ライフデザイン

英語名 Life Design
読み方 ライフデザイン
難易度
所要時間 2〜3時間(初回ワーク)
提唱者 ビル・バーネット & デイヴ・エヴァンス(スタンフォード大学、2016年)
目次

ひとことで言うと
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人生に「正解」はない。だからデザインする。 スタンフォード大学で生まれた手法で、デザイン思考の「プロトタイプ → テスト → 改善」のプロセスを人生設計に応用する。完璧な計画を立てるのではなく、小さく試して、自分に合う生き方を見つけていく

押さえておきたい用語
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押さえておきたい用語
オデッセイプラン
3つの全く異なる**「5年後の人生」を同時に描く**ライフデザインの中核ワークのこと。1つの正解を探すのではなく、複数の可能性を見える化する。
ダッシュボード
仕事・遊び・愛・健康の4領域を0〜100%でセルフチェックする現在地確認ツールのこと。低い領域がデザインすべき対象。
プロトタイプ
気になる人生の選択肢を小さく試してみる実験のこと。会話(30分のコーヒーチャット)、体験(1日ボランティア)、シミュレーション(1週間だけ真似する)などの形式がある。
エネルギー日記
日々の活動ごとに集中度・エネルギー・楽しさを記録するワークのこと。「やりたいこと」を頭ではなく身体の反応から見つける方法。

ライフデザインの全体像
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ライフデザイン:現在地把握→可能性拡大→小さく試すの4ステップ
1. ダッシュボード仕事・遊び・愛・健康で現在地を確認2. エネルギー日記活動ごとの集中度楽しさを記録する3. オデッセイプラン3つの異なる5年後の人生を描く4. プロトタイプ小さく試して判断材料を得る正解を探すのではなく、試しながら見つけていくプロセス
ライフデザインの4ステップ
1
ダッシュボード
4領域で現在地を確認
2
エネルギー日記
身体の反応からヒントを得る
3
オデッセイプラン
3つの5年後を同時に描く
プロトタイプ
小さく試してから決める

こんな悩みに効く
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  • 「自分が本当にやりたいこと」がわからない
  • 人生の選択肢が多すぎて、決められない
  • 今の生活に不満はないけど、これでいいのか漠然と不安

基本の使い方
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ステップ1: ダッシュボードで現在地を把握する

まず、人生の4つの領域を0〜100%で自己評価する。

  • 仕事: 仕事にどれくらい満足しているか
  • 遊び: 楽しいと感じる時間は十分か
  • : 人間関係に満足しているか
  • 健康: 身体的・精神的に元気か

4つとも高い必要はない。 大事なのは「今の自分がどこにいるか」を正直に把握すること。

ここで「低い」と感じた領域が、デザインするべき対象。

ステップ2: エネルギー日記をつける

1〜2週間、毎日の活動について記録する。

各活動について:

  • 集中度: 没頭できたか(高/中/低)
  • エネルギー: 終わった後、元気が出たか消耗したか
  • 楽しさ: 純粋に楽しかったか

「集中 × エネルギー × 楽しさ」が全部高い活動に、人生のヒントがある。 逆に全部低い活動は、減らすか辞める候補。

これは「やりたいこと」を頭で考えるのではなく、身体の反応から見つける方法

ステップ3: オデッセイプランを3つ書く

3つの全く異なる「5年後の人生」を描く。

  • プランA: 今の延長線上の人生。順調にいったらどうなる?
  • プランB: もしプランAが完全に不可能になったら?全く別の道は?
  • プランC: お金も他人の目も関係なかったら?本当はどうしたい?

各プランに:

  • 5年後の自分を具体的に描写
  • 自信度(0〜100%)
  • ワクワク度(0〜100%)

プランCに本音が出ることが多い。 3つ描くことで「人生は1つじゃない」と実感でき、執着が減る。

ステップ4: プロトタイプで小さく試す

気になるプランをいきなり実行するのではなく、小さく試す

プロトタイプの方法:

  • 会話: その道のプロに話を聞く(30分のコーヒーチャット)
  • 体験: 1日だけ体験する(ボランティア、ワークショップ)
  • 副業: 週末だけ小さく始める
  • シミュレーション: その生活を1週間だけ真似してみる

例: 「田舎でカフェを開きたい」→ いきなり脱サラするのではなく、週末に農家カフェで1日手伝ってみる

小さく試してから決める。 これがライフデザインの核心。

具体例
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例1:35歳エンジニアのオデッセイプラン

ダッシュボード:

