Webアナリティクス

英語名 Web Analytics
読み方 ウェブ アナリティクス
難易度
所要時間 1〜2時間(基本分析)/ 継続的
提唱者 Webマーケティングの発展とGoogle Analyticsの普及により広く一般化
目次

ひとことで言うと
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Webアナリティクスとは、Webサイトやアプリのアクセスデータを体系的に収集・分析し、ユーザーがどこから来て、何をして、なぜ離脱するかを理解する手法。PV数やUU数といった表面的な数字を眺めるのではなく、「なぜこのページの離脱率が高いのか」「どの流入経路が最もCVに貢献しているか」といった問いに答え、改善アクションにつなげる。

押さえておきたい用語
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押さえておきたい用語
セッション(Session)
ユーザーがサイトに訪問してから離脱するまでの一連の行動のこと。GA4では30分間操作がないと新しいセッションとしてカウントされる。
コンバージョン率(CVR: Conversion Rate)
サイト訪問者のうち目的の行動(購入・資料請求・登録など)を完了した割合のこと。CVR = CV数 ÷ セッション数 × 100。
直帰率(Bounce Rate)
サイトに訪問して1ページだけ見て離脱した割合を指す。直帰率が高い場合、ランディングページの改善が必要な可能性がある。
UTMパラメータ(UTM Parameters)
URLに付与する流入経路を識別するためのタグのこと。utm_source、utm_medium、utm_campaignの3つが基本。広告やメルマガの効果測定に必須。
イベントトラッキング(Event Tracking)
ページビュー以外のユーザー行動(ボタンクリック、スクロール、動画再生など)を計測する仕組みである。GA4ではすべてがイベントベースで計測される。

Webアナリティクスの全体像
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Webアナリティクスの構造:計測設計→データ収集→分析→改善
KPI定義・計測設計ビジネスゴール → 主要KPI 3つ以内GA4タグ・イベント・UTM設定3つの視点で分析集客分析どこから来たか?オーガニック / 広告SNS / メルマガ / 直接質の高い流入はどれ?行動分析何をしたか?閲覧ページ / 滞在時間クリック / スクロールどこで離脱した?CV分析成果に繋がったか?CVR / フォーム完了率ファネルのボトルネックCVの阻害要因は?全体平均ではなくセグメントで深掘りセグメント分析(改善の鍵)デバイス別PC vs モバイル流入元別広告 vs オーガニックユーザー別新規 vs リピーター分析 → 仮説 → 施策 → 検証小さな改善を高速で回し続ける
Webアナリティクスの進め方フロー
1
KPI定義
ビジネスゴールからKPIを3つ以内に絞る
2
計測設計
GA4タグ・イベント・UTMパラメータを正しく設定
3
セグメント分析
全体平均でなくセグメントで切ってボトルネックを特定
施策実行・検証
仮説に基づく改善を実行しデータで効果を確認する

こんな悩みに効く
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  • アクセス数は見ているが、何をどう改善すればいいかわからない
  • どの流入チャネルに投資すべきか判断できない
  • サイトリニューアルの効果を正しく評価したい

基本の使い方
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ステップ1: 計測の目的とKPIを定義する

「何のためにデータを見るのか」を先に決める

  • サイトの目的: EC → 購入数・売上、メディア → PV・滞在時間、BtoB → リード獲得数
  • KPIツリー: 最終目標からブレイクダウンして中間指標を設定
    • 例: 売上 = セッション数 × CVR × 客単価
  • 計測設計: 何をイベントとしてトラッキングするかを決める

ポイント: KPIが定まっていないと「データは見るが、何も変わらない」状態になる。アクションに直結する指標を3つ以内に絞る

ステップ2: データを正しく収集する

信頼できるデータを漏れなく取得する環境を整える

  • タグの実装: Google Analytics 4、Adobe Analyticsなどの計測タグを正しく設置
  • イベント設計: ページビューだけでなく、クリック、スクロール、フォーム送信などの重要アクションを計測
  • UTMパラメータ: 流入経路を正確に識別するためのキャンペーンパラメータを設定

ポイント: 計測が壊れていると分析の前提が崩れる。月に1回は計測データの正確性をチェックする

ステップ3: データを分析してインサイトを得る

数字の羅列ではなく「なぜ?」を掘り下げて、改善のヒントを見つける

  • 集客分析: どのチャネルからどれだけの質の高いトラフィックが来ているか
  • 行動分析: ユーザーがサイト内でどう動いているか、どこで離脱しているか
  • コンバージョン分析: CVに至るまでのファネルのどこにボトルネックがあるか
  • セグメント分析: デバイス別、新規/リピーター別、流入元別に比較する

ポイント: 全体平均だけ見ると見えないことが多い。セグメントを切ると、改善ポイントが浮かび上がる

ステップ4: 改善施策を実行し、効果を検証する

分析結果をもとに仮説を立て、施策を実行し、データで効果を確認する

  • 仮説の例: 「商品ページのCTAボタンが目立たないから、CVRが低い」
  • 施策の実行: CTAのデザイン変更、ランディングページの改善、導線の見直し
  • 効果検証: A/Bテストや前後比較でKPIの変化を確認
  • サイクルを回す: 分析→仮説→施策→検証を繰り返す

ポイント: 一度の改善で劇的な成果は出にくい。小さな改善を高速で回すことが、長期的な成果につながる

具体例
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例1:BtoBサービスサイトがセグメント分析でリード獲得を2.6倍にする

