ひとことで言うと#
72 ÷ 年利(%)= お金が2倍になる年数。たったこれだけの式で、複利の威力が一瞬でわかる。年利3%なら24年で2倍、年利6%なら12年で2倍。電卓なしで投資判断の目安がつく、知っておくと一生使えるお金の法則。
押さえておきたい用語#
- 複利(ふくり)
- 利息が元本に組み込まれ、利息にも利息がつく仕組み。単利と違い、時間が経つほど加速度的にお金が増える。アインシュタインが「人類最大の発明」と呼んだとも言われる。
- 単利(たんり)
- 元本にだけ利息がつく仕組み。100万円を年利5%で運用すると毎年5万円ずつ増える。複利と違い加速しない。
- 72の法則
- 72を年利で割ると、元本が2倍になるおおよその年数がわかる概算式。正確な数学的導出は自然対数に基づくが、暗算で使える実用ツール。
- リアルリターン
- 名目利回りからインフレ率を引いた実質的な利回り。年利5%でもインフレ率が2%なら実質リターンは約3%。72の法則はリアルリターンで計算するとより正確。
72の法則の全体像#
こんな悩みに効く#
- 「複利の力」って聞くけど、具体的にどれくらいすごいのかピンとこない
- 投資信託や保険の利回りを見ても、どれがどれくらいお得か比較できない
- 銀行預金の金利0.02%がどれだけ無力か、数字で実感したい
基本の使い方#
式は超シンプル。
72 ÷ 年利(%)= 2倍になる年数
例:
- 年利1% → 72 ÷ 1 = 72年
- 年利3% → 72 ÷ 3 = 24年
- 年利6% → 72 ÷ 6 = 12年
- 年利8% → 72 ÷ 8 = 9年
- 年利12% → 72 ÷ 12 = 6年
銀行預金(0.02%)だと72 ÷ 0.02 = 3,600年。ピラミッドの時代から預けてもまだ2倍になっていない。
「○年で2倍にしたい」→ 72 ÷ 目標年数 = 必要な年利
例:
- 10年で2倍にしたい → 72 ÷ 10 = 年利7.2%が必要
- 20年で2倍にしたい → 72 ÷ 20 = 年利3.6%が必要
- 30年で2倍にしたい → 72 ÷ 30 = 年利2.4%が必要
目標から逆算すると、どんな投資先を選ぶべきかが明確になる。
72の法則は借金にも適用できる。利息で借金が2倍になる年数がわかる。
- カードローン年利15% → 72 ÷ 15 = 4.8年で借金が2倍
- リボ払い年利18% → 72 ÷ 18 = 4年で借金が2倍
複利は味方にすれば最強の武器。敵に回すと最悪の負債製造機。 この法則を知っているだけで、安易なリボ払いを避けられる。
具体例#
銀行預金(年利0.02%):
- 72 ÷ 0.02 = 3,600年後に200万円
- 60歳時点: 約100.6万円(ほぼ増えない)
国債・定期預金(年利1%):
- 72 ÷ 1 = 72年後に200万円
- 60歳時点: 約134万円
インデックス投資(年利5%):
- 72 ÷ 5 = 約14.4年後に200万円
- 60歳時点: 約432万円(4倍以上)
積極運用(年利8%):
- 72 ÷ 8 = 9年後に200万円
- 60歳時点: 約1,006万円(10倍)
→ 同じ100万円、同じ30年でも、利回り次第で100万円と1,000万円の差が生まれる。72の法則で比較すれば「預金でいいか、投資すべきか」は一目瞭然
前提: 25歳から60歳まで35年間、毎月3万円(年36万円)を積み立て。元本合計は36万×35年=1,260万円。
銀行預金(年利0.02%):
- 60歳時点: 約1,264万円(ほぼ元本のまま)
インデックス投資(年利5%):
- 72 ÷ 5 = 14.4年で元本2倍のペース
- 60歳時点: 約3,400万円(元本の2.7倍)
年利7%で運用できた場合:
- 72 ÷ 7 = 約10年で2倍
- 60歳時点: 約5,300万円(元本の4.2倍)
→ 毎月3万円でも35年間の複利で元本1,260万円が3,400〜5,300万円に。「早く始めること」が最大の武器だと72の法則が教えてくれる
前提: ショッピングでリボ払い残高50万円。年利18%。最低返済額(利息分のみ)で放置。
72の法則で計算:
- 72 ÷ 18 = 4年で借金が2倍
- 4年後: 50万円→100万円
- 8年後: 100万円→200万円
- 12年後: 200万円→400万円
実際の返済シミュレーション:
- 毎月1万円返済の場合: 完済まで約8年、総支払額は約94万円(利息だけで44万円)
- 毎月2万円返済の場合: 完済まで約3年、総支払額は約66万円
→ 「50万円のリボが4年で100万円に膨らむ」と72の法則で暗算できれば、リボ払いの怖さが一瞬でわかる。投資で年利5%を得るより、年利18%の借金を返す方が確実にお得
やりがちな失敗パターン#
- 「高利回り=良い」と単純に考える — 利回りが高いほどリスクも高い。年利20%を謳う商品は詐欺の可能性大。現実的な期待利回りは年3〜7%程度。72の法則で「うますぎる話」を見抜こう
- 手数料を無視する — 年利5%でも、手数料が2%なら実質3%。72 ÷ 3 = 24年と72 ÷ 5 = 14.4年では、2倍になるまで10年も差が出る。手数料は必ず差し引いて計算する
- 一括投資だけで考える — 72の法則は元本が一定の場合の概算。毎月積み立てる場合はもっと複雑だが、**「複利は時間が長いほど効く」**という本質は同じ。「まず始める」が最優先
- インフレを無視する — 年利3%でもインフレ率2%なら実質リターンは約1%。72 ÷ 1 = 72年。実質利回り(名目利回り−インフレ率)で計算する習慣をつけよう
まとめ#
72の法則は「72÷年利=2倍になる年数」というシンプルな暗算ツール。複利の威力を一瞬で体感でき、投資と借金の両方に使える。お金の判断に迷ったとき、まず72で割ってみよう。それだけで、合理的な選択ができるようになる。