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水害・洪水対策

大雨の対策と備え|急な豪雨から身を守るためにやるべきこと

更新 2026年4月10日

大雨は「予測できるのに被害が出る」災害です。梅雨や台風シーズン前に対策を完了させてください。

2022年8月、新潟県北部で線状降水帯による記録的な大雨が発生。関川村下関では1時間降水量149mmと県内観測史上最大値を記録し、3時間雨量・24時間雨量ともに統計開始以降の歴代1位となりました(気象庁「令和4年8月3日からの大雨に関する新潟県気象速報」)。村上市・関川村では床上浸水889棟、床下浸水1,506棟の被害が出ています(新潟県被害状況資料)。

筆者は防災士として、大雨による被害が「事前の備えと早めの避難」でどれだけ軽減できるかを繰り返し見てきました。特に近年は、線状降水帯やゲリラ豪雨の頻度が増しており、どこに住んでいても大雨の被害に遭う可能性がある。「自分の地域は大丈夫」という思い込みが一番危険です。

大雨で起きる災害の種類
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浸水(河川氾濫・内水氾濫)
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大雨による浸水は2つのパターンがあります。

河川氾濫(外水氾濫): 河川の水位が上昇し、堤防を越えたり決壊したりして水があふれる。上流の雨量が原因で、自分の地域では雨が弱くても起きることがある。

内水氾濫: 都市部の下水道や排水路の処理能力を超える雨が降り、排水できない水が地面にあふれる。河川から離れた市街地でも発生し、マンホールから水が噴き出す映像を見たことがある方もいるはず。

東京都の「豪雨対策基本方針」では、区部で時間最大75mm、多摩部で時間最大65mmの降雨に対応できるよう下水道や調節池の整備を進めています。逆に言えば、これを超える雨では排水能力を上回り内水氾濫が起きやすくなるということ。ゲリラ豪雨では時間雨量100mmを超えることもあり、都市部でも油断できません。東京都内の水害の約8割が内水氾濫によるものとされています。

土砂災害(がけ崩れ・土石流)
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大雨は土砂災害のトリガーでもあります。雨水が地中に染み込むことで地盤が不安定になり、がけ崩れや土石流が発生。

土砂災害は浸水より死亡率が高い。スピードが速く、逃げる時間がほとんどないためです。土砂災害警戒区域にお住まいの方は、雨が強まる前の早期避難が鉄則。

道路冠水・アンダーパス水没
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大雨時に道路が冠水すると、車の走行が危険になります。特にアンダーパス(道路が鉄道や他の道路の下をくぐる低い部分)は、短時間で水深2m以上に達することがある。

毎年、アンダーパスに進入して車が水没する事故が報告されています。冠水した道路には絶対に車で進入しないでください。

大雨に備えて事前にやるべきこと
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ハザードマップで自宅のリスク確認
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大雨対策の第一歩はリスクの把握。ハザードマップポータルサイトで以下を確認します。

  • 洪水浸水想定区域
  • 内水氾濫浸水想定区域(公表されている自治体のみ)
  • 土砂災害警戒区域

3つすべてを確認することが重要。「洪水は大丈夫だけど内水氾濫のリスクがある」「河川からは遠いけど土砂災害警戒区域内」というケースは珍しくありません。

排水溝・雨どいの清掃
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自宅周りの排水設備が詰まっていると、少ない雨量でも浸水するリスクが高まります。

梅雨入り前(5〜6月)にチェック:

  • 庭や駐車場の側溝に落ち葉が溜まっていないか
  • 雨どいにゴミが詰まっていないか
  • ベランダの排水口が清掃されているか
  • 家の周りの排水ますのフタを開けて中を確認

10分程度の作業で完了します。これだけで浸水リスクが大幅に下がる。

備蓄品のチェック
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大雨による災害では、停電・断水が発生することがあります。最低3日分の備蓄を確認。

  • 飲料水(1人1日3L × 3日 = 9L)
  • 食料(調理不要なもの中心に9食分)
  • 非常用トイレ(1人あたり1日5回×3日=15回分が目安、経産省推奨は7日分35回)
  • 懐中電灯、モバイルバッテリー、携帯ラジオ
  • カセットコンロ + ボンベ

