パーマネント・ポートフォリオ

英語名 Permanent Portfolio
読み方 パーマネント ポートフォリオ
難易度
所要時間 30分〜1時間
提唱者 ハリー・ブラウン(1981年『Fail-Safe Investing』)
目次

ひとことで言うと
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株式・長期国債・金・現金を各25%ずつ保有し、どんな経済環境でも資産を守るという超シンプルな資産配分戦略。投資アドバイザーのハリー・ブラウンが1981年に提唱した。

押さえておきたい用語
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押さえておきたい用語
パーマネント・ポートフォリオ
株式・長期債券・金・現金を均等に25%ずつ配分し、経済のどの局面でも一部が利益を上げる設計にした永続型ポートフォリオ。
リバランス
値動きで崩れた資産配分を元の比率に戻す操作のこと。パーマネント・ポートフォリオでは年1回または配分が15%以上ずれたときに実施する。
繁栄期(Prosperity)
経済が成長し企業業績が好調な局面。株式が最も有利に働く。
デフレーション
物価が持続的に下落する局面。長期国債の価格が上昇し資産を守る。

パーマネント・ポートフォリオの全体像
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パーマネント・ポートフォリオ:4つの資産が経済4局面をカバーする
株式 25%繁栄期に強い経済成長・企業収益拡大で上昇S&P500、全世界株式長期国債 25%デフレ期に強い金利低下で債券価格が上昇20年超の国債ETF金 25%インフレ期に強い通貨の価値が下がると金価格が上昇金ETF、純金積立現金 25%不況期に強い他の資産が暴落しても価値を保つ普通預金、短期国債4資産×25% = どの局面もカバー1つが下がっても残り3つのうち1つ以上が支える構造
パーマネント・ポートフォリオの運用フロー
1
4資産を選定
株式・長期債・金・現金の商品を決める
2
25%ずつ配分
投資額を4等分して購入
3
年1回リバランス
比率のズレを元に戻す
放置運用
景気予測はせず仕組みに任せる

こんな悩みに効く
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  • 投資に時間をかけたくないが、預金だけでは不安
  • 株式100%は暴落が怖いけど、何にどれだけ分散すればいいかわからない
  • 複雑なポートフォリオ理論が理解できなくてもシンプルに始めたい

基本の使い方
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4つの資産クラスで商品を選ぶ
資産日本在住者向けの選択肢
株式25%eMAXIS Slim全世界株式 or S&P500連動ETF
長期国債25%米国長期国債ETF(為替ヘッジ付推奨) or 国内20年超国債
金25%金ETF(1540等) or 純金積立
現金25%普通預金 or 個人向け国債(変動10年)

信託報酬が年0.2%以下のインデックス商品を選ぶのが原則。

投資額を4等分して購入する
  • 400万円なら各100万円ずつ
  • 毎月の積立なら月4万円 → 各1万円ずつ
  • 端数が出ても厳密に25.0%にこだわらなくてよい(±2%は許容範囲)
リバランスのルールを決める
  • 時間ベース: 年1回、決まった月にリバランス
  • 乖離ベース: いずれかの資産が35%以上 or 15%以下になったら実施
  • 値上がりした資産を売り、値下がりした資産を買う。「高く売って安く買う」が自動的に実現する

具体例
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例1:投資初心者の40歳会社員が500万円で始める

配分

資産商品金額年間コスト
株式eMAXIS Slim全世界株式125万円0.06%
長期債eMAXIS Slim先進国債券125万円0.15%
SMTゴールドインデックス125万円0.28%
現金個人向け国債(変動10年)125万円0%

年間の信託報酬合計: 約 3,700円(500万円に対して0.12%相当)

過去40年のバックテスト(米国データ)では年平均リターン 7.5%、最大下落 −13%(2008年)。株式100%の最大下落−50%超と比べて、暴落耐性が格段に高い。「夜ぐっすり眠れるポートフォリオ」と呼ばれる理由がここにある。

例2:定年退職した65歳夫婦が退職金を守りながら運用する

状況: 退職金2,000万円のうち1,200万円を運用、残り800万円は生活予備費として預金

資産金額
株式300万円
長期国債300万円
300万円
現金(短期国債)300万円

年金で生活費の大部分をカバーしているため、運用資産から取り崩す必要は当面ない。年1回のリバランスだけで5年後の想定資産額は約 1,450万円(年利4%想定)。

リーマンショック級の暴落(株式−50%)が来ても、株式部分の損失は150万円。ポートフォリオ全体では長期債と金が上昇するため、全体の下落は −8%程度(96万円)で収まる試算になる。

例3:20代フリーランスが月3万円の積立で始める

配分: 月3万円 → 各7,500円ずつ

資産月額商品
株式7,500円つみたてNISAで全世界株式
長期債7,500円先進国債券インデックス
7,500円金ETF(月次自動積立)
現金7,500円ネット銀行の定期預金

3年間(36ヶ月)積み立てると元本108万円。年利5%想定で約 117万円 になる。

20代で株式25%は「もったいない」と感じるかもしれないが、パーマネント・ポートフォリオの目的は最大リターンではなく「続けられる仕組み」。暴落で資産が半減して投資をやめてしまうよりも、穏やかに増えて20年続ける方が最終的な資産額は大きくなる。投資の筋肉を鍛える入口としてこのシンプルさは武器になる。

やりがちな失敗パターン
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  1. 現金25%が無駄に感じて株式に寄せる — 現金は不況期のクッションであり、リバランス時に割安資産を買う原資。削ると暴落耐性が大幅に下がる
  2. 金利上昇で長期債が下落してパニック売りする — 長期債はデフレ期のための保険。短期的な含み損で売却するとポートフォリオのバランスが壊れる
  3. リバランスのタイミングを感情で決める — 「もっと上がりそう」「まだ下がりそう」で判断すると、結局リバランスしない。日付を決めて機械的にやる
  4. バックテストのリターンだけ見て期待しすぎる — 過去のリターンは将来を保証しない。特に日本の低金利環境では、長期債部分のリターンが米国より低くなる可能性がある

まとめ
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パーマネント・ポートフォリオは 「株式・長期債・金・現金を25%ずつ」 という覚えやすいルールだけで運用できる。複雑な理論も相場予測も不要で、年1回のリバランスだけ。最大リターンを狙う戦略ではないが、どんな経済環境でも大崩れしない安定感が最大の強み。投資に時間をかけたくない人、暴落で眠れなくなる人にとって、これ以上シンプルな答えはなかなかない。