「防災グッズ、結局なにが必要なの?」――この疑問に対して、ネット上には「50品目リスト」「100品目リスト」と大量の情報が溢れています。でも、50品目も100品目も一度に揃えるのは現実的ではないですよね。
筆者は防災士として、自宅の防災備蓄を「優先度」で4段階に分けて管理しています。命に関わる最優先品からあると便利な品まで、段階的に揃えていく方法が一番長続きするし、実用的です。
防災グッズ 必要なもの 優先度別一覧#
S級(命に関わる最優先品目)#
「今日中に揃えてほしい」レベルの最重要品目です。
| 品目 | 理由 | 参考価格 |
|---|---|---|
| 飲料水(1人9L〜) | 脱水は1日で命に関わる | 約600円 |
| 非常用トイレ(凝固剤) | 断水時のトイレ問題は深刻 | 約1,000円 |
| モバイルバッテリー | スマホは情報・通信の生命線 | 約3,000円 |
| LEDヘッドライト | 夜間避難に必須 | 約500円 |
| ホイッスル | 救助要請手段 | 約100円 |
| 常備薬 | 処方薬がないと命に関わる場合あり | - |
合計約5,200円。まずこの6品目を揃えるだけで、「何もない」状態とは劇的に違います。
A級(避難生活を快適にする品目)#
S級を揃えた後、次の1〜2週間で追加したい品目です。
| 品目 | 理由 | 参考価格 |
|---|---|---|
| 非常食(3日分以上) | 空腹はパニックと体力低下を招く | 約3,000円 |
| カセットコンロ+ボンベ | 温かい食事で精神的にも安定 | 約4,000円 |
| 手回しラジオ | 停電時の情報収集手段 | 約3,000円 |
| 救急セット | 切り傷・打撲の応急処置 | 約1,000円 |
| アルミブランケット | 低体温症の防止 | 約100円 |
| 軍手 | がれき撤去・避難時の手の保護 | 約100円 |
| ウェットティッシュ | 断水時の清拭に必須 | 約100円 |
| レインコート | 悪天候での避難に | 約100円 |
B級(あると便利・状況次第)#
余裕があれば1〜2か月かけて追加したい品目です。
| 品目 | 用途 |
|---|---|
| ポータブル電源 | 在宅避難での電力確保 |
| ソーラーパネル | 長期停電への備え |
| テント・ブルーシート | 屋外避難や雨除け |
| 寝袋 | 避難所での睡眠環境改善 |
| 簡易浄水器 | 長期の断水時の飲料水確保 |
| ロープ(10m) | 救助・固定に |
| のこぎり(折りたたみ) | 倒木・がれきの撤去 |
| ランタン(大型LED) | 室内照明 |
C級(実際はなくても困らないもの)#
防災セットによく含まれていますが、実際の避難生活では出番が少ないもの。
| 品目 | なくても困らない理由 |
|---|---|
| 十徳ナイフ | はさみだけで十分。ナイフは使用場面がほぼない |
| ロウソク | 火災リスクがある。LEDランタンで代替可 |
| コンパス | スマホのGPSで代替可 |
| 大量のロープ | 一般の方がロープを活用する場面は限定的 |
| 携帯浄水ストロー | 日本の災害では給水車が比較的早く来る |
C級品目を省くことで、防災リュックの重量とコストを節約できます。
カテゴリ別 必要なもの一覧#
水・食料#
水
- 飲料水:1人1日3L × 最低3日分
- 生活用水:ポリタンクに水道水を保管(3日ごとに入替え)
食料
- 主食:アルファ米、パックご飯、乾麺
- おかず:缶詰(ツナ、サバ、コーン)、レトルトカレー
- 補食:栄養補助食品、ドライフルーツ、ナッツ
- 嗜好品:飴、チョコレート、お茶パック
ローリングストック方式で、普段の食事に非常食を組み込むのが最も効率的です。「特別なもの」ではなく「普段食べているもの」を多めに買い置きする感覚です。
照明・電源#
- LEDヘッドライト(メイン)
- LEDランタン(室内用)
- モバイルバッテリー(10,000mAh以上)