状況: 月間10,000セッションあるが、資料請求(CV)は月20件。CVR 0.2%と低迷。広告費の追加投資は難しく、サイト改善でCV数を増やしたい。

分析:

  • 集客分析: オーガニック検索からの流入が60%だが、CVRは0.1%。一方、メルマガ経由はCVR 2.0%
  • 行動分析: サービス紹介ページからの離脱率が75%。ユーザーは平均1.5ページで離脱
  • ファネル分析: 資料請求フォームへの遷移率が3%、フォーム完了率が40%
  • セグメント分析: モバイルのCVRがPCの1/5。フォームがモバイル最適化されていなかった

施策:

  1. サービス紹介ページに事例・導入効果を追加 → 離脱率75%→55%に改善
  2. フォームをモバイル最適化(入力項目を8→4に削減)→ フォーム完了率40%→65%に
  3. オーガニック検索のランディングページにCTAバナーを追加 → フォーム遷移率3%→5%に

結果:

  • 月間CV: 20件→52件(2.6倍)
  • CVR: 0.2%→0.52%
  • 広告費の追加投資なしで、リード数を大幅に改善できた

月間CV 20件→52件(2.6倍)、広告費の追加投資なし。「モバイルのCVRがPCの1/5」という構造的な問題は、セグメントを切って初めて見えた。

例2:ECサイトがファネル分析でカート離脱率を改善する

状況: 月商800万円のアパレルEC。月間セッション数5万件。商品閲覧は多いが、購入に至る割合が低い。CVR 1.2%を1.8%に引き上げたい。

ファネル分析の結果:

ファネル段階セッション数通過率離脱ポイント
商品一覧50,000100%
商品詳細35,00070%−30%
カート追加8,75025%−75% ← ボトルネック
決済画面3,50040%−60% ← ボトルネック
購入完了60017.1%

発見:

  • 商品詳細→カート追加の通過率25%が業界平均(35%)を大きく下回る
  • 決済画面でのカート離脱率が60%(業界平均40%)

セグメント深掘り:

  • モバイルのカート離脱率: 72%(PCは45%)→ モバイル決済UIが原因
  • 新規ユーザーの決済離脱率: 68% → 会員登録が必須で離脱

施策:

  1. 商品詳細ページにサイズ感レビューを追加 → カート追加率25%→32%
  2. モバイル決済のステップを3画面→1画面に短縮 → モバイル離脱率72%→48%
  3. ゲスト購入(会員登録不要)を導入 → 新規離脱率68%→45%

月商800万→1,300万円、追加の集客コストゼロ。モバイル決済UIの改善とゲスト購入の導入が特に効いた。ファネルの「どこで」「なぜ」離脱しているかを特定し、ピンポイントで手を打ったのが成功の要因。

例3:地方の観光サイトがコンテンツ分析で集客戦略を転換する

状況: 地方自治体の観光情報サイト。年間120万PV。しかし、サイトからの宿泊予約や体験プラン申込(CV)は月40件と少なく、「見るだけ」で終わっている。

分析:

  • コンテンツ別PV: 「観光スポット一覧」ページが全PVの38%を占めるが、CVR 0.02%
  • CV貢献度の高いページ: 「モデルコース」ページ(PVの5%だがCVR 2.8%)、「体験レポート」ページ(PVの3%だがCVR 3.5%)
  • 流入元別: Google検索からの流入が65%だが、検索キーワードの80%が「〇〇市 観光」のような情報収集型

セグメント分析:

コンテンツタイプPV割合CVRCV貢献率
観光スポット一覧38%0.02%5%
イベント情報20%0.05%7%
モデルコース5%2.8%35%
体験レポート3%3.5%28%
アクセス情報15%0.1%10%

発見: PVの多い「観光スポット一覧」はCVにほぼ貢献していない。CVの63%は「モデルコース」と「体験レポート」の2タイプから生まれている。

施策:

  1. モデルコースを10本→30本に拡充(季節・テーマ別)
  2. 体験レポートを月2本→月8本に増やし、予約リンクを直接設置
  3. 観光スポット一覧ページにモデルコースへの導線を追加

月間CV 40件→110件(2.75倍)。PVの38%を占める「観光スポット一覧」はCVにほぼ貢献していなかった。CVの63%を生んでいた「モデルコース」と「体験レポート」に投資を集中した判断が正しかった。

やりがちな失敗パターン
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  1. PV数だけを追いかける — PVが増えてもCVにつながらなければ意味がない。ビジネスゴールに直結するKPI(CVR、売上、リード数)を主指標にする
  2. 全体平均だけで判断する — CVR 1%の全体平均の裏に、PC 2%・モバイル 0.3%が隠れていることがある。デバイス、流入元、新規/リピーターなどのセグメントで分けて見る
  3. データを溜めるだけで活用しない — 月次レポートを作って共有するだけでは何も変わらない。分析→仮説→施策→検証のサイクルを回す仕組みを作る
  4. 計測環境のメンテナンスを怠る — サイトリニューアルやタグマネージャーの変更で計測が壊れていることがある。月1回は主要イベントの計測が正しく動いているかチェックし、データの信頼性を維持する

まとめ
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Webアナリティクスは、サイトのデータを体系的に分析し、改善アクションにつなげるフレームワーク。KPIの定義、正確な計測、セグメント分析、施策の実行と検証という4ステップで実践する。重要なのは「データを見ること」ではなく「データをもとに行動すること」。まずは自サイトのCVRをセグメント別に分解して、最大のボトルネックを1つ特定するところから始めよう。