ドルコスト平均法

英語名 Dollar-Cost Averaging
読み方 ドルコスト へイキンホウ
難易度
所要時間 30分(初回設定のみ)
提唱者 ベンジャミン・グレアム(投資手法として普及)
目次

ひとことで言うと
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毎月同じ金額を、同じタイミングで、淡々と投資し続ける。 価格が高い時は少なく、安い時は多く買うことになるため、購入単価が自動的に平準化される。「いつ買うか」を考える必要がなくなり、投資の最大の敵である「感情」を排除できる。初心者に最もおすすめの投資手法。

押さえておきたい用語
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押さえておきたい用語
平均取得単価
投資した総額を取得した総口数で割った1口あたりの実質的な購入コストのこと。ドルコスト平均法では安い時に多く買うため、単純平均より低くなる。
基準価額
投資信託の1口あたりの価格を指す。毎営業日に算出され、この金額が変動することで投資の損益が決まる。
積立NISA(つみたてNISA)
年間の投資額が非課税になる税制優遇制度のこと。ドルコスト平均法との相性が極めて良く、長期積立投資の基盤になる。
信託報酬
投資信託の運用・管理にかかる年間コストである。0.1%台以下の低コストファンドを選ぶことが長期リターンに直結する。

ドルコスト平均法の全体像
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ドルコスト平均法:価格変動の中で購入単価が平準化される仕組み
価格が高い時同じ金額で少なく買う3万円÷1万円=3口価格が安い時同じ金額で多く買う3万円÷6千円=5口結果購入単価が自動的に平準化感情に左右されない基準価額の推移イメージ平均●=毎月の購入ポイント(金額は同じ)時間を味方にする投資法「いつ始めるか」より「いつまで続けるか」
ドルコスト平均法の始め方フロー
1
投資額を決める
手取りの10〜20%を先取り確保
2
投資先・日付を決める
低コストインデックスで自動積立設定
何があっても続ける
暴落時こそ安く買えるチャンス

こんな悩みに効く
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  • 投資を始めたいが「今は高値じゃないか」と踏み出せない
  • 一括で大金を投資する勇気がない
  • 暴落のニュースを見るたびに不安になり、冷静な判断ができない

基本の使い方
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ステップ1: 毎月の投資額を決める

まず、毎月いくら投資に回せるかを決める。

目安:

  • 手取りの**10〜20%**が理想
  • 最低でも月1万円から始められる
  • 生活防衛資金(生活費の3〜6ヶ月分)を確保した上で設定する

「余ったお金で投資」ではなく「先に投資額を確保して残りで生活」が鉄則。 先取り投資のイメージ。

ステップ2: 投資先と日付を決める

何に投資するか、いつ買うかを決める。

投資先の王道:

  • 全世界株式インデックスファンド: 最もシンプルで分散が効いている
  • S&P500連動ファンド: 米国株に集中投資したい場合
  • 信託報酬は0.1%台以下のものを選ぶ

買付日:

  • 給料日の翌日に設定すると忘れにくい
  • 自動積立設定にすれば完全に手間ゼロ
  • つみたてNISAやiDeCoを最大限活用する
ステップ3: 何があっても続ける

ドルコスト平均法で最も大切なのは継続すること

  • 株価が暴落しても買い続ける(むしろ安く買えるチャンス)
  • 株価が急騰しても増額しない(高値掴みを避ける)
  • ニュースや周囲の意見に惑わされない

「相場を予測する」のではなく「時間を味方にする」のがこの手法の本質。 10年、20年単位で淡々と続けることが最大のリターンを生む。

具体例
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例1:毎月3万円の積立で購入単価の平準化効果を確認する

状況: 投資初心者の鈴木さん(28歳)が、毎月3万円をインデックスファンドに積立投資。価格変動の中での効果を検証。

基準価額購入口数
1月10,000円3.0口
2月8,000円3.75口
3月6,000円5.0口
4月8,000円3.75口
5月10,000円3.0口

結果:

  • 投資総額: 15万円
  • 取得口数合計: 18.5口
  • 平均取得単価: 15万円 ÷ 18.5口 = 約8,108円

もし1月に一括15万円を投資していたら:

  • 取得口数: 15口(基準価額10,000円)
  • 5月末の評価額: 15万円(±0)

ドルコスト平均法の場合:

  • 5月末の評価額: 18.5口 × 10,000円 = 18.5万円(+3.5万円の利益)

同じ15万円の投資で、一括投資なら±0、ドルコスト平均法なら**+3.5万円**。安い時に多く買えたことで差がついた。「下がったらラッキー」と思える仕組み——それが購入単価の平準化効果。

例2:S&P500に月3万円を10年間積み立てた実績

状況: 田中さん(35歳)がS&P500インデックスファンドに月3万円を2014年から10年間積み立てた。途中、2020年3月のコロナショックを経験。

経過:

時期出来事評価額元本
2014年開始積立スタート
2019年末順調に推移約280万円216万円
2020年3月コロナショック約190万円222万円
2020年12月回復約320万円252万円
2024年末10年経過約680万円360万円

ポイント:

  • コロナショック時: 評価額が元本を一時20%下回る含み損
  • しかし安値で多くの口数を購入できた
  • 回復後のリターンが大幅に向上

元本360万円680万円に。暴落の底で積立をやめていたら? おそらく400万円台で止まっていた。「暴落は長期投資家へのプレゼント」——これは精神論ではなく、安値で口数を稼いだ結果が数字に出ている。

例3:一括投資とドルコスト平均法を360万円で比較する

状況: まとまった退職金360万円を投資に回したい60代の山本さん。一括投資と3年間の積立投資を比較検討。

条件:

  • 投資額: どちらも360万円
  • 一括投資: 2020年1月に全額投入
  • 積立投資: 2020年1月〜2022年12月まで月10万円
  • 対象: 全世界株式インデックス

結果(2024年末時点):

指標一括投資積立投資
評価額約540万円約490万円
リターン+50%+36%
2020年3月の最大含み損-30%(-108万円)-8%(-2.4万円)

分析: 統計的には一括投資の方がリターンは高いが、2020年3月時点で一括は108万円の含み損を経験。精神的負荷は桁違い。

最大含み損、一括は**-108万円**、積立は**-2.4万円**。リターン差は14ポイントだが、精神的負荷は桁違い。退職金のような大きな金額こそ、3年に分けて積み立てる方が「売らずに済む」確率が上がる。

やりがちな失敗パターン
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  1. 暴落時にやめてしまう — 下落相場こそ安く買えるボーナスタイム。「怖い」と感じた時こそ続けることが、将来のリターンを決める
  2. 短期で成果を求める — ドルコスト平均法は最低5年、理想は10年以上の長期戦略。1〜2年で「増えない」と判断するのは早すぎる
  3. 投資額をコロコロ変える — 相場が良い時に増額し、悪い時に減額すると、平準化の効果が薄れる。金額は固定して淡々と続けるのが原則
  4. 高コストのファンドを選んでしまう — 信託報酬1.5%と0.1%の差は、20年で数百万円の差になる。信託報酬0.1%台以下のインデックスファンドを選ぶことが大前提

まとめ
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ドルコスト平均法は、毎月一定額を淡々と投資し続けるシンプルな手法。購入単価が自動的に平準化され、投資タイミングを考える必要がなくなる。暴落時も続けることで安く買え、長期的にはリターンの底上げにつながる。「いつ始めるか」 ではなく 「いつまで続けるか」 が成果を決める。今日から自動積立を設定しよう。