ひとことで言うと#
筋トレの効果は何回持ち上げるか(レップ数)と重量の組み合わせで決まる。筋力を伸ばしたいなら低レップ・高重量、筋肉を大きくしたいなら中レップ・中重量、持久力なら高レップ・低重量。目的に合ったレップレンジを選ぶことで、トレーニング効率が劇的に変わる。
押さえておきたい用語#
- レップ(Rep)
- Repetitionの略で、**1回の動作(持ち上げて下ろす)**のこと。「10レップ」は10回持ち上げるという意味。
- 1RM(ワンレップマックス)
- ある種目で1回だけ持ち上げられる最大重量のこと。レップレンジの重量設定はこの値を基準にする。
- RIR(Reps In Reserve)
- セット終了時に**「あと何回できたか」を示す余力回数**のこと。RIR2なら「あと2回はできた」を意味する。
- TUT(Time Under Tension)
- 1セット中に筋肉が張力を受けている合計時間のこと。筋肥大には30〜60秒のTUTが推奨される。
レップレンジの全体像#
こんな悩みに効く#
- 筋トレを続けているが、何回やればいいのかわからず適当にやっている
- 筋肉を大きくしたいのに、軽い重量で高回数ばかりやっている
- トレーニングの効果が頭打ちになっている
基本の使い方#
まず何のために筋トレするのかを決める。
- 筋力アップ(ストレングス): 重いものを持ち上げられるようになりたい
- 筋肥大(ハイパートロフィー): 筋肉を大きくしたい
- 筋持久力(エンデュランス): 長時間動ける体を作りたい
多くのトレーニーの目的は筋肥大。まずは筋肥大レンジから始めるのが無難。
| 目的 | レップ数 | 重量(1RMの%) | セット間休憩 |
|---|---|---|---|
| 筋力 | 1〜5回 | 85〜100% | 3〜5分 |
| 筋肥大 | 6〜12回 | 65〜85% | 60〜90秒 |
| 筋持久力 | 15〜20回+ | 50〜65% | 30〜60秒 |
※1RM = 1回だけ持ち上げられる最大重量
ポイント: 最新の研究では、レップレンジに関わらず「限界近くまで追い込む」ことが最も重要とされている。
選んだレップレンジでギリギリ完遂できる重量を見つける。
- 筋肥大狙いで「10回×3セット」に設定する場合
- 10回目がギリギリ上がる重量を選ぶ
- 楽に12回できるなら重量を上げる、8回で潰れるなら重量を下げる
- 各セットで「あと1〜2回でもう上がらない」状態が理想
ポイント: フォームが崩れる重量は重すぎ。正しいフォームを維持できる範囲で限界を攻める。
同じレンジばかりでは体が適応してしまうため、4〜6週間ごとにレンジを変動させる。
- 1〜4週目: 筋肥大レンジ(8〜12回)
- 5〜6週目: 筋力レンジ(3〜5回)
- 7〜10週目: 筋肥大レンジに戻る
これをピリオダイゼーション(期分け)と呼ぶ。体に新しい刺激を与え続けることで、停滞を打破する。
具体例#
メニュー設計:
- 重量: 80kg × 75% = 60kg
- レップ: 10回
- セット: 3セット
- セット間休憩: 90秒
進め方:
- 1セット目: 60kg × 10回(あと2回はいけそう → RIR2)
- 2セット目: 60kg × 10回(あと1回でギリギリ → RIR1)
- 3セット目: 60kg × 8回(限界まで追い込む → RIR0)
3セット目で10回完遂できるようになったら、重量を2.5kg上げる。
結果: 8週間で1RMが80kg→87.5kgに向上。胸囲も2cm増加。
目的: フルマラソン後半の失速を防ぐため、脚の筋持久力を強化したい。
メニュー設計(週2回):
- スクワット: 40kg × 20回 × 3セット(休憩45秒)
- ランジ: 自重 × 15回 × 3セット(休憩30秒)
- カーフレイズ: 30kg × 20回 × 3セット(休憩30秒)
8週間の実践後:
- 同じ重量で25回に到達(持久力向上)
- フルマラソン後半のペース低下: キロ+45秒→キロ+20秒に改善
- 35km以降の脚の「売り切れ」感覚が減少
「高レップ・短休憩の筋トレが、ランニングの後半粘りに直結した。」
状況: デッドリフト180kgで6ヶ月停滞。筋力レンジ(3〜5回)ばかりのトレーニングで関節の疲労も蓄積。
プログラム変更(8週間サイクル):
- 1〜4週目(筋肥大レンジ): 140kg × 8回 × 4セット、休憩90秒
- 5〜6週目(筋力レンジ): 165kg × 3回 × 5セット、休憩4分
- 7週目(ピーキング): 175kg × 1回 × 3セット
- 8週目: ディロード
結果:
- デッドリフト1RM: 180kg → 190kg(+10kg)
- 筋肥大期間で筋肉量が増え、筋力期間でそれを活用できた
- 関節の痛みが消えた
「筋肥大レンジが筋力の土台を太くし、筋力レンジがその太さを力に変えた。」
やりがちな失敗パターン#
- いつも同じレップレンジでやり続ける — 体は刺激に適応する。筋肥大レンジばかりでなく、時々筋力レンジも取り入れることで、扱える重量が上がり筋肥大にもつながる
- 軽すぎる重量で回数だけこなす — 12回やっても余裕がある重量では筋肥大効果は薄い。「あと1〜2回で限界」の強度が必要
- レップ数にこだわりすぎてフォームが崩れる — 10回と決めたからと無理にチーティングで持ち上げるのは怪我のもと。フォームが崩れたらそこで終了し、次回の目標にする
- セット間の休憩を適当にする — 筋力レンジなら3〜5分、筋肥大なら60〜90秒。目的に合った休憩時間を守ることで効果が最大化する
まとめ#
レップレンジは 「目的に合った回数と重量を選ぶ」 というトレーニングの基本設計。筋力なら1〜5回、筋肥大なら6〜12回、持久力なら15回以上が目安。大事なのは適切な重量で限界近くまで追い込むことと、定期的にレンジを変えて体に新しい刺激を与え続けること。