避難場所・避難ルートの確認
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自治体指定の避難場所を確認し、自宅からの避難ルートを2つ以上把握しておきます。

避難ルートの確認ポイント:

  • 河川沿い、アンダーパス、がけの近くを通らないルートを選ぶ
  • 冠水しやすい低地を避ける
  • 夜間でも安全に移動できるルートか
  • 実際に歩いて、危険箇所を把握する

大雨警報・特別警報が出たときの行動
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警戒レベルごとの行動指針
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レベル情報行動
1早期注意情報最新情報に注意する
2大雨注意報避難行動を確認する
3高齢者等避難高齢者・障害者・乳幼児連れは避難開始
4避難指示危険な場所にいる全員が避難
5緊急安全確保命を守る最善の行動(手遅れ寸前)

レベル4で避難。これだけ覚えてください。レベル5はすでに災害が発生している状態で、この段階で安全に避難できる保証はありません。

避難のタイミングと判断基準
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「避難指示が出てから避難」では遅い場合があります。以下の状況では、自主的に早めの避難を判断してください。

  • ハザードマップで浸水想定区域内に住んでいる
  • 土砂災害警戒区域に住んでいる
  • 高齢者や小さな子どもがいる
  • 夜間に雨がピークを迎える予報
  • 「線状降水帯の発生予測」が出ている

暗くなってからの避難は危険度が跳ね上がります。日中のうちに避難を完了するのが理想。

外出中に大雨に遭った場合
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  • 車を運転中: 冠水した道路に進入しない。アンダーパスを避ける。安全な場所に車を停めて様子を見る
  • 徒歩: 地下街や地下鉄から速やかに地上へ出る。建物の2階以上に避難する
  • 電車内: 運転見合わせになったら駅に留まる。無理に移動しない

大雨の情報収集に使えるツール
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キキクル(危険度分布)
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気象庁が提供する「キキクル」は、土砂災害・浸水害・洪水の危険度をリアルタイムで地図上に色分け表示するシステムです。

使い方: 気象庁のサイトで「キキクル」と検索。自分の地域の色を確認。黄→赤→紫→黒の順に危険度が上がります。紫になったら避難を検討。

10分ごとに更新されるので、大雨の最中にリアルタイムで状況を把握できる強力なツール。ブックマークしておくことを強くおすすめします。

川の防災情報
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国土交通省「川の防災情報」では、全国の河川の水位情報をリアルタイムで確認できます。

自宅近くの河川の水位が「氾濫注意水位」を超えたら要注意、「避難判断水位」を超えたら避難準備、「氾濫危険水位」を超えたらすぐに避難。

河川カメラの映像も確認でき、実際の水位を目で見ることができます。

防災アプリの活用
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Yahoo!防災速報: 気象警報、河川の水位上昇、土砂災害警戒情報のプッシュ通知。地域を登録しておくと、自分に関係のある情報だけが届く。

NHKニュース・防災: 信頼性の高いNHKの防災情報。ライブ配信で最新状況を映像で確認可能。

この2つは大雨シーズン前に必ずインストールして、通知をONにしておいてください。

よくある質問(FAQ)
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Q. ゲリラ豪雨と大雨の違いは? A. ゲリラ豪雨は正式な気象用語ではなく、局地的に突然降る激しい雨の俗称。大雨注意報や警報の対象になる広域の雨とは異なり、予測が非常に困難で、急に降り始めて短時間で止むのが特徴です。

Q. 地下にいるときに大雨が来たら? A. 地下街や地下鉄は浸水リスクがあります。浸水が始まると水圧でドアが開かなくなることも。大雨の情報を得たら速やかに地上の高い場所に移動してください。

Q. 大雨でも仕事に行くべき? A. 避難指示が出ている場合は無理な出勤は避けてください。公共交通機関の計画運休情報も確認し、安全に通勤できない場合は自宅待機の判断を。命より大切な仕事はありません。

Q. 賃貸マンションの1階に住んでいるが、大雨対策は? A. ハザードマップで浸水リスクを確認し、リスクがある場合は早めの避難が最善。室内の対策としては、貴重品は高い位置に保管、浸水時に備えて重要書類はジップロックに入れて防水対策をしておくことです。

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