは大きい。

AEDの使い方【手順を図解】
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AEDの操作は本当にシンプルです。基本は3ステップ。機種によって多少の違いはありますが、大きな流れは同じです。

ステップ1:電源を入れる
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AEDのケースを開けると自動で電源が入るタイプと、電源ボタンを押すタイプがあります。

ケースを開けたら、まず音声ガイドが流れ始めます。その指示に従えば大丈夫です。パニックになりそうでも、音声が一つずつ手順を教えてくれるので、とにかく聞いてください。

ステップ2:パッドを貼る
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電極パッドを2枚取り出し、パッドに描かれている絵の通りに貼ります。

貼る位置(JRC蘇生ガイドライン2020準拠):

  • 右前胸部(右鎖骨の下、胸骨の右側)
  • 左側胸部(左脇の下5〜8cm、乳頭の斜め下)

パッドに図が描かれているので、その通りに貼れば問題ありません。衣服は脱がせるか、切って肌に直接貼ってください。パッドと肌の間に空気が入らないよう、しっかり密着させます。

ステップ3:音声ガイドに従って電気ショック
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パッドを貼ると、AEDが自動で心電図を解析します。

  • 「ショックが必要です」 → 点滅するボタンを押す。このとき傷病者に誰も触れていないことを確認
  • 「ショックは不要です」 → 胸骨圧迫(心肺蘇生)を続ける

AEDが「ショック不要」と判断した場合は、心室細動ではないということ。この場合は胸骨圧迫を継続し、救急隊の到着を待ちます。

重要なのは、AEDは「必要ない人に電気ショックを与えることはない」ということ。機械が自動判断してくれるので、「使って大丈夫かな」と迷う必要はありません。

小児・乳児への使い方
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子どもへのAED使用は、少し注意が必要です。なお、JRC蘇生ガイドライン2020により、パッドの呼称が「小児用→未就学児用」「成人用→小学生〜大人用」に変更されています(表記は機種によって混在)。

未就学児用パッド(小児用モード)がある場合:

  • 未就学児(小学校入学前、およそ6歳未満)には未就学児用パッドを使用
  • 未就学児用パッドがない場合は小学生〜大人用(成人用)パッドで代用可

小学生以上:

  • 小学生〜大人用(成人用)パッドを使用。小学生に未就学児用パッドを使うとエネルギー不足で救命できない可能性があるため注意

乳児(1歳未満)や体の小さい子ども:

  • 2枚のパッドが重なってしまう場合は、胸と背中に1枚ずつ貼る

「子ども用がないから使えない」ということはありません。未就学児にも、成人用パッドしかなければ使うべきです。

AEDを使う際の注意点
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濡れている場合・金属アクセサリー
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体が濡れている場合: 胸をタオル等で拭いてからパッドを貼ります。パッドと肌の間に水分があると、電気ショックの効果が落ちたり、やけどの原因になります。プールサイドや雨天時は特に注意。ただし、拭く作業に時間をかけすぎないでください。

金属アクセサリー・下着のワイヤー: パッドを貼る位置にネックレスなどの金属がある場合は外します。ブラジャーのワイヤーがパッドの位置に重なる場合も、ずらすか切断します。

ペースメーカー装着者への対応
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胸に硬いこぶのような膨らみがある場合、ペースメーカーが埋め込まれている可能性があります。

この場合、ペースメーカーの上にパッドを貼らないようにしてください。膨らみから8cm以上離してパッドを貼ります。ペースメーカーがあっても、AEDの使用自体は問題ありません。

よくある質問(FAQ)
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Q. AEDは一度使ったら終わり? A. いいえ。AEDが「ショック不要です。胸骨圧迫を続けてください」と言うまで、2分おきに自動で心電図の再解析が行われます。救急隊が到着するまでAEDの電源は切らず、パッドも貼ったままにしてください。

Q. AEDの電気ショックは痛い? A. 心停止の状態では意識がないため、痛みは感じません。電気ショックのボタンを押す際は、周囲の人が傷病者に触れないことが大事です。

Q. AEDの講習はどこで受けられる? A. 消防署の「普通救命講習」で、AEDの使い方と心肺蘇生法を無料で学べます。所要時間は約3時間。各自治体の消防署に問い合わせれば、日程を教えてもらえます。私が防災士の資格を取る際にも、この講習を受けました。実際に人形を使って練習すると、一気に自信がつきます。

Q. 自宅にAEDは置いた方がいい? A. 心臓に持病がある家族がいる場合は検討の価値があります。家庭用AEDは20〜30万円程度で、月額レンタルなら5,000円前後から利用可能です。ただし、多くの場合は近隣のAED設置場所を把握しておくことで対応できます。


※本記事の内容は日本赤十字社「救急法講習教本」および総務省消防庁「救急蘇生法の指針」に基づいています。AEDの使い方は定期的に改訂されるため、最新の講習を受講することをおすすめします。

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