二重関心モデル

英語名 Dual Concern Model
読み方 デュアル コンサーン モデル
難易度
所要時間 自己分析15分+対話設計30分
提唱者 ディーン・プルイット / ジェフリー・ルービン
目次

ひとことで言うと
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対立場面での行動を**「自分の利益への関心(自己関心)」と「相手の利益への関心(他者関心)」の2軸**で整理し、5つのスタイル——競争・協調・妥協・回避・譲歩——に分類するモデル。ディーン・プルイットとジェフリー・ルービンが体系化し、トーマス=キルマンのコンフリクトモードとも共通する枠組みとして広く使われている。

押さえておきたい用語
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押さえておきたい用語
自己関心(Self Concern)
対立場面で自分の利益・目標を追求する度合い。高いほど自分の主張を通そうとする。
他者関心(Other Concern)
対立場面で相手の利益・目標を尊重する度合い。高いほど相手の要望を満たそうとする。
統合的交渉
自己関心と他者関心の両方が高い状態で生まれる双方の利益を最大化する解決策を探る交渉スタイル。「パイを大きくする」発想。
BATNA
Best Alternative To a Negotiated Agreement の略。交渉が決裂した場合の最善の代替案であり、自己関心の強さを左右する要因になる。

二重関心モデルの全体像
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2軸×5スタイルで対立場面の行動パターンを整理する
二重関心モデル ── 5つの対処スタイル自己関心(高→)他者関心(高→)競争自己関心:高 / 他者関心:低「勝つか負けるか」協調自己関心:高 / 他者関心:高「双方が満足する解を探す」妥協自己関心:中 / 他者関心:中「お互い少しずつ譲る」回避自己関心:低 / 他者関心:低「触れない・先送りする」譲歩自己関心:低 / 他者関心:高「相手を優先する」

実践ステップ
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自分のデフォルトスタイルを把握する
過去の対立場面を5つほど思い出し、自分がどのスタイルを取ったかを分類する。多くの人は状況によらず同じスタイルに偏る傾向があり、それがデフォルトスタイルだ。
状況に応じた適切なスタイルを選ぶ
5つのスタイルに善悪はない。緊急時は競争、些細な問題は回避、長期的関係が重要なら協調、時間がなければ妥協、相手の面子が大事なら譲歩——と状況に合わせて意図的に選ぶ。
相手のスタイルを見極める
対立している相手がどのスタイルを取っているかを観察する。競争型の相手に譲歩し続けると搾取されるし、回避型の相手に競争で迫ると関係が壊れる。相手のスタイルに応じて自分の出方を調整する。
協調を目指すための準備をする
多くの場面で最も成果が高いのは協調スタイルだが、準備なしには使えない。協調のためには「相手の本当のニーズ(表面的な要求の裏にあるもの)」を聞き出す質問と、自分の優先順位の整理が不可欠になる。
スタイルの使い分けを振り返る
対立が解決した後、「あのスタイル選択は適切だったか」を振り返る。競争で勝ったが関係が悪化した場合、次回は協調を試す余地がなかったかを検討する。

ここが難しい——「協調が常に正解」という誤解
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二重関心モデルを学ぶと「常に協調を目指すべきだ」と考えがちだが、これは誤りだ。協調は時間とエネルギーを多く消費する。些細な問題にまで協調で臨むと、意思決定が遅くなりチーム全体が疲弊する。

判断基準は**「この対立の結果が長期的な関係と成果にどれだけ影響するか」**。影響が大きければ協調に時間を投資する価値がある。影響が小さければ妥協や譲歩で素早く処理し、重要な対立にリソースを集中させる。

実践例
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営業部と開発部の間で「カスタマイズ対応の範囲」をめぐる衝突が慢性化していたIT企業。営業は「顧客要望にすべて応えたい」(自己関心:高)、開発は「標準機能で対応したい」(自己関心:高)と、両者が競争スタイルで対峙していた。

マネージャーが二重関心モデルを共有し、「両方の関心を満たすにはどうするか」という協調の問いに切り替えた。結果、「カスタマイズは上位プランの有料オプション」という解が生まれ、営業は売上拡大の武器を得て、開発は工数を正当に確保できるようになった。

共働き夫婦で家事分担をめぐる対立が続いていた。妻は「公平に半分ずつ」(競争寄り)、夫は「話し合いたくない」(回避寄り)で、議論自体が成立しなかった。

カウンセラーの助言で二重関心モデルを使い、まず互いのスタイルを可視化。夫の回避は「批判されるのが怖い」という他者関心の低さではなく自己防衛だと判明した。「批判なしで事実だけ話す」ルールを設けて対話の場を作り、妻は優先度の低い家事では譲歩、夫は育児関連は自分から担当すると申し出た。完全な折半ではないが、両者の満足度は10点中3→7に上がった。

まとめ
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二重関心モデルは「対立=悪いこと」という前提を崩してくれる。対立そのものではなく、対立へのアプローチが問題を生む。自分のデフォルトスタイルを知り、状況に応じて5つのスタイルを使い分けられるようになれば、どんな対立場面でも適切な落としどころを見つけやすくなる。