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衛生・救急・トイレ

停電時のトイレ対策ガイド|タンク式・タンクレスで変わる対処法

更新 2026年4月18日

停電でトイレが使えなくなるケース
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深夜2時、突然の停電。暗闇の中でトイレに行こうとしたら――水が流れない。

これ、実は珍しい話ではありません。特に最近の住宅に多いタンクレストイレやマンションの高層階では、停電イコールトイレが使えなくなる事態に直結します。

内閣府・防災推進協議会が示す「トイレ7日分の備蓄」推奨や、被災者アンケートでも「トイレ問題」は毎回上位に挙がります。電気が止まるだけでトイレが使えなくなるという事実を、意外と多くの方が見落としています。

タンクレストイレは停電で流せなくなる
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ここ10年ほどで急速に普及したタンクレストイレ。スタイリッシュなデザインで人気ですが、電気で水を流す仕組みのため、停電すると水が出ません。

タンクレストイレの仕組みを簡単に説明すると、電気信号で電磁弁(ソレノイドバルブ)を開閉して水道の水を流す仕組みです。この電磁弁が電気で動くので、停電するとリモコン操作が届かず、そのままでは流せなくなります。

TOTO、LIXIL、Panasonicなど主要メーカーのタンクレストイレはすべてこの構造。「うちのトイレ、タンクがないな」と思ったら、停電時の対策は必須です。

マンションのポンプ停止による断水
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マンションの場合、さらに深刻な問題があります。

マンションの給水方式はいくつかあり、停電時の影響も異なります。

  • 受水槽+加圧ポンプ方式:地上の受水槽に貯めた水を電動ポンプで各戸に送る。停電でポンプが止まれば断水。
  • 直結増圧方式:水道本管の圧力をポンプで増圧して各戸に直送。停電でポンプが止まれば断水(特に高層階)。
  • 高置水槽(高架水槽)方式:屋上の水槽に水を貯め、重力で各戸に供給。停電後も水槽内の残水があれば一時的に使える。

自分のマンションの給水方式を管理組合に確認しておくことが重要です。 受水槽・加圧ポンプ方式が多い中高層マンションでは、停電即断水になるケースが多く、トイレのタイプに関係なく水が使えなくなります。

私の知人が住む15階建てマンションでは、2023年の落雷による停電で、5階以上の全戸が断水状態になりました。復旧まで約6時間。その間、トイレをどうするかが最大の問題だったそうです。

トイレのタイプ別の停電時対処法
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タンク式トイレの場合
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昔ながらのタンク式トイレ(便器の後ろに水を貯めるタンクがあるタイプ)は、停電の影響をほとんど受けません。

タンク内に水が残っていれば、レバーをひねるだけで1回は流せます。問題は2回目以降。水道が生きていれば自動で給水されますが、マンションなどでポンプ停止により断水している場合は、バケツで水をタンクに補充する必要があります。

タンクへの補充方法

  1. バケツに6〜8リットルの水を用意
  2. タンクの蓋を開ける
  3. 水をタンクに注ぐ
  4. 蓋を閉めてレバーで流す

シンプルですが確実な方法です。

タンクレストイレの場合(手動レバー・バケツ)
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タンクレストイレは停電時の対処法がメーカー・機種によって異なります。必ず事前に取扱説明書を確認しておいてください。

方法1:手動レバー(非常用ハンドル)を使う

多くのタンクレストイレには、停電時用の手動レバーや非常用ハンドルが備わっています。

  • TOTO ネオレスト:本体側面のカバーを外すと手動レバーがあります
  • LIXIL サティス:便器側面の手動レバーで排水可能
  • Panasonic アラウーノ:電池による非常用動作モードあり

場所が分かりにくいことが多いので、今すぐ取扱説明書で位置を確認しておくことをおすすめします。災害時に暗闇の中で説明書を探すのは現実的ではないですから。

方法2:バケツで直接流す

手動レバーが使えない、あるいは場所が分からない場合は、バケツの水で直接流せます。

  1. 便器の中に、バケツで6〜8リットルの水を一気に流し入れる
  2. 勢いが大事。ゆっくり注ぐと流れません
  3. 最後に少量の水(1〜2リットル)を静かに注いで、排水トラップに水を残す

この方法は排水管が正常であることが前提です。地震後は排水管が破損している可能性があるため、地震の場合はバケツ流しの前に管理組合や自治体の指示を確認してください。

停電時のトイレに備えるグッズ
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簡易トイレ・凝固剤の備蓄
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停電が長引く場合や、排水管の状態が不明な場合は、水を使わない簡易トイレが最も安全な選択肢です。

備蓄量の目安は「1人1日5回 × 人数 × 日数」。内閣府の「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」(2016年)でも、最低3日分の備えが推奨されています。

家族構成3日分7日分
1人15回分35回分
2人30回分70回分
4人60回分140回分

「そんなに必要?」と感じるかもしれませんが、2018年の北海道胆振東部地震ではブラックアウト(全道停電)が最大約45時間続きました。4人家族なら45回分のトイレが必要だった計算です。

バケツ・生活用水の確保
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タンク式トイレやバケツ流しに備えて、生活用水の確保も重要です。

  • 浴槽に水を張っておく:台風接近時など事前に準備できる場合。浴槽1杯で約200リットル、トイレ25回分以上
  • ポリタンク(20L)を1〜2個用意:給水車からの受水にも使える
  • ペットボトルの水は飲料用に温存:トイレに飲料水を使うのはもったいない

私の場合、台風シーズン前には必ず浴槽に水を張るようにしています。実際の停電時、この水のおかげでトイレの心配をせずに済んだ経験が2回あります。

まとめ|停電時トイレ対応チェックリスト
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今すぐやること

  • 自宅のトイレがタンク式かタンクレスか確認
  • タンクレスの場合、手動レバー(非常用ハンドル)の場所を確認
  • マンションの場合、停電時の給水方式を管理組合に確認

備蓄すること

  • 簡易トイレ(凝固剤付き):1人1日5回 × 人数 × 3日分以上
  • ポリタンクまたはバケツ(6〜10リットル容量)
  • ポリ袋(45L黒):簡易トイレの補助用

停電が発生したら

  • まずトイレのタイプに応じた対処法を実行
  • 地震の場合は排水管の安全確認が取れるまで水を流さない
  • 停電が長引きそうなら早めに簡易トイレに切り替え

停電は予告なしにやってきます。「うちのトイレ、停電でも使えるのかな?」――取扱説明書の確認だけなら5分で済む。その疑問を持った今日がいちばんいい日です。

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