- 予備の乾電池(単3 × 20本、単4 × 10本)
- 手回し充電ラジオ
照明は「ヘッドライト」を最優先にする理由は、避難時に両手が空くからです。懐中電灯だけでは片手がふさがり、荷物を持ちながらの移動が困難になります。
衛生・トイレ#
- 非常用トイレ(凝固剤タイプ)
- トイレットペーパー
- ウェットティッシュ(アルコール・ノンアルコール各種)
- ゴミ袋(45L)
- ラップ
- ポリ袋
- 歯磨きシート
- 生理用品
通信・情報#
- スマホ用充電ケーブル(家族全員分)
- 手回し充電ラジオ
- ホイッスル
- 筆記用具・メモ帳
- 緊急連絡先リスト(紙)
医薬品・救急#
- 常備薬(処方薬の予備)
- 絆創膏(各サイズ)
- 消毒液
- ガーゼ・包帯
- 鎮痛剤・胃薬
- 体温計
防寒・衣類#
- アルミブランケット
- レインコート
- 着替え(下着・靴下)
- 使い捨てカイロ
- 軍手
書類・貴重品#
- 身分証明書コピー
- 保険証コピー
- お薬手帳コピー
- 現金(1〜3万円、小銭含む)
- 通帳・印鑑のコピー
すぐ揃えられる入手先一覧#
100均で揃うもの#
ダイソーやセリアで購入可能な品目(合計1,500〜2,000円程度):
- ウェットティッシュ、ゴミ袋、ポリ袋
- アルミブランケット、レインコート、軍手
- ホイッスル、ロープ、紙皿・割り箸
- 折りたたみウォータータンク
ドラッグストアで揃うもの#
マツモトキヨシ、ウエルシア等で購入可能:
- 飲料水(2Lペットボトル)
- 救急用品(絆創膏、消毒液、ガーゼ)
- 衛生用品(マスク、ウェットティッシュ大容量)
- 常備薬(市販の鎮痛剤・胃薬)
- 生理用品
ネット通販が便利なもの#
Amazonや楽天で購入した方が選択肢が豊富な品目:
- 非常用トイレ(凝固剤タイプ、まとめ買いが割安)
- アルファ米・長期保存食
- LEDヘッドライト(高品質なもの)
- モバイルバッテリー(大容量タイプ)
- 手回し充電ラジオ
- ポータブル電源
やりがちな「必要なもの選びの失敗」#
量が足りない問題#
最も多い失敗が「量の見積もりが甘い」こと。特に水と非常用トイレは、想像以上に消費します。
水は「1人1日3リットル」が基本ですが、夏場はもっと必要になります。非常用トイレは「1人1日5〜7回」で計算してください。1人3日分でも15〜21回分必要です。
使い方を知らない問題#
買っただけで使い方を確認していない、という失敗もよく聞きます。
特に注意が必要なのは以下のアイテム。
- 非常用トイレ(凝固剤の使い方を事前に1回は試す)
- 手回しラジオ(周波数の合わせ方を確認しておく)
- アルファ米(水の量と待ち時間を把握しておく)
購入したら一度は使ってみる。これだけで、いざという時の安心感がまるで違います。
家族内で共有できていない問題#
防災グッズの保管場所を「家族の中で自分だけが知っている」状態は危険です。自分が不在の時に災害が起きたら、家族は防災グッズの場所すらわかりません。
保管場所のリストを冷蔵庫に貼る、家族LINEで共有する、年2回の点検は家族全員で行う。こうした工夫で「自分がいなくても使える」状態にしておくことが大切です。
よくある質問(FAQ)#
Q. 優先度S級の6品目だけで本当に大丈夫? A. S級6品目は「何もない状態からの脱出」が目的です。3日以上の避難には不十分なので、A級品目を早めに追加してください。ただし、S級6品目があるだけでも、災害直後の生存率は大幅に上がります。
Q. 防災グッズは一気に揃えるべき? A. 一気に揃える必要はありません。S級 → A級 → B級と、月に数千円ずつ追加していくのが長続きするコツ。3か月あれば十分な備えが完成します。
Q. 一覧にないけど、自分には必要なものがある場合は? A. この一覧は「一般的な必要品」です。持病の薬、アレルギー対応食品、ペット用品、乳幼児用品など、家庭の事情に応じたカスタマイズは必須。一覧をベースに、自分の家族に合わせて追加してください。



