72の法則

英語名 Rule of 72
読み方 ルール オブ セブンティツー
難易度
所要時間 5分(暗算するだけ)
提唱者 ルカ・パチョーリ(1494年の著書で紹介)
目次

ひとことで言うと
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72 ÷ 年利(%)= お金が2倍になる年数。たったこれだけの式で、複利の威力が一瞬でわかる。年利3%なら24年で2倍、年利6%なら12年で2倍。電卓なしで投資判断の目安がつく、知っておくと一生使えるお金の法則。

押さえておきたい用語
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押さえておきたい用語
複利(ふくり)
利息が元本に組み込まれ、利息にも利息がつく仕組み。単利と違い、時間が経つほど加速度的にお金が増える。アインシュタインが「人類最大の発明」と呼んだとも言われる。
単利(たんり)
元本にだけ利息がつく仕組み。100万円を年利5%で運用すると毎年5万円ずつ増える。複利と違い加速しない
72の法則
72を年利で割ると、元本が2倍になるおおよその年数がわかる概算式。正確な数学的導出は自然対数に基づくが、暗算で使える実用ツール。
リアルリターン
名目利回りからインフレ率を引いた実質的な利回り。年利5%でもインフレ率が2%なら実質リターンは約3%。72の法則はリアルリターンで計算するとより正確。

72の法則の全体像
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72の法則:年利ごとの2倍到達年数を一目で比較
72 ÷ 年利(%)= 2倍になる年数預金 0.02%国債 1%債券 3%投信 5%株式 8%3,600年 !72年24年14.4年9年逆算も可能:72 ÷ 目標年数 = 必要な年利10年で2倍にしたい→ 年利7.2%かなり積極的な運用20年で2倍にしたい→ 年利3.6%現実的な目標30年で2倍にしたい→ 年利2.4%堅実な長期運用
72の法則の3つの使い方
1
2倍到達年数を知る
72÷年利(%)=年数。年利5%なら約14年で2倍
2
必要年利を逆算する
72÷目標年数=必要年利。20年で2倍なら年利3.6%が必要
借金の怖さも計算
リボ年利18%→72÷18=4年で借金が2倍。複利は敵にも味方にもなる

こんな悩みに効く
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  • 「複利の力」って聞くけど、具体的にどれくらいすごいのかピンとこない
  • 投資信託や保険の利回りを見ても、どれがどれくらいお得か比較できない
  • 銀行預金の金利0.02%がどれだけ無力か、数字で実感したい

基本の使い方
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ステップ1: 72÷年利で計算する

式は超シンプル。

72 ÷ 年利(%)= 2倍になる年数

例:

  • 年利1% → 72 ÷ 1 = 72年
  • 年利3% → 72 ÷ 3 = 24年
  • 年利6% → 72 ÷ 6 = 12年
  • 年利8% → 72 ÷ 8 = 9年
  • 年利12% → 72 ÷ 12 = 6年

銀行預金(0.02%)だと72 ÷ 0.02 = 3,600年。ピラミッドの時代から預けてもまだ2倍になっていない。

ステップ2: 逆算にも使う

「○年で2倍にしたい」→ 72 ÷ 目標年数 = 必要な年利

例:

  • 10年で2倍にしたい → 72 ÷ 10 = 年利7.2%が必要
  • 20年で2倍にしたい → 72 ÷ 20 = 年利3.6%が必要
  • 30年で2倍にしたい → 72 ÷ 30 = 年利2.4%が必要

目標から逆算すると、どんな投資先を選ぶべきかが明確になる。

ステップ3: 借金・ローンの怖さも計算する

72の法則は借金にも適用できる。利息で借金が2倍になる年数がわかる。

  • カードローン年利15% → 72 ÷ 15 = 4.8年で借金が2倍
  • リボ払い年利18% → 72 ÷ 18 = 4年で借金が2倍

複利は味方にすれば最強の武器。敵に回すと最悪の負債製造機。 この法則を知っているだけで、安易なリボ払いを避けられる。

具体例
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例1:30歳で100万円を投資した場合の比較

銀行預金(年利0.02%):

  • 72 ÷ 0.02 = 3,600年後に200万円
  • 60歳時点: 約100.6万円(ほぼ増えない)

国債・定期預金(年利1%):

  • 72 ÷ 1 = 72年後に200万円
  • 60歳時点: 約134万円

インデックス投資(年利5%):

  • 72 ÷ 5 = 約14.4年後に200万円
  • 60歳時点: 約432万円(4倍以上

積極運用(年利8%):

  • 72 ÷ 8 = 9年後に200万円
  • 60歳時点: 約1,006万円(10倍

同じ100万円、同じ30年でも、利回り次第で100万円と1,000万円の差が生まれる。72の法則で比較すれば「預金でいいか、投資すべきか」は一目瞭然

例2:25歳新卒が毎月3万円を積み立てた場合

前提: 25歳から60歳まで35年間、毎月3万円(年36万円)を積み立て。元本合計は36万×35年=1,260万円

銀行預金(年利0.02%):

  • 60歳時点: 約1,264万円(ほぼ元本のまま)

インデックス投資(年利5%):

  • 72 ÷ 5 = 14.4年で元本2倍のペース
  • 60歳時点: 約3,400万円(元本の2.7倍

年利7%で運用できた場合:

  • 72 ÷ 7 = 約10年で2倍
  • 60歳時点: 約5,300万円(元本の4.2倍

毎月3万円でも35年間の複利で元本1,260万円が3,400〜5,300万円に。「早く始めること」が最大の武器だと72の法則が教えてくれる

例3:リボ払い50万円を放置した場合の恐怖

前提: ショッピングでリボ払い残高50万円。年利18%。最低返済額(利息分のみ)で放置。

72の法則で計算:

  • 72 ÷ 18 = 4年で借金が2倍
  • 4年後: 50万円→100万円
  • 8年後: 100万円→200万円
  • 12年後: 200万円→400万円

実際の返済シミュレーション:

  • 毎月1万円返済の場合: 完済まで約8年、総支払額は約94万円(利息だけで44万円)
  • 毎月2万円返済の場合: 完済まで約3年、総支払額は約66万円

「50万円のリボが4年で100万円に膨らむ」と72の法則で暗算できれば、リボ払いの怖さが一瞬でわかる。投資で年利5%を得るより、年利18%の借金を返す方が確実にお得

やりがちな失敗パターン
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  1. 「高利回り=良い」と単純に考える — 利回りが高いほどリスクも高い。年利20%を謳う商品は詐欺の可能性大。現実的な期待利回りは年3〜7%程度。72の法則で「うますぎる話」を見抜こう
  2. 手数料を無視する — 年利5%でも、手数料が2%なら実質3%。72 ÷ 3 = 24年72 ÷ 5 = 14.4年では、2倍になるまで10年も差が出る。手数料は必ず差し引いて計算する
  3. 一括投資だけで考える — 72の法則は元本が一定の場合の概算。毎月積み立てる場合はもっと複雑だが、**「複利は時間が長いほど効く」**という本質は同じ。「まず始める」が最優先
  4. インフレを無視する — 年利3%でもインフレ率2%なら実質リターンは約1%。72 ÷ 1 = 72年。実質利回り(名目利回り−インフレ率)で計算する習慣をつけよう

まとめ
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72の法則は「72÷年利=2倍になる年数」というシンプルな暗算ツール。複利の威力を一瞬で体感でき、投資と借金の両方に使える。お金の判断に迷ったとき、まず72で割ってみよう。それだけで、合理的な選択ができるようになる。