メインコンテンツへスキップ
  1. TOP /
  2. 防災知識 /
  3. 自宅の地盤の調べ方
防災知識

自宅の地盤の調べ方|無料で地盤リスク・液状化危険度をチェックする方法

更新 2026年4月10日

同じ震度の地震でも、地盤の強さによって揺れ方がまったく違います。

2011年の東日本大震災では、東京湾岸の埋立地で大規模な液状化が発生し、千葉県浦安市では約8,700棟の住宅が被害を受けました。一方、同じ千葉県でも岩盤の上に建つ地域では、ほとんど被害がなかったケースもあります。

「自分の家の地盤は大丈夫なのか?」——この疑問に答えてくれるツールが、実はインターネット上に無料でいくつも公開されています。

なぜ自宅の地盤を調べるべきなのか
#

地盤の強さで地震の揺れ方が変わる
#

地震の揺れは、震源から伝わる地震波が地表に到達する際に、地盤の性質によって増幅されます。

固い地盤(岩盤・礫層など):

  • 地震波がそのまま伝わるため、揺れが小さい
  • 建物の被害が比較的少ない

軟弱な地盤(埋立地・旧河道・沖積層など):

  • 地震波が増幅され、揺れが大きくなる(最大で2〜3倍)
  • 同じ震度でも建物の被害が大きくなりやすい

同じ市内でも、丘陵地と低地では揺れの大きさに明確な差が出ます。自分の家がどのような地盤の上に建っているかを知ることは、防災の第一歩です。

液状化のリスクと被害事例
#

液状化とは、地震の揺れにより地下水を含んだ砂地盤が液体状になる現象です。

液状化が起きると:

  • 地面から水と砂が噴き出す(噴砂)
  • 建物が傾く・沈む(不同沈下)
  • 地中の下水管・水道管が浮き上がる
  • マンホールが飛び出す
  • 道路が波打つ

液状化が起きやすい条件:

  • 砂質の地盤(砂の粒径が揃っている)
  • 地下水位が浅い(地表から10m以内)
  • 埋立地・旧河道・旧池沼跡地
  • 締め固まっていない新しい堆積層

東日本大震災での浦安市の被害は記憶に新しいですが、2024年の能登半島地震でも各地で液状化が発生しています。

不同沈下のリスク
#

不同沈下とは、建物の一部だけが沈む現象です。建物が傾き、ドアや窓の開閉が困難になり、最悪の場合は居住不能になります。

不同沈下は液状化だけでなく、軟弱地盤の上に建物の荷重が不均一にかかることでも発生します。地盤調査をせずに建てられた古い住宅は、不同沈下のリスクが高い傾向にあります。

自宅の地盤を無料で調べる方法 5選
#

方法1:地盤サポートマップ(ジャパンホームシールド)
#

URL: https://supportmap.jp/

住宅地盤調査の最大手であるジャパンホームシールドが提供する無料サービスです。

調べられる情報:

  • 地盤の強さ(地耐力の目安)
  • 液状化リスク
  • 浸水リスク
  • 地震時の揺れやすさ
  • 土砂災害リスク

使い方:

  1. サイトにアクセスし、住所を入力
  2. 地図上にカラーコードで地盤の強さが表示される
  3. 「地盤調査データ」をクリックすると、周辺の実際の調査結果が閲覧できる

このサービスの最大の強みは、実際の地盤調査データが閲覧できる点です。周辺で行われた調査結果から、自分の敷地の地盤状況を推測できます。

方法2:地盤安心マップ(地盤ネット)
#

URL: https://jam.jibanmap.jp/

地盤ネット株式会社が運営する無料の地盤情報サービスです。

調べられる情報:

  • 地盤改良の必要性の判定(改良あり/なし)
  • 地盤の種類
  • 周辺の地盤調査実績

特徴: 地盤改良工事が「必要」と判定された地点と「不要」と判定された地点が地図上に色分けされるため、直感的に地盤の良し悪しが分かります。

方法3:J-SHIS 地震ハザードステーション
#

URL: https://www.j-shis.bosai.go.jp/

防災科学技術研究所が運営する、地震に特化したハザード情報サイトです。

調べられる情報:

