ミラーの法則(7±2)

英語名 Miller's Law
読み方 ミラーズ ロー
難易度
所要時間 15〜30分(情報整理)
提唱者 ジョージ・A・ミラー
目次

ひとことで言うと
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人間の短期記憶(ワーキングメモリ)が一度に保持できる情報のかたまり(チャンク)は7±2個、つまり5〜9個が限界という認知心理学の法則。UIや情報設計で、ユーザーに一度に見せる要素数の目安として広く使われている。

押さえておきたい用語
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押さえておきたい用語
チャンク(Chunk)
関連する情報をひとまとめにしたかたまり。電話番号のハイフン区切りが典型例。
ワーキングメモリ(Working Memory)
情報を一時的に保持・操作する短期記憶のこと。容量に限界がある。
認知負荷(Cognitive Load)
情報処理にかかる脳への負担量。チャンク数が増えるほど認知負荷は上がる。
チャンク化(Chunking)
個々の情報をグループにまとめ、記憶しやすい単位に変換する技法。

ミラーの法則の全体像
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情報洗い出し→チャンク化→取捨選択→視覚表現の流れ
情報洗い出し伝えたい情報をすべて列挙削らずにまず全部出す全体像を把握するチャンク化関連情報を5〜9個にまとめる類似項目をグルーピング直感的ラベルを付与取捨選択優先度の低いグループを削る主目的に直結するものを最優先で残す視覚表現デザインでグループを明示余白・見出し・色でチャンクを視覚化数を減らすだけでなく「まとめて見せる」技術が鍵
ミラーの法則の適用フロー
1
情報を洗い出す
伝えたい全情報をリストアップ
2
チャンク化する
5〜9個のグループにまとめる
3
優先順位で選別
低優先度のグループを削除か隠す
4
視覚的に明示
余白・色・見出しでグループを分離

こんな悩みに効く
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  • ナビゲーションのメニュー項目が多すぎて、ユーザーが覚えられない
  • プレゼンのスライドに情報を詰め込みすぎて、聞き手がついてこない
  • ダッシュボードの指標が多すぎて、何が重要かわからない

基本の使い方
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ステップ1: 情報をすべて洗い出す

画面・ページ・資料で伝えたい情報をすべてリストアップする

  • ナビゲーション項目、セクション、KPI、入力項目など
  • 「あったら便利」レベルのものも含めて、まず全部出す

ポイント: この段階では削らない。全体像を把握することが目的。

ステップ2: チャンク化(かたまりにまとめる)

関連する情報を5〜9個のグループにまとめる

  • 類似する項目をカテゴリにグルーピングする
  • 各グループに直感的なラベルをつける
  • 電話番号を「090-1234-5678」のようにハイフンで区切るのもチャンク化の一種

ポイント: チャンク化すると、個々の情報は覚えなくても「グループの名前」を覚えるだけで済む。

ステップ3: 優先順位をつけて取捨選択する

チャンク化しても多い場合は、優先度の低いものを削るか隠す

  • ユーザーの主目的に直結するものを最優先
  • 頻度が低い情報はセカンダリ領域やドリルダウンに移動
  • 「あれば便利」は思い切って削る

1画面のメイングループは5〜7個を上限にする。

ステップ4: 視覚的にグループを明示する

チャンクの境界をデザインで明確にする

  • 余白(ホワイトスペース)でグループを分離する
  • 見出しやラベルでグループの内容を示す
  • 色やアイコンでカテゴリを視覚的に区別する

ポイント: チャンク化しても、見た目で区別がつかないと効果は半減する。

具体例
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例1:SaaSダッシュボードのKPI表示を5グループに整理する

Before: ダッシュボードに25個のKPIが横一列に並んでいた。ユーザーは「数字が多すぎてどこを見ればいいかわからない」とフィードバック。

After: KPIを5つのグループにチャンク化した。

  1. 売上指標(MRR、ARR、ARPU)
  2. 成長指標(新規顧客数、解約率)
  3. エンゲージメント(DAU、セッション時間)
  4. サポート(チケット数、CSAT)
  5. 財務(粗利率、LTV)

各グループをカード形式で分離し、見出しを付けた。

結果: ダッシュボードの利用頻度が2.3倍に増加。ユーザーが「今日見るべき数字」をすぐに見つけられるようになった。

例2:ECサイトのナビゲーションを120カテゴリから7グループに再編する

Before: ヘッダーのメガメニューに120のサブカテゴリが並んでいた。ユーザーの平均カテゴリ選択時間は18秒、メニューの途中離脱率は34%。

After: 120カテゴリを7つの大グループにチャンク化。

  • ファッション / ビューティー / 家電 / ホーム / フード / スポーツ / その他

各大グループをホバーで展開し、内部に3〜5のサブカテゴリを表示する2階層構造に変更。

結果: カテゴリ選択時間が18秒から6秒に短縮。メニュー途中離脱率は34%から12%に改善。

例3:会議用スライドの情報をチャンク化して理解度を上げる

Before: 四半期報告スライドに15項目の数値を1ページに羅列。聴衆アンケートで「情報量が多すぎて頭に入らない」が68%。

After: 15項目を3つのチャンクに分け、各チャンクを1スライドに配置。

  • スライド1: 売上の3指標(総売上・成長率・利益率)
  • スライド2: 顧客の3指標(新規獲得数・継続率・NPS)
  • スライド3: 効率の3指標(CAC・LTV・LTV/CAC比)

各スライドに見出しと色分けを追加。

結果: 「内容を理解できた」の回答が32%から89%に向上。Q&Aの質も具体的になった。

やりがちな失敗パターン
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  1. 「7個」を絶対ルールにしてしまう — ミラーの法則はあくまで目安。コンテキストによっては3個が最適な場合もあれば、10個でも問題ない場合もある。ユーザーテストで実際の認知負荷を確認すること
  2. チャンク化せずに数だけ減らす — 重要な情報を削ってしまうと機能不足になる。まずグルーピングで体感の量を減らすのが先
  3. グループの粒度がバラバラ — あるグループは2項目、別のグループは15項目では意味がない。各グループの要素数もなるべく均等にする
  4. 視覚的な区切りなくチャンク化を主張する — 論理的にグループ分けしても見た目で伝わらなければユーザーには同じ。余白・罫線・色の違いでグループ境界を明示する

まとめ
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ミラーの法則は 「人間が一度に扱える情報は7±2個」 という認知の制約を示す法則。デザインでは、情報をチャンク化して一度に見せる数を制御することで、ユーザーの認知負荷を大幅に下げられる。数を減らすだけでなく 「まとめて見せる」 技術が鍵。