  • 仕事: 50%(安定だけどワクワクしない)
  • 遊び: 30%(趣味の時間がない)
  • 愛: 70%(家族は円満)
  • 健康: 60%(運動不足)

オデッセイプラン:

プランA(今の延長):

  • 今の会社でマネージャーに昇進。年収800万。安定だが挑戦がない
  • 自信度: 80% / ワクワク度: 40%

プランB(別の道):

  • スタートアップに転職。CTOを目指す。リスクはあるが刺激的
  • 自信度: 50% / ワクワク度: 75%

プランC(制約なし):

  • 地方に移住してフリーランスエンジニア+週末は山小屋経営
  • 自信度: 20% / ワクワク度: 90%

プロトタイプ:

  • プランB: スタートアップ3社のCTOに話を聞く → 実際の働き方を知る
  • プランC: 長野に週末旅行 → 移住者のコミュニティに参加してみる

プランCが一番ワクワクするが、いきなり飛び込まない。小さく試して判断する。 結果、プランBとCのハイブリッド(リモートOKのスタートアップ+地方移住)という第4の選択肢が見えてきた。

例2:28歳デザイナーが「本当にやりたいこと」をエネルギー日記で発見

背景: Web制作会社で4年勤務。デザインは好きだけど「もっと他にやりたいことがあるかも」と漠然と思っている。

エネルギー日記(2週間記録)の結果:

活動集中度エネルギー楽しさ
UIデザイン+1
クライアント打合せ−2
後輩のデザインレビュー+3
ワークショップ企画+3
事務作業−3
友人にデザインを教える+3

発見: 「後輩レビュー」「ワークショップ」「教える」が全項目で最高スコア。やりたいことは「デザインすること」ではなく「デザインを教えること」だった。

プロトタイプ: ストアカで「初心者向けFigma講座」を週末に開催。定員5名で1回3,000円。

3ヶ月後: 月2回開催で受講者満足度4.8/5.0。「教える仕事」を副業から本業に移行することを検討開始。

例3:45歳管理職が「早期退職すべきか」を3つのプランで検討

ダッシュボード:

  • 仕事: 30%(管理業務に疲弊。プレイヤーに戻りたい)
  • 遊び: 20%(趣味ゼロ。休日は寝ている)
  • 愛: 60%(妻との関係は普通。子どもは高校生で自立気味)
  • 健康: 40%(不眠、体重+12kg)

オデッセイプラン:

プランA: 現職で部長を目指す。年収1,200万。ストレスは増えるが安定

  • 自信度: 70% / ワクワク度: 15%

プランB: 早期退職して中小企業の技術顧問(フリーランス)。年収700万。自由度高い

  • 自信度: 45% / ワクワク度: 65%

プランC: 早期退職して職業訓練校の講師。年収400万。人に教える仕事がしたい

  • 自信度: 30% / ワクワク度: 80%

プロトタイプ:

  • プランB: 元同僚のフリーランス3名にランチインタビュー
  • プランC: 地元の職業訓練校に見学を申し込み

結果: プロトタイプを通じて、プランBの現実(営業活動の大変さ)とプランCの魅力(教えることの充実感)が明確に。プランCを軸に、52歳での早期退職をロードマップ化。

やりがちな失敗パターン
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  1. 「正解」を探そうとする — 人生に唯一の正解はない。3つのプランを描くのは「正解は1つじゃない」と体感するため。比較して選ぶのではなく、可能性を広げる
  2. プロトタイプせずに決断する — 頭で考えるだけでは、実際の体験とギャップがある。必ず小さく試す。30分の会話でも世界が変わる
  3. 他人の期待でプランを作る — 親や社会の期待ではなく、自分の内側から出る声に耳を傾ける。プランCの「制約なし」で出たものが本音
  4. プランAにしがみつく — 多くの人がプランAしか見えていない。BとCを真剣に描くことで、Aへの執着が外れ、本当に大事なことが見える

まとめ
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ライフデザインは「完璧な人生計画」を立てるものではなく、「小さく試しながら自分に合う生き方を見つける」プロセス。ダッシュボードで現在地を確認し、オデッセイプランで可能性を広げ、プロトタイプで小さく試す。人生に迷ったら、答えを探すのではなく、デザインしよう。