ひとことで言うと#
「死ぬまでにやりたいこと」を全部リストアップする。それだけ。でも、これを真剣にやると「自分が本当に大事にしていること」が浮き彫りになる。日々の忙しさに埋もれがちな夢や目標を言語化することで、人生の優先順位が明確になる。
押さえておきたい用語#
- バケットリスト
- 「kick the bucket(死ぬ)」に由来する、死ぬまでにやりたいことのリストのこと。映画『最高の人生の見つけ方』で世界的に広まった。
- Aランク
- リストの中で今年中にやりたい項目を指す。ここに入ったものが「今の自分にとって一番大事なこと」。
- Bランク
- 3年以内にやりたい項目である。計画を立て始める対象。具体的なステップに分解する。
- Cランク
- いつかやりたい項目のこと。時間や条件が揃ったら実行する長期目標。
- ライフカテゴリ
- リストを「体験」「達成」「人間関係」「貢献」「成長」などの領域に分けて考える枠組みのこと。偏りを防ぐ。
バケットリストの全体像#
こんな悩みに効く#
- 「やりたいことは?」と聞かれても、パッと出てこない
- 毎日の仕事や家事に追われて、自分の人生を生きている感じがしない
- 「このまま年を取っていいのかな」という漠然とした不安がある
基本の使い方#
紙やノートに、死ぬまでにやりたいことを100個書く。
カテゴリのヒント:
- 体験: 行きたい場所、食べたいもの、やってみたいアクティビティ
- 達成: 資格、スキル、キャリア、収入目標
- 人間関係: 会いたい人、一緒にやりたいこと
- 貢献: 誰かの役に立つこと、社会にしたいこと
- 成長: 学びたいこと、克服したいこと
30個くらいまではスラスラ出る。50個超えたあたりから苦しくなる。 その苦しい部分にこそ、自分でも気づいていなかった本音が出てくる。
ルールは1つ — 「無理かも」は禁止。予算も時間も制約も全部無視して書く。
100個書いたら、3段階に分ける。
- A(今年中にやりたい): 5〜10個
- B(3年以内にやりたい): 10〜20個
- C(いつかやりたい): 残り
Aに入ったものが、今の自分にとって一番大事なこと。 日常の行動の中に、このAを実現するための時間を組み込んでいく。
また、**「お金がかからずにすぐできるもの」**が意外とリストにあるはず。それは明日やろう。
バケットリストは生きたドキュメント。作って終わりじゃない。
- 月1回: リストを見返す。達成したものにチェックをつける
- 半年に1回: 新しい項目を追加する。興味がなくなったものは外す
- 達成したら: そのときの感想を一言メモしておく
リストを見返すたびに「自分が何を大切にしているか」を再確認できる。 それ自体がモチベーションの源泉になる。
具体例#
書き出した100個のうち、カテゴリ別の抜粋:
体験(28個): オーロラを見る、フルマラソン完走、寿司の握り方を習う、ヨーロッパ1ヶ月バックパック旅行… 達成(25個): TOEIC900点、副業で月10万、本を出版する、管理職になる… 人間関係(22個): 両親を温泉旅行に連れていく、学生時代の友人と同窓会、メンターを見つける… 貢献(13個): 地元の子どもにプログラミングを教える、災害ボランティアに参加する… 成長(12個): 瞑想を習慣にする、人前でスピーチできるようになる…
A(今年)に入れた項目:
- 両親を温泉旅行に連れていく
- フルマラソンにエントリーする
- TOEIC受験する
→ 「両親の温泉旅行」がAに入ったことで、「来月の連休に予約しよう」と具体的な行動に繋がった。リストがなければ「いつかね」で終わっていたはずだ。
やり方: 夫婦それぞれが50個ずつ書き出し、ワインを飲みながら共有する夜を設けた。
妻のリスト(抜粋): 北欧に行く、パン屋を開く、子どもと海外ホームステイ、着付けを習う 夫のリスト(抜粋): 世界遺産を10箇所巡る、サーフィンを覚える、DIYで書斎を作る、子どもとキャンプ
共通項の発見:
- 2人とも「海外旅行」が上位 → 来年の家族旅行先を具体的に検討開始
- 2人とも「子どもとの特別な体験」 → 毎月1回「家族チャレンジデー」を設定
- 妻「パン屋を開く」→ まず趣味のパン教室から。夫がDIYでパン焼き台を作ることに
1年後の振り返り:
- 家族旅行(台湾)実現、家族チャレンジデー月1回×10回達成、パン教室通い開始
→ 「お互いのやりたいこと」を知ることで、夫婦の会話と協力が増えた。家族チャレンジデーは10回達成し、「何が食べたい?」の会話が「次はどの夢を叶える?」に変わったのが象徴的だった。
きっかけ: 定年まであと12年。「やりたいことリスト」を20代で作ったまま放置していた。
20代のリスト(当時80個):
- 達成済み: 32個(結婚、マイホーム、海外旅行10カ国など)
- もう興味なし: 18個(バンジージャンプ、夜通しのクラブ遊びなど)
- まだやりたい: 30個
50代の追加(20個):
- 退職後に夫婦で四国お遍路
- 孫と一緒にキャンプ
- 自分史を書く
- 地元のNPOでボランティア
- 健康寿命を80歳まで延ばす
新しいAランク:
- 健康診断のオールクリア(今年)
- 四国お遍路の下調べ+1区間を歩く(今年)
- 自分史の第1章を書く(今年)
→ 「残り時間」を意識したことでAランクの項目がガラリと変わった。20代では「達成」が中心だったが、50代では「体験」と「人とのつながり」が上位に。達成済み32個、興味消失18個、継続30個、新規20個という内訳の変化に、価値観の成熟が表れている。
やりがちな失敗パターン#
- 現実的なことしか書かない — 「無理かも」フィルターをかけると、リストが退屈になる。夢みたいな項目も遠慮なく書く。実現方法は後から考えればいい
- 作って満足して見返さない — リストはノートの奥に眠らせるものじゃない。スマホの壁紙にするか、目に入る場所に貼る。見返さないリストは存在しないのと同じ
- 他人のバケットリストを参考にしすぎる — SNSで見た映えるリストに影響されて、本当はやりたくないことを書いても意味がない。自分の心が「ワクワク」するかどうかが唯一の基準
- 達成したリストを振り返らない — 達成した項目にチェックをつけるだけでなく、そのときの感想をメモする。後から見返すと、自分が何に喜びを感じるかのパターンが見える
まとめ#
バケットリストは「自分は何がしたいのか」を言語化する作業。100個書き出すのは大変だけど、そのプロセスで「本当に大事なこと」が見えてくる。書いたらAランクのものから行動に移す。人生は有限。やりたいことは、先延ばしにしている間にできなくなる。今日、ノートを開いて書き始めよう。