  • 今後30年以内に震度6弱以上の揺れが起きる確率
  • 地表の地盤増幅率
  • 表層地盤のVs30(地盤の硬さの指標)
  • 活断層の位置

使い方:

  1. サイトにアクセスし、「地図で見る」を選択
  2. 住所を入力して地図を表示
  3. 「地盤」タブから表層地盤の情報を確認

地盤増幅率の数値が大きいほど、地震の揺れが増幅されやすい軟弱な地盤であることを意味します。自分の地域の値を周辺と比較することで、相対的な揺れやすさを把握できます。

方法4:国土地理院の土地条件図
#

URL: https://maps.gsi.go.jp/(地理院地図)

国土地理院が提供する「土地条件図」は、地形の成り立ちから地盤の性質を読み取れる地図です。

調べられる情報:

  • 地形分類(台地・段丘・低地・埋立地・旧河道など)
  • 人工的に改変された地形(盛土・切土)
  • 微地形区分

使い方:

  1. 地理院地図にアクセス
  2. 左上のメニューから「土地の情報」→「土地条件図」を選択
  3. 自宅の場所を拡大して、地形分類を確認

地形分類と地盤の関係:

地形分類地盤の傾向
山地・丘陵地比較的堅固
台地・段丘比較的堅固
扇状地やや堅固
自然堤防やや軟弱
後背湿地軟弱
旧河道非常に軟弱・液状化リスク高
埋立地非常に軟弱・液状化リスク高
盛土地地盤状況による(不同沈下リスクあり)

方法5:自治体の液状化ハザードマップ
#

多くの自治体が、液状化の危険度を色分けした「液状化予測図」や「液状化ハザードマップ」を公表しています。

確認方法:

  • 「○○市 液状化マップ」で検索
  • 市区町村の防災ページから液状化予測図を探す
  • 都道府県の地震防災マップに液状化情報が含まれている場合もある

液状化リスクは「液状化の可能性が高い」「液状化の可能性がある」「液状化の可能性が低い」の3段階で色分けされていることが多いです。

地盤の良し悪しを見分けるポイント
#

旧地名・古地図から読み解く
#

地名にはその土地の歴史が刻まれています。水に関連する地名は、かつて水辺だった可能性を示唆しています。

軟弱地盤を示唆する地名の例:

地名に含まれる文字意味
沼・池・潟かつて水辺だった沼袋、池尻、新潟
田・稲・蓮水田地帯だった田端、稲荷、蓮田
川・河・江河川・河口付近品川、河内、江東
浜・洲・島海辺・中洲横浜、天王洲、中島
谷・窪・久保低地・窪地渋谷、荻窪、大久保
橋・渡・津水の渡し場日本橋、渡辺、津田

ただし、地名だけで地盤を断定するのは危険です。あくまで参考情報の一つとして、他の調査結果と組み合わせて判断してください。

古地図(明治時代の地図など)を閲覧できる「今昔マップ on the web」(https://ktgis.net/kjmapw/)も有用です。現在は住宅地になっている場所が、かつて田んぼや湿地だったことが分かる場合があります。

標高と周辺の地形を確認
#

地盤の強さは標高と相関があります。一般的に、標高が高い場所(台地・丘陵)は地盤が堅固で、標高が低い場所(低地・河川沿い)は軟弱な傾向があります。

標高の確認方法:

  • 国土地理院の地理院地図で標高を確認(地図上の任意の点をクリックすると標高が表示される)
  • スマートフォンの標高計アプリを利用

周辺より明らかに低い場所は、水が集まりやすく、軟弱地盤の可能性があります。

盛土・切土の見分け方
#

宅地造成で山を切り崩した土地(切土)は比較的堅固ですが、谷を埋めて造成した土地(盛土)は地盤が弱い傾向があります。

2021年の熱海市伊豆山の土石流災害では、盛土の崩壊が被害を拡大させました。

盛土・切土の確認方法:

  • 国土地理院の「大規模盛土造成地マップ」で確認
  • 自治体が公表する「造成地マップ」を確認
  • 宅地の周辺に段差や擁壁がある場合は、盛土の可能性がある

地盤が弱い場合の対策
#

地盤改良工事の種類と費用
#

自宅の地盤が弱いことが分かった場合、地盤改良工事で対応できます。

工法概要費用目安適用地盤
表層改良地表の軟弱層をセメント系固化材で固める50〜100万円軟弱層が2m以内
柱状改良セメントミルクを注入してコンクリートの柱を作る100〜150万円軟弱層が2〜8m
鋼管杭鋼管の杭を堅固な地盤まで打ち込む150〜250万円軟弱層が8m以上

既存住宅の地盤改良は大掛かりな工事になりますが、新築やリフォーム時であれば比較的対応しやすいです。

液状化対策工法
#

液状化が懸念されるエリアでは、液状化対策も検討できます。

主な液状化対策:

  • 地下水位を下げる(ディープウェル工法)
  • 砂の密度を高める(サンドコンパクション工法)
  • 地盤を固める(薬液注入工法)

これらは主に大規模開発で用いられる工法で、個人住宅では現実的でない場合もあります。個人住宅の場合は、基礎の設計を工夫する(ベタ基礎・杭基礎)ことで液状化の影響を軽減する方法が一般的です。

地震保険の検討
#

地盤が弱い地域にお住まいの方は、地震保険への加入を強くおすすめします。

地震保険の基本:

  • 火災保険とセットで加入する
  • 建物と家財それぞれに加入可能
  • 保険金額は火災保険の30〜50%の範囲で設定
  • 液状化による被害も地震保険の対象

地震保険は、地域や建物の構造によって保険料が異なりますが、地盤が弱いエリアだからといって保険料が高くなるわけではありません。地震保険の保険料は都道府県と構造(木造/非木造)で一律に決まっています。

住宅購入・建築前の地盤調査
#

スクリューウエイト貫入試験(SWS試験)とは
#

住宅の新築前に行われる地盤調査として最も一般的なのが、スクリューウエイト貫入試験(SWS試験)です。以前はスウェーデン式サウンディング試験と呼ばれており、2020年のJIS改正により現在の名称に変更されました。

SWS試験の概要:

  • 鉄棒を地面に突き刺し、回転させながら沈み具合を測定する
  • 敷地内の4〜5か所で測定し、地盤のばらつきを確認する
  • 軟弱層の深さと地盤の強さが分かる
  • 所要時間:半日程度

調査費用の相場
#

調査方法費用相場精度
SWS試験5〜10万円戸建住宅には十分
ボーリング調査20〜30万円より詳細な地質情報が得られる
表面波探査8〜12万円非破壊で地盤の硬さを測定

住宅を新築する場合、地盤調査は実質的に必須です(建築基準法で地盤の確認が求められている)。中古住宅を購入する場合は、既存の地盤調査報告書の有無を不動産会社に確認してください。

よくある質問(FAQ)
#

Q. マンションの場合も地盤を調べる必要がありますか?

A. マンション(鉄筋コンクリート造)は通常、杭を堅固な地盤(支持層)まで打ち込んでいるため、建物自体の液状化リスクは低いです。ただし、周辺地盤の液状化によりライフライン(水道・ガス・下水道)が被害を受ける可能性はあります。マンションの管理組合を通じて、建物の基礎情報を確認するのがおすすめです。

Q. 地盤が弱い地域に住んでいますが、引っ越した方がいいですか?

A. 地盤が弱い=住めない、ではありません。適切な基礎工事が施されていれば、軟弱地盤の上でも安全に暮らせます。まずは自宅の基礎の種類(ベタ基礎・布基礎・杭基礎)を確認し、不安であれば専門家に相談してください。

Q. 地盤の調査結果は不動産の資産価値に影響しますか?

A. 液状化リスクの高いエリアは、災害報道の後に不動産価格が下落するケースがあります。ただし、地盤改良工事が施されている物件は資産価値が維持されやすい傾向にあります。住宅購入前の地盤調査は、資産価値を守るためにも重要です。

この記事もおすすめ