メインコンテンツへスキップ
  1. TOP /
  2. 災害対策 /
  3. その他の災害 /
  4. 富士山噴火はいつ起きる?影響範囲・降灰対策・備えを最新情報で解説
その他の災害

富士山噴火はいつ起きる?影響範囲・降灰対策・備えを最新情報で解説

更新 2026年4月18日

富士山の最後の噴火は1707年の宝永噴火。それから300年以上が経過しています。

「もう噴火しないのでは?」と思いたくなる気持ちは分かります。しかし、富士山は活火山です。地下にはマグマが存在しており、噴火の可能性はゼロではありません。

2021年に改定された富士山ハザードマップでは、従来の想定を大幅に上回る溶岩流量が示され、影響範囲が拡大しました。また、降灰は首都圏にも到達し、都市機能に深刻な影響を与えると試算されています。

富士山噴火の可能性と過去の噴火歴
#

最後の噴火(1707年 宝永噴火)から317年
#

富士山は過去に何度も噴火を繰り返してきた活火山です。

過去の主な噴火:

発生年噴火名噴火の特徴
約2,300年前御殿場泥流大規模な山体崩壊と泥流
800-802年延暦噴火割れ目噴火、溶岩流
864-866年貞観噴火大規模な溶岩流(青木ヶ原樹海のもととなった溶岩)
1707年宝永噴火大規模なプリニー式噴火、江戸に降灰

宝永噴火は富士山の噴火史で最も大規模な爆発的噴火でした。噴火は約16日間続き、噴出した火山灰は偏西風に乗って東へ流れ、約100km離れた江戸(現在の東京)にも降灰しました。当時の文書では江戸で2〜4寸(5〜10cm)の降灰記録があり、近年の東京都文京区内の地層調査では約2cmの降灰層が確認されています。

現在の火山活動状況
#

気象庁は富士山の火山活動を24時間体制で監視しています。

現在の監視状況:

  • 噴火警戒レベル:1(活火山であることに留意)
  • 地震計・傾斜計・GPS・監視カメラによる常時監視
  • 山体直下の低周波地震は散発的に観測される
  • 現時点で噴火の切迫した兆候は認められていない

「噴火警戒レベル1」は「安全」という意味ではなく、「活火山であることに留意」という意味です。過去の経験から、前兆なく突然噴火する可能性もゼロではありません。

噴火の前兆と予知の可能性
#

火山噴火の予知は、地震の予知に比べると可能性が高いとされています。

噴火の前に起こりうる前兆現象:

  • 火山性地震の増加
  • 火山性微動の発生
  • 地殻変動(山体の膨張)
  • 噴気の増加・温度上昇
  • 地下水の変化

ただし、前兆から噴火までの時間は数日〜数週間と短い場合があります。前兆が検知されたら速やかに行動できるよう、事前の準備が重要です。

富士山が噴火したらどうなる?【影響範囲】
#

溶岩流の影響範囲(富士山周辺〜神奈川県)
#

2021年3月に改定された富士山ハザードマップでは、想定噴出量が宝永噴火クラス(約7億立方メートル)から、貞観噴火クラス(約13億立方メートル)の約2倍に引き上げられ、溶岩流の想定火口も44カ所から252カ所に見直されました。

溶岩流の主な影響範囲:

  • 山梨県側:富士吉田市・鳴沢村・富士河口湖町など
  • 静岡県側:御殿場市・裾野市・富士宮市・富士市など
  • 神奈川県にも新たに7市町(相模原市・小田原市・南足柄市・大井町・松田町・山北町・開成町)で到達可能性
  • 相模原市では桂川・相模川沿いに流下し、最大で相模湖付近まで到達する想定

溶岩流の速度は地形によって異なりますが、平坦地では時速数km程度です。車で逃げれば間に合うスピードですが、渋滞に巻き込まれないよう早めの避難が必要です。

降灰の影響範囲(首都圏含む広範囲)
#

富士山噴火で最も広範囲に影響するのが「降灰(こうはい)」です。

宝永噴火クラスの噴火が発生した場合の降灰シミュレーション(内閣府・大規模噴火時の広域降灰対策検討ワーキンググループ、2020年4月報告)によると、偏西風に乗って東方向に火山灰が広がり、首都圏の広い範囲で降灰が想定されています。

降灰量の目安(宝永噴火ケース、風向きにより大きく変動):

地域2日後の降灰量(目安)
富士山周辺(山梨・静岡の近接地)30cm以上
神奈川県相模原市付近(約60km)約20cm
東京都新宿区付近(約100km)5cm以上(西南西風卓越時は10cm前後)
千葉県西部数mm〜1cm程度

実際の降灰範囲と降灰量は、噴火時の風向きによって大きく変動します。西風卓越ケースでは新宿区付近で4cm以下、西南西風卓越ケースでは10cm前後と試算されており、ケースごとに数倍の差があります。

数cmの降灰と聞くと「大したことない」と感じるかもしれません。しかし、都市機能への影響は想像を超えるものがあります。

降灰が都市に与える影響(交通・電力・水道)
#

交通への影響:

  • 降灰1cm以上で道路の視界が著しく低下し、車の走行が困難に
  • 鉄道は降灰数mm以上で運行停止
  • 航空機は微量の降灰でも欠航(エンジンへのダメージが深刻)
  • 首都圏の交通網がほぼ全面的にマヒする可能性

電力への影響:

  • 降灰が碍子(がいし)に付着し、湿ると漏電・停電の原因に
  • 火力発電所の吸気フィルターが詰まり、出力低下・停止
  • 大規模停電が数日〜数週間続く可能性

