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防災知識

避難場所と避難所の違いをわかりやすく解説|正しい避難先の選び方

更新 2026年4月10日

避難場所と避難所。この2つ、同じものだと思っていませんか?

実は全く別のものです。この違いを知らないと、災害時に間違った場所に逃げてしまう可能性があります。地震なのに洪水用の避難場所に行く、津波が来るのに低地の避難所にとどまる——命に関わる判断ミスにつながりかねません。

複数の調査によると、避難場所と避難所の違いを正しく理解・説明できる人は2割程度にとどまっています。8割近くの人が違いを知らないのです。

災害備蓄管理士として、ここは絶対に理解しておいてほしいポイントです。

避難場所と避難所は全く違うもの
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指定緊急避難場所とは(命を守るための場所)
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指定緊急避難場所は、災害の危険から命を守るために緊急的に逃げる場所です。

2013年の災害対策基本法改正で制度化されました。具体的には以下のような場所が指定されています。

  • 公園、広場、グラウンド
  • 高台
  • 堅牢な建物の上層階

ポイントは「一時的に身を守る場所」であること。長期間滞在することは想定されていません。地震で建物が崩れそうなとき、洪水が迫っているとき——まずこの場所に逃げて、身の安全を確保します。

指定避難所とは(一定期間生活する場所)
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指定避難所は、自宅が被災して住めなくなった人が一定期間生活する場所です。

  • 学校の体育館
  • 公民館
  • コミュニティセンター

避難所には寝泊まりができる設備があり、食料や飲料水の配給が行われます。数日から数週間、長い場合は数ヶ月滞在することもあります。

この2つは別の場所であることが多いのがポイントです。

たとえば、近くの公園が「指定緊急避難場所」で、少し離れた小学校が「指定避難所」。地震が起きたらまず公園に逃げて安全を確認し、その後、自宅に住めないと判断したら小学校の避難所へ移動する——という流れです。

中には避難場所と避難所を兼ねている施設もありますが、そうでない場合も多い。自宅周辺の避難場所と避難所がそれぞれどこにあるか、別々に把握しておく必要があります。

災害の種類ごとに避難場所が違う
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ここが最も重要なポイントです。指定緊急避難場所は、災害の種類ごとに指定されています。

同じ公園でも「地震のときは避難場所として使えるが、洪水のときは使えない」ということがあるのです。

洪水時の避難場所
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洪水時の避難場所は、浸水想定区域の外にある場所、または浸水しない高さのある建物が指定されます。

河川沿いの公園は、地震時の避難場所には指定されていても、洪水時の避難場所には指定されていないことがよくあります。大雨のときに「いつもの避難場所」に逃げたら、そこが浸水してしまった——という悲劇を防ぐために、洪水用の避難場所を別途確認してください。

地震時の避難場所
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地震時の避難場所は、建物倒壊や火災の危険がない広い場所が指定されます。

公園、グラウンド、広場など、倒壊物が少なく延焼の可能性が低い開けた場所が中心です。ブロック塀の近くや古い建物の脇は危険なので、避難場所までのルートにも注意が必要です。

土砂災害時の避難場所
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土砂災害時の避難場所は、土砂災害警戒区域の外にある場所が指定されます。

山や崖の近くの施設は、たとえ堅牢な建物であっても土砂災害時の避難場所にはなりません。自宅が土砂災害警戒区域内にある方は、早めに区域外の避難場所に移動することが重要です。

自分の避難先を確認する方法
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自治体のWebサイトで確認
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最も確実な方法は、お住まいの自治体のWebサイトで確認することです。

「○○市 指定緊急避難場所」「○○区 指定避難所」で検索すると、一覧表やマップが公開されています。多くの自治体は、災害の種類ごとに対応する避難場所を表示しています。

確認のポイント:

  • 自宅に最も近い指定緊急避難場所はどこか
  • 災害の種類(洪水・地震・土砂災害)ごとの避難場所は同じか違うか
  • 自宅に最も近い指定避難所はどこか
  • 避難場所から避難所への移動ルート

防災アプリで確認
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自治体の防災アプリや、Yahoo!防災速報、NHKニュース・防災アプリなどでも避難場所の情報が確認できます。

GPS機能を使って現在地から最寄りの避難場所を表示してくれるアプリもあります。外出先で被災した場合に便利です。

実際に歩いて確認する重要性
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地図やアプリで場所を把握したら、実際に歩いて確認してください。

これは私が防災講座で必ず伝えていることです。地図上では近く見えても、実際には急な坂道があったり、踏切で足止めされたり、夜間は街灯がなくて真っ暗だったり——歩いてみないとわからないことが山ほどあります。

特に夜間の避難を想定して、暗い時間帯に歩いてみることをおすすめします。災害は明るい時間に起きるとは限りません。

避難のタイミングと判断基準
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警戒レベルと避難行動の対応表
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2021年の災害対策基本法改正で、避難情報が整理されました。

警戒レベル避難情報とるべき行動
5緊急安全確保命を守る最善の行動(既に災害発生)
4避難指示全員避難(危険な場所から)
3高齢者等避難高齢者・障害者等は避難開始
2大雨注意報等避難行動を確認
1早期注意情報心構えを高める

重要なのは、レベル5を待ってはいけないということ。レベル5は「既に災害が発生している」段階で、この時点で避難しても手遅れの可能性があります。レベル4の「避難指示」が出たら全員避難。レベル3で高齢者や子どものいる家庭は避難を開始してください。

「垂直避難」という選択肢
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水害時、避難所に移動する時間がない場合や、外に出ること自体が危険な場合は、垂直避難(建物の上の階に逃げる)が有効です。

マンションの高層階に住んでいる方は、無理に外に出て避難所に向かうより、自宅の上階にとどまる方が安全な場合があります。ハザードマップで想定浸水深を確認し、自宅の階数で水没しないなら垂直避難も選択肢に入れてください。

ただし、土砂災害の場合は垂直避難では不十分です。建物ごと押し流される可能性があるため、必ず区域外に避難してください。

まとめ|避難先確認チェックリスト
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3点だけ押さえておけば十分です。

  • 指定緊急避難場所 = 災害から命を守るために一時的に逃げる場所
  • 指定避難所 = 自宅が住めない場合に生活する場所
  • 避難場所は災害の種類ごとに違う

今すぐやるべきこと:

  • 自宅最寄りの指定緊急避難場所を確認(地震用・洪水用・土砂災害用)
  • 自宅最寄りの指定避難所を確認
  • 避難場所と避難所が別の場所かどうか確認
  • 避難場所までのルートを実際に歩いてみる
  • 夜間に歩いた場合の安全性も確認
  • 家族全員で避難場所・避難所の場所を共有

自治体のWebサイトを開いて確認するだけなら5分で終わります。その5分が、いざという時にあなたと家族の命を守る判断の土台になります。

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