水道への影響:

  • 浄水場の取水口に火山灰が流入し、浄水処理が困難に
  • 降灰が河川・ダムに堆積し、水質が悪化
  • 断水が数日〜数週間続く可能性

健康への影響:

  • 火山灰を吸い込むと呼吸器疾患のリスク
  • 目に入ると角膜損傷の恐れ
  • 喘息・慢性呼吸器疾患の方は重症化リスク

降灰対策と備え
#

降灰前の備え(マスク・ゴーグル・ブルーシート)
#

噴火が始まってからでは遅い。平時のうちに備えておきましょう。

備蓄すべきもの:

  • 防塵マスク(N95マスク推奨、不織布マスクでも一定の効果あり)
  • 防塵ゴーグル(水中メガネでも代用可)
  • 長袖・長ズボン(肌の露出を防ぐ)
  • ブルーシート(屋外設備・車の養生用)
  • 養生テープ(窓の隙間を塞ぐ)
  • 水の備蓄(断水に備えて通常より多めに)
  • 食料の備蓄(物流停止に備えて)
  • ポリ袋・ゴミ袋(降灰の除去に使用)

降灰中の過ごし方
#

基本原則:外出を最小限にし、室内にとどまる

  • 窓やドアの隙間を養生テープで塞ぎ、火山灰の室内侵入を防ぐ
  • エアコンは外気取入を止め、内部循環モードで使用
  • 外出が必要な場合はマスク・ゴーグルを着用
  • コンタクトレンズは外し、メガネを使用する
  • 車の運転は極力避ける(視界不良、エアフィルターの詰まり)
  • ワイパーで火山灰を除去しない(フロントガラスに傷がつく)

降灰量に応じた行動の目安(内閣府2025年報告より)
#

内閣府「首都圏における広域降灰対策検討会」が2025年3月に公表した報告書では、首都圏住民の行動基準として以下の目安が示されています。

降灰厚基本的な行動
〜3cmできる限り自宅等での生活を継続
3cm〜30cm原則在宅継続。状況に応じて生活可能地域へ移動
30cm以上原則避難(降雨で重みが増し木造家屋が倒壊する恐れ)

また道路については、乾燥時10cm以上、降雨時3cm以上の降灰で二輪駆動車が通行できなくなるとされています。

降灰後の除灰作業の注意点
#

降灰が収まった後の除灰(火山灰の除去)作業にも注意が必要です。

  • 必ずマスク・ゴーグルを着用して作業する
  • 火山灰を水で流す前に、まずほうきで掃く(水を含むとセメント状に固まる)
  • 屋根の降灰は少量ずつ除去する(一度に大量に落とすと重みで建物が損傷する場合がある)
  • 雨どい・排水溝の火山灰は早めに除去する(詰まりの原因)
  • 集めた火山灰は自治体の指示に従って処分する

富士山周辺に住んでいる人の備え
#

ハザードマップの確認
#

富士山の麓にお住まいの方は、溶岩流・火砕流・降灰のハザードマップを必ず確認してください。

確認方法:

  • 「富士山火山防災マップ」で検索
  • 山梨県・静岡県のウェブサイトで公開
  • 市町村役場の防災担当課でも配布

自宅が溶岩流の想定範囲内にある場合は、避難先と避難ルートを複数確認しておきましょう。

避難計画の策定
#

避難の判断基準:

  • 噴火警戒レベルが3以上に引き上げられたら避難準備
  • 自治体から避難指示が出たら速やかに避難
  • 溶岩流の想定区域内に居住している場合は、レベル引き上げ時点で避難開始

避難先の選定:

  • 溶岩流の流下方向と反対方向の地域
  • 親戚宅・知人宅
  • 自治体が指定する広域避難先
  • ホテル・旅館(長期避難になる可能性を考慮)

噴火警戒レベルの意味
#

レベル名称住民がとるべき行動
1活火山であることに留意登山時の注意
2火口周辺規制火口周辺への立入規制
3入山規制登山禁止。状況に応じて避難準備
4高齢者等避難危険な地域の高齢者等は避難開始
5避難危険な地域の全住民が避難

噴火警戒レベルの引き上げは段階的に行われるとは限りません。急にレベル5に引き上げられる可能性もあるため、レベル1の段階から避難計画を準備しておくことが大切です。

よくある質問(FAQ)
#

Q. 富士山が噴火したら東京はどうなりますか?

A. 東京では溶岩流の直接的な被害はありませんが、降灰による影響が深刻です。交通機関の停止、停電、断水が発生する可能性があります。最低1週間分の水・食料・マスクの備蓄をおすすめします。

Q. 富士山噴火で死ぬ可能性はありますか?

A. 溶岩流や火砕流の到達範囲内では生命の危険があります。ただし、早めの避難で回避できます。首都圏では降灰による直接的な生命の危険は低いですが、呼吸器疾患の悪化や、停電・断水による二次的な健康被害のリスクがあります。

Q. 噴火はどのくらいの期間続きますか?

A. 宝永噴火は約16日間続きました。噴火の規模や様式によって大きく異なりますが、数日〜数週間は続く可能性があります。長期戦に備えた備蓄と、降灰が長引いた場合の生活計画が必要です。

Q. 南海トラフ地震と富士山噴火は連動しますか?

A. 過去の事例では、1707年の宝永地震(南海トラフ地震)の49日後に宝永噴火が発生しています。科学的な因果関係の解明は進行中ですが、連動の可能性は否定できません。南海トラフ地震が発生した後は、富士山の火山活動にも注意が必要です。

この記事もおすすめ